【インタビュー】OKAMOTO'Sハマ・オカモト、左右反転“オカモト・ハマ”誕生なるか?
■たまごっちで言うところの
■“なにっち”になるのか
──本当かどうか分からないですけど、左脳と右脳でリズムと音程を各々で司っていると聞いたことがあるんですが、どうですかね。
ハマ:そうなんだ…。でもそうだとすると凄い混乱してきますよね。「急にこんなことし出した!」って(笑)。すごい右が下手になって戻ってきたら本末転倒ですね(笑)。兆しがあったら辞めます、仕事にならなくなっちゃうので(笑)。まあでもみんなも面白がってくれているし、同じことをやっている人も意外といないので、頑張りますよ。
──ピアノとか、鍵盤が左右逆になったらどうなんでしょうね。
ハマ:でもピアノは本当にすごいと思いますね。やってたことがあって、ある程度は弾けていたんですけど、好きじゃなかったんで全くできないんです。ピアノは左右バラバラのことをやるのが相当難しくて。でもピアノの人に言わせればベースだってバラバラじゃんって言うんですけど、これとそれとは全然違うと思っていて。
──これからの成長が楽しみですね。
ハマ:来年の時点でどうなってるかをまず測りたいですね。
──タイム感やビートといったグルーヴを表現することと、テクニカルなフレージングの習得、どちらが先に右に追いつくんでしょうか。
ハマ:タイム感というものに関しては、自分の中の正解は今のタイム感だから、そこばっかりは追いつくというか、似てくるんだろうなっていうのはあるんですけど…さっきメタルと言ったように、テクニック的な意味では違う生き物として成長させたほうが面白いなと思っているんです。
──戦士として育てるのか、魔導師にするのか、みたいな?
ハマ:そうそう、どういうふうに化けていくのかっていうのが、たまごっちで言うところの“なにっち”にもなってない状態なので(笑)。果たして測ることができるようになるのか、上手くなっていくと自ずと似てきてしまうのか、その辺は本当に実験段階すぎて…そこはまあ、最初の楽しみですよね。僕はわりと普段ツッコミ気味なんで、左のほうがレイドバックっぽく弾けるのか、と思っていたり。
──脳みそで弾いてるのか?手で弾いてるのか?みたいなところもあるんでしょうか。
ハマ:今は完全に脳で弾こうとしていて脱線してるんじゃないですかね。操縦士だけは熟練だけど、実作動する部分がまだうまいこと動かないポンコツだから。
──いい監督なのに選手がダメみたいな。
ハマ:そんな感じですね(笑)。ゼロから始めてるけどゼロから始めてないっていうこの不思議な感じ。
──4月の新学期からOKAMOTO'Sメンバー全員が左にチャレンジして、いきなりド下手バンドになるってどうですか(笑)?
