【ライブレポート】フルカワユタカ主宰<5×20>に感動名場面の数々「ミラクル起こしちゃってさ」
フルカワユタカが2018年1月28日、新木場STUDIO COASTにて<フルカワユタカ presents「5×20」>を開催した。ソロでの5周年、そして音楽活動20周年を迎えたフルカワユタカが初めて行なった主宰イベントの速報は先ごろ公開し、DOPING PANDAの再集結が大きな話題となった。これに続いて、当日のライブレポートをお届けしたい。
◆<5×20>出演者 画像
この日集まったのは、DOPING PANDA時代から“ロックスター”フルカワのことをよく知る先輩や同期のバンドやアーティスト、またソロとなって関わるようになったバンドや、DOPING PANDAに影響を受けリスペクトする後輩バンドなど、自身と当日までシークレットのスペシャルゲストを含め全12組。
BARKSでの連載コラムや、このイベント開催にあたっての対談企画でも、若かりし頃の不敵な態度を暴露されたり、周りのバンドから嫌われていたことを自らも語っていたフルカワだが、なんだかんだと言われながらも、フタを開けてみればパンクシーンやロックシーンの名だたるバンド仲間が駆けつけ、イベントを大いに盛り上げて彼のキャリアを祝福する特別な夜になった。LOW IQ 01 (LOW IQ 01&RHYTHM KAKERS)が、この日の最後に、「お前、意外と愛されてるってことわかった?」と言っていたが、まさにその通りで、フルカワユタカのあまり見られない表情が見ることができた一夜にもなった。
舞台進行は“ROCK STAGE”と“STAR STAGE”の2ステージ制。“ROCK STAGE”の一番手で登場したのは、フルカワの「このバンドなくして、僕の音楽人生は語れない」と紹介したDOPING PANDAのインディージ時代からの旧知の仲であるthe band apartだ。
「“音楽人生は語れない”って言っているわりに、俺たちの楽屋、外なんだけど」──荒井岳史 (Vo&G)
と、のっけからパンチを食らわせながらも、1曲目は、DOPING PANDAと2002年に行った企画イベント「mellow fellow」の際に制作したコラボ曲「SEE YOU」を披露。フルカワをヴォーカル&ギターに迎えて、晴れやかに<5×20>が幕を開けた。「今日はいつもと違う、フルカワを祝うための集いだから。みんなの力で、フルカワを男にしてやってください」と荒井が告げ、「higher」や「Eric.W」「夜の向こうへ」などを披露。
最後は再びフルカワが登場し、DOPING PANDAの「Transient Happieness」(※2002年発表『PINK PaNK』収録)で観客の歓声を大きく響かせる。「SEE YOU」で始まり「Transient Happieness」で終わるステージにフルカワへの愛を感じ出せた。
続いて“STAR STAGE”に登場したのは、FULLSCRATCH。「エントリーナンバー2番、東京都世田谷区から来たFULLSCRATCHです」といったmasasucks(G)による挨拶から賑やかにはじまり、“最速”にふさわしいパンクチューンをガンガンと投げてフロアをかき回す。
20年FULLSCRATCHをやって来て、スタジオコーストは初、しかも“STAR STAGE”だと言って観客を沸かせ、ANTON(Vo&G)が「もっと喋りたいねん、1時間ほしいねん」と叫びつつも、フルカワとの思い出話は「ない」と、やりたい放題で突き進んでいくのが爽快。古くから知る間柄で、勝手知ったるからこそ、この場を遊びつくして祝福するようなステージだ。
そして“ROCK STAGE”に登場したのは、FRONTIER BACKYARD。フロントマンのTGMXは、DOPING PANDAのインディーズ時代の作品プロデシュースを手掛けたことをはじめ、フルカワユタカの最新アルバム『Yesterday Today Tomorrow』のプロデュースを担当するなど、まさに<5×20>に欠かせない存在である。
ドラム、シンセなどの鍵盤楽器と、トランペット、サックスというギターレス編成で、極上のファンキーで陽性のパーティを生み出して、瞬く間に気持ちよく躍らせる空間を作るグルーヴとバンドのキャラクターは最高だ。
バンアパでのステージでも披露した「Transient Happiness」をここでもフルカワとともに披露し、「Putting on BGMs」「hope」と、TGMXがフロアに下りて端から端まで駆け回って観客の興奮を上げていく。後輩フルカワを祝う、全力のパーティが熱い!
