【インタビュー】FULLSCRATCH、最新アルバムは“最速”「むちゃくちゃでもええんちゃうかな」
■面白がってくれるんですよ、「バンドの本来の姿ってこれだよな」って
■「こうやって酒飲みながら俺もライブやりてえな」って
──「NEVER TRUST ASS」ではバンジョーなど、4人での音以外にもいろんな音が入っていますが、もともと曲のイメージとしてケルトな音があったんですか。
ANDREW:あれは、たまたまTHE CHERRY COKE$のメンバーが、スタジオで個人練習に来ていて。自分たちはミックスルームで音を作っていたんですけど。ちょっとTHE CHERRY COKE$の機材車もあるし、機材車にいろんな楽器入ってるんで、勝手に使っちゃおうよと(笑)。それでスタジオに入っていたTHE CHERRY COKE$のSuzuyoがハープが吹けるから、「やってよ」って(笑)。それでいきなりやらせたっていう。
──THE POGUESっぽいサウンドになってますが、もともとそういった曲ではなかったんですか。
ANDREW:曲調はこのままなんですけど、俺たちにない楽器を入れるとしたら「NEVER TRUST ASS」なのかなっていうふうに思って。ここにキラキラした弦楽器が入ってもいいんじゃないかっていうので。バンジョーなんか、ギターとチューニング違うし、弾いたこともないんですけど、masasucksが挑戦して。うまいことやったところ、「それいいじゃん」っていう。
ANTON:GOOD4NOTHINGのやつが勝手にコーラス入れてった曲もあるしな。
ANDREW:そう(笑)。GOOD4NOTHINGのメンバーが別件でレコーディングしに来ていたんですよ。そしたらハードディスクにFULLSCRATCHがあるわけじゃないですか。聴かしてよっていうから、今こんな感じに仕上がってるよって聴かせたら。これ勝手に入れていい?っていうから、じゃあ入れようぜって(笑)。メンバーの誰にも言わずに勝手に。
ANTON:勝手に分厚くなったから(笑)。
──いろんなゲストがいるんですね。ちなみにウエノコウジさんもゲスト参加していますよね。
ANDREW:ウエノさんに関しては「やらせろ」っていう感じだったみたいですけどね。
ANTON:「俺、最近速いの弾いてないから弾かせろ」って、masasucksに話があったみたいで。それで「THE GREATEST FASTEST」で弾いてもらって。
──しかもいちばん速い曲じゃないですか(笑)。
ANTON:俺も一応弾いてたんですけど、ウエノさん来てくれたので。
ANDREW:もともとはmasasucksがウエノさんのバンドでギターを弾いたことがあったらしくて。それもあっての今回っていう感じらしいんですけどね。
──なかなか異色の組み合わせで面白いですよね。
ANTON:しかもギャラが寿司なんですよ。まだ行けてないんですけど。
──時間があったからこそいろんな遊びができたし、飛び入り的にゲストも参加して、と楽しんで制作できたんですね。
ANDREW:そうですね。
YOSHIHIRO:時間があったわけではないねんけどな。
ANTON:実質レコーディングは10ヵ月中の14日くらいで。
ANDREW:曲や歌詞作りも、アレンジも、音作りも、すべて同時作業でやっていたのかなっていう。それをこの10ヵ月の空いてる時間でやってた感じなのかな。
YOSHIHIRO:もう一回やれって言われてもできひんよな。もうできへんわ。
ANTON:当分ええな。
YOSHIHIRO:せやな。
──でも今度はこのアルバムを実際に生で見せていく番ですから。アルバムツアーもありますが、今後FULLSCRATCHの活動としてはどうなっていくんでしょう。
ANTON:ツアーが1、2、3月であって、その先は未定やな。
ANDREW:スケジュール的に一気にツアーにいける時間がないので、また考えながらですね。
YOSHIHIRO:まあ、必要とされればやりますよ(笑)。
ANTON:でもアルバム出たら誘われるんちゃうか。方々から。
ANDREW:実際、出すってなってから増えたよね、ライブの誘い。
YOSHIHIRO:なので気長に誘ってくれたらね。