ハマ:それ提案してみたんですよ。でも難しさで言うと、ドラムはそうでもないって言ってました。いわゆる全身を使う楽器なので、ポジションが変わるだけみたいで、やらせてみたら全然問題なかった。「意外と面白く無いかも」って(笑)。ギターの場合は、コードっていう段階があるので、それは面白がってますね。フェンダーのスタッフも「じゃあ僕ギター左で始めます」と、今色んな人に伝染させていっているんで(笑)。1年経って「Smoke on the Water」や、「Smells Like Teen Spirit」をできるようになろうというノリでやってます(笑)。
──1年だと、リフは弾けてもソロはまだ難しそうですね。
ハマ:ソロはちょっと難しいでしょうね。でもリフが弾けただけでも「やったー!」って体験が出来るのはすごく貴重というか、あの瞬間って一生に一回だけだと思っていたけど、もしかしたらもう一回味わえるのかもと思っていて。あんな体験ないですからね。やっぱり、痛烈に覚えてるんです、「弾けたー!」っていう感覚。それがもう一回、今度は右脳で味わえると思うと、もうちょっと頑張ろうと思いますよ。
──それはそうですね。あの感動を。
ハマ:あとね、「楽器を演奏する」っていうことをもっといろんな人に経験して欲しいです。音楽の好きの度合いは人それぞれですけど、楽器を弾けるようになるとまた、音楽の壁っていうか色がまた変わってくるというか。僕は歌い手じゃないので、余計に楽器に注目してもらえるなら、ちょっとでもトライしてみて欲しいと常々思っています。
──右でもヘタクソな状態なのに左にチャレンジするって、意味ないかな。
ハマ:いや、本当に大事なのは「楽しいと思ってやれるか否か」、そこに全てかかっていると思うんです。何事もそうだと思うんですけど。いわゆる「ヘタ」と呼ばれる所から突破するかどうかは、熱意と興味と、一番は「楽しんでいるか」だと思うので。右手で弾いていてにっちもさっちも行かなくても、「左手でやりたい」という気持ちと、面白い!っていう感触があれば、いきなり左のほうが上手いかもしれないですよ。時期は関係ないと思います。「今40歳なんですけど始めたら遅いですか?」とツイッターで訊かれたりしますけど、全然関係ないです。やりたいと思っている時点で「人より上手い」んで。実技では分からないですけど、気持ちとしては完全に勝っているじゃないですか。
──疲れちゃってるプロプレイヤーよりも上かもしれないですよね。
ハマ:そうですそうです。そういう意味では「楽しんでる感」は絶対に初心者のほうが強いんです。「Fコードで挫折しました」など、色んな理由で辞めちゃう人も多いですけど、そういうことを減らすのが多分プロプレイヤーの宿命のひとつだとも思うんですよね。これを読んで、面白いなと感じてくれて右手で始めるも良いし。僕はまだ10年ぐらいしかキャリアはないけど、今楽器を始めて「弾けないという事が楽しい」と思えることは、間違いなく事実なので。
──そこはポイントですね。「弾けない…」という不満や苛立ちによって、演奏自体が楽しめなくなることってありますから。
ハマ:ありますね。みんなゴールがわからないからので、「上手くなった」みたいな瞬間を感じるその手前で辞めてしまうんですよ。すごくもったいないんです。もう少しだけそれに耐えると、一気に「あ、弾けた!」という素晴らしい瞬間がいきなりやってくるんですよ。「もう少し続けてみたら?」ということを言いたくて。
──ダイエットもそうですよねぇ。もうちょっと我慢すれば体重が下がるのに、我慢できなくて食べちゃうみたいな(笑)。
ハマ:そうなんですよね(笑)。大気圏じゃないけど、何かあるんですよ、ツラいところ、火がついちゃうところが。もうちょっとで地球なのに…みたいな(笑)。ある程度弾けるようになった人間からすると、そこがちゃんと分かるんです。楽器を弾けてCDに合わせて演奏したり、バンドの仲間と合奏することの楽しみを覚えているからこそ、そこを突破することによって楽しくなるひとつめの壁はぜひ超えて欲しい。
──同感です。
ハマ:あと、指が痛い、音が鳴らない、マメができちゃったっていうのは、それは上手くなってる証拠ですから。
──輝かしい勲章ですか。
ハマ:そうです。間違いなく上手くなっている証拠ですよ。何でもそうです。ドリブルもリフティングも最初はできないし、誰だって最初からすぐできるようになる訳ないんですよね。楽器の場合は、なかなかそこにフォーカスが当たらないんですよね。基本は弾けますという段階で、じゃあタッピングしましょう、という様な教則本はたくさんあるけど、初歩の初歩って一番伝わらないもどかしい部分ですよね。