“STAR STAGE”に立ったホリエアツシ (ストレイテナー, ent)は今回、ソロで弾き語りでの登場となった。同世代であり、付き合いとしては長くはなったが、「さほど仲良くはなかった」と言い、「お互いバンドの歴史が浅い頃に出会って。若い時期って、誰でもささくれだってるじゃないですか。DOPING PANDAもストレイテナーもとっつきにくかったと思う」と素直に語る。そして、「今こうしてキャリアを積んで、こういう1日があるのは誇らしい」と添えた。
entでの曲や、“お互いささくれだってた時期の曲”とストレイテナーの「REMINDER」を歌うなどメロディーセンスの良さがじわじわと伝わる弾き語りほか、「みんながコラボしているのがいいなと」と急遽舞台裏で荒井にコードを教わり、「Transient Happiness」のリフを弾いてフルカワをステージに登場させたりと、リラックスした雰囲気で美声を聴かせてくれた。
“ROCK STAGE”に登場したACIDMANのこの日のセットリストは、「今日という日に花を添えに来ました」という言葉に続けて「造花が笑う」に始まり、ロックスターに捧げたと思われる「FREE STAR」「ミレニアム」などアグレッシヴな曲が中心となった。
「ユタカとは同い年」「DOPING PANDAという日本一ダサい名前のバンド」だと語り、若かりしフルカワがミュージシャンから「嫌われていた」ことなど歯に衣を着せない。でもこのイベントへ誘われた経緯や、それが嬉しかったこと、「フルカワが愛に溢れているからこそ、このイベントが実現している」ことも付け加える。
「今回はコラボやカバーなどもしない代わりに、ひとつだけお願いしたことがある」──大木伸夫(Vo&G)
と言った大木。それがこの日のラストシーンにしてハイライトへとつながっていくのだが、それぞれのバンドがこのイベントに出演するにあたって、20年という重みや時間をとても大切に輝かせようという姿勢が伝わってきた。そんな中で、最後の曲「愛を両手に」がより深く響いた。
続いて“ROCK STAGE”に登場したのは、スペシャルゲストとして当日までシークレットだった、BRAHMANだ。「やってんのか、やってねえのか。ロックスターなのか、諦めたのか、ただのメガネなのか。中途半端なんだよ、フルカワユタカ! とりあえず俺たちのゲンコ、食らっとけ」。TOSHI-LOWのこの一撃でライブがスタートした。フルカワからは演奏曲のリクエストも受け付けたようで、「20年前の曲ばっかりやらせるし」と言いつつも、「THAT’S ALL」「SEE OFF」「NO LIGHT THEORY」や「ANSWER FOR」などを演奏し、しっかりと思いに応えていたのは、フルカワとしても胸が熱くなる思いがあっただろう。その後に語ったフルカワへのメッセージとも取れるMCがあまりにも秀逸だったので、できる限りすべてをご紹介したい。
「ロックスター時代のフルカワユタカと最後にしゃべったのは、アイツんちに遊びに行って部屋の中で言われた、「TOSHI-LOWさん、靴脱いでください」。そんなこんなで仲良くなり、ウサギだかタヌキみてぇなバンドと一緒にツアーを廻ったりして。そうしたらいつの間にか、それは終わってて。何年くらい前かな、久しぶりに話したときには、あの時あんなに威張ってたヤツが伏し目がちで、「いやぁ、オレなんてクソっすよ」みたいな。なんだか知らねぇけど、コイツ終わっちまったなって。それくらいの元気しかなくて。そうしたらいつの間にか、LOW IQ 01の隣でギターを弾いてて。楽しそうに弾いてんのさ。看板もプライドも、なんにもなくなっちまったヤツが、ただのギター少年みてぇに。オレはその時、わかったのよ。人間って人に必要とされてるってことが、すごく大事なんだって。自分を出す、それを認めてもらう。それっていうのは、生き生きした自分の力になる。だから今日、一個だけ覚えて帰ってほしいのは、“LOW IQ 01の隣でギターを弾いた”、これを言い換えれば、“LOW IQ 01という老人介護をした”と。介護したら、自分もまだまだやれるんじゃないかって。そんなふうに救われたっていう、来る高齢化社会に対する教訓なわけです」──TOSHI-LOW(Vo)