ANDREW:逆に忘れ去られるバンドよりも、レア扱いされているというか。最近はそんな感じですね。でもみんな、面白がってくれるんですよ。「バンドの本来の姿ってこれだよな」って、知り合いのバンドマンはみんな言うんですよ。FULLSCRATCHを見て、「俺ら今まで何やってたんだろう」って言うやつもいるしね。こうやって酒飲みながら俺もライブやりてえなって。
YOSHIHIRO:最後の希望や、俺らが。
ANDREW:ライブ前に本来ボーカリストなんて酒飲んだらいけないじゃないですか。ANTONがタオルをくわえて発声練習とかしてる姿なんて一度も見たことないし。逆に言うと、1997年とか1998年でタオルをくわえて発声練習してるやつなんていなかったですもん。
ANTON:マスクしてるやつもいなかったしな。
ANDREW:俺なんて、スティックはドラムセットに座るまで持たないですからね。みんな楽屋で練習してるけど。
YOSHIHIRO:そういうふうにストイックにやるのがカッコ悪い時代やったからな。
ANTON:パンクって言われてるバンドがなんでそんなに真面目にやんねんっていう。こういうやり方もあるよっていうか。ロックやパンクや言うてんのやったら、むちゃくちゃでもええんちゃうかなっていうのが、ほんまに極論ですけどね。
──そして、TIGHT RECORDSがPIZZA OF DEATHと合流して2作目ともなるわけで、FULLSCRATCHが動いていくことで、レーベルを背負っていくことにもなると思うんですが、そのあたりはどう考えてますか。
ANDREW:TIGHT RECORDSの存在としては、例えばEpitaphがあってそのなかにHellcatがあって。Hellcatから出てるバンドのほうがEpitaphよりカッコよかったりするじゃないですか。そんなふうに、かっけぇって言われたいみたいな感じですね。PIZZAよりTIGHTかなって。そういう人も中にはいるだろうし、そんな存在でいたいなと。そのためにもFULLSCRATCHが支えていかないと。
YOSHIHIRO:そんなん、初めて聞いたわ(笑)。
ANDREW:TIGHTのやり方面白いなって思われたいし、FULLSCRATCHがいるレーベルから出したいって言われたくない?
YOSHIHIRO:照れるな(笑)。
取材・文◎吉羽さおり
■アルバム『THE GREATEST FASTEST』
PZCT-2 ¥2190(税抜)
1. Always rising after fall
2. THE GREATEST FASTEST
3. CRAB BUTTER
4. RxMxH
5. 16years
6. COCK SUCKER
7. UNDER THE TREE
8. TAX PARASITE
9. NEVER TRUST ASS
10. NO CONTROL
11. HUMAN RACE
12. Stern reality
13. Fucking stupid jerk
14. Appeared in August was Santa Claus
■ツアー<THE GREATEST FASTEST TOUR 2015 Episode.1>
[問]03-5985-4818 ( KINGSX TOKYO )
01/31(土) 名古屋 APOLLO BASE
[問]052-261-5308 ( APOLLO BASE )
02/01(日) 大阪 Live House Pangea
[問]06-4708-0061 ( Pangea )
02/06(金) 仙台 LIVE HOUSE enn 2nd
[問]022-212-2678 ( enn )
02/08(日) F.A.D 横浜
[問]045-663-3842 ( F.A.D )
02/14(土) 神戸 KINGS CROSS
[問]078-251-7015 ( KINGS CROSS )
03/06(金) 福岡 Queblick
[問]092-725-8785 ( Queblick )
03/09(月) 下北沢 SHELTER
[問]03-3466-7430 ( SHELTER )
◆『THE GREATEST FASTEST』特設サイト
◆PIZZA OF DEATH RECORDS オフィシャルサイト
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