──ハマ・オカモトも、今まさにそういう初心者の気持ちが分かる状態にいるわけですね。1年後、右手にない自分が左手にいたら大喝采だし、挫折してたらそれはそれで大爆笑ですね。
ハマ:そうですよ。挫折したら「やっぱり歴史になかっただけあるよな」という事で諦めもつくし。両利きのスタープレイヤーっていないですから。
──同じようにやっているつもりなのに左右でトーンが違うんだよね、みたいなことも起こりそうですね。
ハマ:出てくると思いますよ。昔ジャズベースからプレシジョンベースに持ち変えた時、ジャズベで弾けていると思っていたフレーズが弾けなかったり、そういう壁もあるので。
──へえ、そんなこともあるんですね。
ハマ:音の出し方が全然違うんですよね。ジャズベのほうが賢くて、音のバランスもすごく良いし、ピーク感や力の入れ具合をそのままプレベに持って行ってもプチュプチュ鳴っちゃってダメだったりね。今はとりあえずジャズベで練習していますけど、最終的にレフティーのいいベースを買ったりしてたら笑えますね(笑)。左利き用のベースは楽器店でも数がものすごく少ないので、そこにハマっちゃったら終わりだなと、今から夢だけ膨らませてますけど(笑)。
──是非こだわりのレフティープレイヤーになってください。
ハマ:録音をすることになったら、左で弾いた時のクレジットは“オカモト・ハマ”にしようと思っています(笑)。それを見れば「あ、この曲は左なんだ」って分かる…、そんなくだらないことばっかり考えてますけどね(笑)。
──そんなことより、まず練習を。
ハマ:ホントそうですね(笑)。このインタビューも、BARKS掲載史上「一番楽器歴が浅いミュージシャン」じゃないですか?まだ一ヶ月経ってないですから(笑)。
──まともに弾けない奴の話を小一時間聞きましたっていう(笑)。
ハマ:そうそう(笑)。そういう意味ではこれも快挙ですよ。
取材・文:BARKS編集長 烏丸哲也
OKAMOTO'S 6thシングル「HEADHUNT」
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※書き下ろしオリジナル・ジャケット
※書きおろし「デュラララ!!×2 承 SS」封入
1.HEADHUNT
2.チャンス
3.HEADHUNT(デュラララ!!×2 承short version)
4.HEADHUNT(instrumental)
DVD
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通常盤 ¥1,200(税込)BVCL-626
※「デュラララ!!×2 承」キャラカード1種封入(通常初仕様デザイン/初仕様のみ封入)
1.HEADHUNT
2.チャンス
3.HEADHUNT(instrumental)
4.Beek-Acoustic Studio Session-
DVD『OKAMOTO’S 5th Anniversary HAPPY!BIRTHDAY!PARTY!TOUR!FAINAL@日比谷野外大音楽堂』
OKAMOTO’Sライブ&イベント
<OKAMOTO’S 2015 SPRING LIVE CIRCUIT~ハマ☆クン24~>2015/3/13 岡山livehouse IMAGE
2015/3/17 久留米GEILS
2015/3/19 米子AZTiC laughs
<HAPPY JACK 2015>
2015/3/15 熊本B.9V1、V2、V3、DjangoぺいあのPLUS
<Rakuten kobo PRESENTS MUSIC CUBE 15>
2015/3/21 アリスガーデン、広島クラブクアトロ、ナミキジャンクション、Cave-Be、Hiroshima Back Beat
<R-BROS.FEST 2015~夜桜満開篇>
2015/3/26 新宿LOFT
<そうだ!LOTSへ行こう!!>
2015/3/28 新潟LOTS
<鈴木茂×猪野秀史Special Support with 林立夫&ハマ・オカモト~Billboard Live Tour 2015~>
2015/4/4 Billboard Live TOKYO
2015/4/4 Billboard Live OSAKA
<J-WAVE ROCKS!~SPRING>
2015/4/5 TOKYO DOME CITY HALL
<OKAMOTO’S LIVE 2015 CDVDC>
2015/4/24 EX THEATER ROPPONGI
2015/4/28 なんばHatch
2015/4/29 名古屋BOTTOM LINE
◆OKAMOTO’Sオフィシャルサイト
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