TOSHI-LOWがフルカワのことをどこかで気にかけてきたことがわかるエピソードは笑いを交えながらも、グッときた。また、このイベントに“出ろ”と声を掛けてくれたのはLOW IQ 01だったことを明かすなど、3者のつながりの深さが計り知れる場面もあった。そして、「オレたちだって諦めてねぇ。今を生きてるバンドだって思ってる」と語って演奏された新曲「AFTER-SENSATION」が規格外のエモーショナルな名演だった。
この大先輩からバトンを継いだのは、“STAR STAGE”に登場した夜の本気ダンス。フロントマン米田貴紀(Vo&G)はDOPING PANDAに影響を受けてきたという。その後、ソロをスタートしたフルカワと対バンをしたり、フルカワの最新作『Yesterday Today Tomorrow』に米田がゲストコーラスで参加するなど、親交を深めてきた。先ごろ公開したフルカワ×米田対談で「当日は鈴鹿くんが変なこと言わなきゃいいなって(笑)」とフルカワに要注意人物扱いされていた鈴鹿のMCも大盛況。
「さっき、DOPING PANDAが日本一ダサいバンド名だって言われてましたけど、安心してください。日本で二番目にダサいバンド名、夜の本気ダンスです」──鈴鹿秋斗(Dr)
がっちり観客を掴み、「Call out」「WHERE?」と攻めのナンバーで躍らせる。また「nothin’ without you」を、フルカワをステージに招いて演奏。フルカワの新曲を夜ダンがカバーして、そのメインボーカルをフルカワ自身がとるというレアシーンがフロアを高揚させてステージが終了した。「よく喋るガキだなぁ(笑)」と鈴鹿のMCをイジりつつ、嬉しそうに夜の本気ダンスと戯れるフルカワの姿が新鮮だった。
“ROCK STAGE”に登場したBase Ball Bearにはフルカワがギタリストとして参加。湯浅将平の脱退を受け、2016年の<LIVE BY THE C2>にサポートギタリストとして参加して以来、約1年半ぶりにこの4人でのBase Ball Bearとなる。「PERFECT BLUE」や「LOVE MATHEMATICS」などテッパン曲で盛り上げ、「あの時はお互いに、今日みたいな日が来るとは思ってなかったですよね」と小出祐介(Vo&G)。
なお、Base Ball Bearのステージは生中継で配信されており、その画面に向かってフルカワが「やぶ蛇になっちゃうかもしれないけど、今日だけ」と前置きして語りかけた。「湯浅、オマエがいなくてもBase Ball Bearは十分カッコいい。オマエとは十数年前に二丁目でよく遊んだのがいい思い出だよ。今、楽しく生きているならまた二丁目に遊びに行きましょう」。これには会場が拍手に沸いた。
「次の曲は、フルカワさんが僕らのサポートをしてくれていたときに演奏していた曲なんですけど、“オレはギタリストとしての参加だから歌わないし、コーラスもしない”って言っていたんです。でも、今日は一緒に歌いたいと言ってくれて。「真夏の条件」という曲です」と小出が言いながら、本日何度目かの「Transient Happiness」をサプライズで始めたり、「真夏の条件」をフルカワが歌ったり。サラッと行われたこのやりとりも、ツアーを共にした間柄こそのものだろう。この日は、いつものBase Ball Bearよりもギターをフィーチャーしたぶっ太いサウンドになっていたようにも思う。フルカワの晴れのステージに後輩バンドが華を持たせるような、そんな心憎さもあった。
