【インタビュー】山崎あおい、センチメンタルで微妙な女の子の距離感を綴った2ndアルバム『12センチ』
前作『アオイロ』からちょうど1年を経て、山崎あおいが2ndアルバム『12センチ』をリリース。「12個のセンチメンタルを詰め込んだ」という今作。12センチという触れそうで触れない微妙な距離感のドキドキした感情から、彼女が日頃から思っていることなど、切ない恋愛ソングだけではなく、「女の子」と「女性」のはざまにいる21歳の彼女の姿も浮き彫りになっている。
◆山崎あおい~拡大画像~
■思いっきりどん底で悲しいっていうよりも
■ちょっと心を引っ掻いて去って行くような感情
▲『12センチ』初回限定盤 |
▲『12センチ』通常盤 |
山崎あおい(以下、山崎):確かに微妙(笑)。12曲あるんですけど、種類は違うのに、どこかセンチメンタルな要素があって、12個のセンチメンタルが詰まってる……みたいな意味での12センチと、これは後付け感があるんですけど、CDって12センチらしいんです。それも引っ掛けていて。
――センチメンタルの「センチ」なんですね。センチメンタルは最近のテーマだったの?
山崎:切ないっていう感情が、最近特に思っていることなんです。それが恋愛の切なさなのか、ノスタルジックな感じの切なさなのかわからないんですけど。思いっきりどん底で悲しいっていうよりも、ちょっと心を引っ掻いて去って行くような。そういう感情が綺麗だなぁと思っていたんです。そういうことを考えていた1年間だったので、次出すアルバムを作ろうとなった時に、そういうテーマの曲がそろったんです。
――前作の『アオイロ』は、自分のストーリーという部分が強かったですよね。今回はまたちょっと視点が変わったわけですね。
山崎:そうですね。自分の中でも、地元の札幌から東京に来たことで感じる切なさもあった1年だったりもしたので、前作のように自分の内面が出ているものもあるんですよ。
――「サカナ」「モシモボクガ」「会いにゆくよ」がそうですか?
山崎:そうですね。
――山崎さんの今の年代だから描けるリアルな曲もありますね。「Charade」とか、歌詞に「2人ベッドの中で」って出てきたりして、ちょっぴり大人な雰囲気で。この曲を聴いて、『アオイロ』から時が経過したんだということを感じたんです。リアルに年を重ねている感じが出ているのがいいですね。
山崎:私の中で、この曲は踏み出した感じがあって。今まで真っすぐでピュアで青春を思い出すよねみたいな、爽やかでサラッとした曲をシングルでもアルバムでも出してきたんです。そういう曲もいいんですが、私ももう21歳だなっていうのを感じていて。だからちょっと大人っぽい曲も描いてみたいと思ったんですよね。サラッとしただけじゃない曲も今回のアルバムでは見せられたらなぁと思って。
――「君のいない夏なんて嫌いだ」は「夏海」とか、過去作品とのつながりも感じますが。
山崎:これは高校生の時に書いたんです。「夏海」よりはあとなんですけど、高校3年生の夏でした。私のレパトリーには、夏の曲ってけっこうあって。「夏海」もそうだし、『アオイロ』に入っていた「花火のあと」もそうだし。私は夏生まれなので、夏がすごく好きなんです。私の中では夏って切ないイメージがあって。だから、これからも夏ソングは書くんじゃないかと思うんですよね。
――そうかと思うと「BATABATA」みたいな曲もありますよね。恋愛だけじゃなく、友達関係でも、何かメールで聞いて、「YES」か「NO」の返事をしてくれればいいのに返事をくれなくて、こっちの予定が組めないとか本当によくある話だと思うんですよね。LINEの既読スルーとかもそうですけど、共感する人も多そうな。
山崎:返事をくれない人って、たいてい「バタバタしてて」って言うじゃないですか。こっちもちゃんとした返信が欲しいわけじゃないんですよね。だいぶ前にした約束だから、確認しようと思って、「明日予定通り遊ぶ?」って送って、既読がつくじゃないですか。そこで返す返事なんて、イエスかノーしかないわけだから、見たら、その場で返事しちゃえばいいと思うんですよ。でも、翌日、返事がきたら「バタバタしてて」って。バタバタしててもイエスかノーくらいは送れると思うんです。そういうことに腹が立って書いた曲(笑)。
――この曲はそれを恋する相手にしてるから、余計にもどかしさが伝わるよね。
山崎:書いたきっかけは友達だったんですけど、恋愛に置き換えてみました。恋愛関係だけじゃなく、友達関係でも、片思いみたいな状況ってありますよね。なんでいつも私のほうからばっかり誘ってるの?みたいな。
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