“STAR STAGE”のKeishi Tanakaは、今回は弾き語りでの参加。「Floatin’ Groove」や、沙羅マリーとデュエットした曲を「今日はひとりで」と「Just A Side of Love」を歌い出すと、ステージ袖から荒井岳史(the band apart)が飛び入り。一節歌ってすぐさま捌けるなど、和やかな雰囲気で進んでいく。
「尊敬してます」と言いながら、「原付きをフルカワさんから貰ったんですけど、それが「ピンク色だってことだけは人に言うなよ」って。こだわりがあってスゴイなと」などナイスなエピソードトークで沸かせたり、「楽屋でこのコード進行が飛び交っていたんです」と「Transient Happiness」のイントロを奏でると、「はーい、歌いまーす」とステージ袖で観ていたフルカワが飛び入りしたりと、半ば後輩にもイジられ出している感もあるが、それも“ユタカ祭”の一興だろう。「ずっと気にかけてもらっていて、今日も読んでもらえて嬉しいです」と語り、「また新しい何かが始まるんだろうなと思ってます。この曲を捧げさせてください」と今後のフルカワへの期待を込めてラストに楽曲「あこがれ」を贈った。
イベントもいよいよ終盤、ここで“ROCK STAGE”に登場したのは、フルカワがギタリストを務めるLOW IQ 01 & RHYTHM MAKERSだ。<5×20>開催やそのラインナップを決めていく上で、LOW IQ 01にかなり後押しされたという、大事なバンドである。
「おい、フルカワユタカ。3バンド(Base Ball Bear / LOW IQ 01 & RHYTHM MAKERS / フルカワユタカ)で出るからって手ぇ抜くんじゃねーぞ。本気で来いよ!」──LOW IQ 01
とサウンドチェック後に檄を飛ばされ、これに対してフルカワも「一番本気出します!」と応える。そのやりとりに歓声を送る観客。始まる前からグッと温度が高い。「Delusions of Grandeur」で幕を開けたライブはとにかく明るくパワフルで、フロアが大きくジャンプし肩を組んで踊り歌う。
「ロックスター!」というフロアからの歓声に、「どっちのこと?ロックスターって。リアルロックスター(LOW IQ 01)? それとも元ロックスター(フルカワ)?」と盛り上げる。そして「ユタカ、楽しいな。老人介護、どうもありがとうね(笑)。っていうかTOSHI-LOWも老人だから(笑)」と語り、「LUSTER」「WAY IT IS」とますますスピードを上げて観客のコブシも挙げさせた。
「Snowman」ではTOSHI-LOWが乱入したほか、TGMXも登場するなどステージは常に賑やかで楽しみに溢れている。演奏中にフルカワのメガネを奪ったTOSHI-LOWが自身にかけたりLOW IQ 01にかけさせたりとやりたい放題。LOW IQ 01もいわばソロのキャリアの先輩でもあり、音楽の喜びを身を以て示してくれるようなステージだった。
そして“STAR STAGE”のラストを飾るのは、ART-SCHOOLだ。「1曲目に予定していた曲を、このヴォーカルの方が“不安だから”とサウンドチェックで丸々一曲やってしまったので、セットリストを変えざるを得ない状況になってしまいました、ART-SCHOOLです。よろしくお願いします」と戸高賢史(G)の一言から、ライブは「ロリータ キルズ ミー」でスタート。続けて「real love / slow dawn」「Promised Land」へ。
「もともと所属事務所が一緒で、付き合いも長くて、スターの側面をずっと見てきた」と戸高が語り、「でも、この木下理樹(Vo&G)はもっといろいろ見てきていると思う」と話を振った。「以前、昼に待ち合わせしたら、でっかいサングラスして現れて。下高井戸のボノ(U2)だなと」語ると、「仲間のお祝いなんだからちゃんと話しましょうよ」と戸高から突っ込まれる場面にはフロアも大爆笑。「じゃあ……」と木下が続けた。
「付き合いは一番長いんじゃないかな、フルカワくんとは。良い時も悪い時も全部知っていて。でも、アイツは今が一番輝いていると思う。そういうアーティストってなかなかいないですよ。だから、友人としてすごく誇らしく思います」──木下理樹
温かな話から一転、「スカーレット」「FADE TO BLACK」、「あと10秒で」と、爆音とソリッドな歌とを会場に轟かせ、盟友・ART–SCHOOLとしての存在を刻み込むステージとなった。
これら11組のアーティストに祝福され、その思いを受けて登場したのがフルカワユタカ。それまでのパーカーやTシャツ姿から白のシャツに着替え、大トリとしてステージに登場だ。
最新アルバムのリード曲「僕はこう語った」で幕を開けたステージは、代表曲「too young to die」へ。「わかるか、おい!? オレが、オレが、オレが、ロックスターだ!」と叫ぶフルカワに大歓声が上がる。「BEAST」の4つ打ちビートがフロアをこの上なく揺らした。
「本来なら絶対ここにいただろうなっていうヤツが、今日は用事があってというか、都合が悪くて来れないんだけど。そいつの曲を歌わせてもらっていいですか」と、フジファブリックの「ロマネ」を披露。フルカワの20年というなかで、この曲を作った志村正彦と濃密に過ごした時間がある。この曲を選んだのは歌詞の内容によるところだろうか。フルカワによる泣きのチョーキングをフィーチャーしたギターソロがエモい。メロウな歌を聴かせた後は、「踊ろうぜ、新木場!」と「I don’t wanna dance」へ。フルカワユタカ・バンドのアンサンブルが最高だ。
そして、もうこの日のテーマ曲かのように何度もいろいろなアーティストによって繰り返しプレイされているDOPING PANDAの「Transient Happiness」が「待たせたな!」という言葉と共に放たれて最高潮に。この後のフルカワによるMCは感謝を伝えるものだった。
「マッドプロフェッサーのような目をしてたオレを、5年間支えてくれたフルカワユタカ・バンドのメンバーに感謝します。先輩や後輩、仲間、その一人ひとりにはここでは言い尽くせない思いがあります。一言では済まないので、じっくりと僕のコラムでお礼を言いたいと思います。ムーブメントのなかで、自分ひとりでやってきたような気持ちになっていたけど、こうやって自分でオファーしてイベントを開くと、今度は対バンのみんなに作り上げてもらえたような感じがする。皮肉ですが、そういうものなんだろうなと思います。僕は後悔はしてないけれど、多少間違ったことをしてきたかなと思います(笑)。でも今日、ここに立って、いろいろな歌を歌えてギターを弾けて、最高です。今日のすべてのアクトに感謝します」──フルカワユタカ
20年という音楽人生、5年間のソロのキャリアを振り返ったフルカワは、ラストに「僕にとってすごく大事な曲です」と言って「サバク」を演奏し、ステージを締めくくった。
鳴り止まないアンコールのなか、あるバンドのTシャツを着たスタッフがテキパキとセッティングを変えていく。機材セットは、フルカワソロの4ピースのセットでなく、明らかに3ピースに。その様子に歓声が轟く。あるバンドのSEが大音量で鳴り響き、そして現われたのは、DOPING PANDAのハヤト、タロティ、そしてフルカワユタカだ。
フルカワの小気味良いギターリフからスタートした「The way to you」で大合唱を起こし、間髪入れずにタロティのアグレッシヴなベーススラップからハヤトのスピーディーなリズムフレーズが重なり「GAME」へ。フロアが一斉にジャンプ!
「こんばんは、ロックスターです。なんじゃこりゃ!? なんかわからない。やるまでわからなかったけど、超嬉しい。いろんなことがありました……大木(ACIDMAN)に「DOPING PANDAをやれよ」って脅迫されたことが一番でかいんですけど(笑)、なんだろう……わかんないけど、バンドってすげえなと思う! 感傷的になるのもたぶん違うと思うので。2人も20周年だからね、それを祝いに来てくれました、タロティとハヤトです。(音楽を続けていると)こういうことがあるっていうことだよ。この先なにも決まってないけど。生きてればこういうことがあるってことだよ」──フルカワユタカ
そして、「今日一日を次の曲で締めます」と告げたフルカワは、「次の曲を含めた3曲は、なにも考えずにスタジオで演ったら、なにも言わずに曲がつながって。すげぇなと思って。だからこの3曲にしました。最後の曲はキミたちが聴きたい曲じゃないかもしれないけど、この曲で終わろうと思います」と「Crazy」へ。冒頭の“I am sorry me ミラクル起こせなくてさ”という歌詞が“ミラクル起こしちゃってさ”に変えて歌われ、フロアが沸騰。ステージ袖では、この日の出演バンドたちが嬉しそうに3人を見つめている。
「We are DOPING PANDA!」という一言ですべての演奏を締め括ったが、TGMXもLOW IQ 01もTOSHI-LOWもそれを許さない。「みんなが好きな「Transient Happiness」を本家がやらないって、どういうことよ?」というLOW IQ 01に促されてフロアも大歓声。そして「Transient Happiness」が出演者からのダブルアンコールを受ける形で披露された。この日、6回目の「Transient Happiness」にフルカワの興奮が伝わってくる。
思わぬことからDOPING PANDAが再集結したスペシャルな夜。3人の笑顔は最高で、また彼らを見守り盛り上げたアクトや観客の笑顔も、最高のものだった。しっかりと愛されてきたバンドであり、ロックスター=フルカワユタカだと改めて証明した一夜となった。
取材・文◎吉羽さおり
撮影◎橋本塁 (SOUND SHOOTER):ROCK STAGE/清水ケンシロウ:STAR STAGE
■<フルカワユタカ presents「5×20」>2018年1月28日(日)@東京・新木場STUDIO COASTセットリスト
01. SEE YOU
02. ZION TOWN
03. higher
04. Castaway
05. Eric.W
06. 夜の向こうへ
07. Transient Happiness
【FULLSCRATCH】──“STAR STAGE”
01. Gabage
02. Mistake
03. Always Rising After Fall
04. It's funny so much
05. The Greatest Fastest
【FRONTIER BACKYARD】──“ROCK STAGE”
01. saute
02. MUSIC IS A BASIS
03. CITY LIGHTS
04. fun summer ends
05. TWO
06. Transient Happiness
07. Putting on BGMs
08. hope
【ホリエアツシ】──“STAR STAGE”
01. Forever and Ever
02. Autumn Nightmare
03. REMINDER
04. 灯り
05. Transient Happiness
【ACIDMAN】──“ROCK STAGE”
SE: 最後の国(introduction)
01. 造花が笑う
02. FREE STAR
03. ミレニアム
04. ある証明
05. 愛を両手に
【BRAHMAN】※special guest──“ROCK STAGE”
01. 不倶戴天
02. THAT'S ALL
03. SEE OFF
04. CHERRIES WERE MADE FOR EATING
05. NO LIGHT THEORY
06. BEYOND THE MOUNTAIN
07. ANSWER FOR…
08. 警醒
09. AFTER-SENSATION
10. 今夜
【夜の本気ダンス】──“STAR STAGE”
01. Call out
02. WHERE?
03. nothin' without you
04. TAKE MY HAND
【Base Ball Bear】──“ROCK STAGE”
01. PERFECT BLUE
02. LOVE MATHEMATICS
03. Transient Happiness
04. 真夏の条件
05. Stairway Generation
06. CRAZY FOR YOUの季節
【Keishi Tanaka】──“STAR STAGE”
01. Floatin' Groove
02. Just A Side Of Love
03. This Feelin' Only Knows
04. あこがれ
【LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS】──“ROCK STAGE”
01. Delusions of Grandeur
02. Hangover Weekend
03. LUSTER
04. WAY IT IS
05. WHAT'S BORDERLESS?
06. Snowman
07. Little Giant
【ART-SCHOOL】──“STAR STAGE”
01. ロリータ キルズ ミー
02. real love / slow dawn
03. Promised Land
04. スカーレット
05. FADE TO BLACK
06. あと10秒で
【フルカワユタカ】──“ROCK STAGE”
01. 僕はこう語った
02. too young to die
03. BEAST
04. ロマネ
05. I don't wanna dance
06. Transient Happiness
07. サバク
encore
【DOPING PANDA】
08. The way to you
09. GAME
10. Crazy
11. Transient Happiness
■全国ツアー<フルカワユタカ presents 『yesterday today tomorrow TOUR』>
2018年1月14日(日) 大阪府 Shangri-La
2018年2月11日(日・祝) 静岡県 Shizuoka UMBER
2018年3月17日(土) 岡山県 岡山ペパーランド
2018年3月18日(日) 福岡県 INSA
2018年3月21日(水・祝) 宮城県 enn 3rd
■<yesterday today tomorrow TOUR extra> w/荒井岳史 (the band apart)
2018年2月12日(祝) 鹿児島県 Live HEAVEN
2018年2月18日(日) 福島県 Player’s Cafe
2018年2月25日(日) 北海道 musica hall cafe
2018年3月10日(土) 京都府 SOLE CAFE
2018年3月11日(日) 石川県 もっきりや
■<フルカワユタカ presents 「2×28」 feat.須藤寿(髭)>
18:30開場 / 19:30開演
▼出演者
フルカワユタカ guest:須藤寿(髭)
▼チケット
前売¥3500+1drink / 当日未定(税込・全自由・整理番号入場)
一般発売日:2月10(土)10:00〜 予定
チケット取り扱い:SMAチケット、e+、店頭販売
(問)スターパインズカフェ 0422-23-2251 http://www.mandala.gr.jp/SPC
【SMA☆チケット先行(抽選受付)】
受付期間:2018年1月29日(月)18:00〜2月4日(日)23:59まで
http://www.sma-ticket.jp/artist/furukawayutaka
※受付は抽選受付となります。先着順ではございません。
※受付に関する詳細は受付画面にてご確認下さい。
■<フルカワユタカ presents『yesterday today tomorrow TOUR ファイナル』>
18:30開場 / 19:00開演
▼出演者
フルカワユタカ
▼チケット
前売¥3990+1drink スタンディング
一般発売日:2018年03月17日 (土) 10:00
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888(平日12:00〜19:00)
【SMA☆チケット先行(抽選受付)】
受付期間:2018年1月29日(月)18:00〜2月4日(日)23:59まで
http://www.sma-ticket.jp/artist/furukawayutaka
※受付は抽選受付となります。先着順ではございません。
※受付に関する詳細は受付画面にてご確認下さい。
関連サイト
◆フルカワユタカ オフィシャルサイト
◆フルカワユタカ オフィシャルTwitter
◆フルカワユタカ オフィシャルFacebook
◆フルカワユタカ オフィシャルInstagram
【Photo Gallery】フルカワユタカ主宰<5×20>、全12組全8時間の熱演へ
◆BARKS内フルカワユタカ主催イベント+3rdアルバム特集ページへ
◆【BARKS連載】フルカワユタカはこう語った まとめページへ
この記事の関連情報
フルカワユタカ
the band apart
FULLSCRATCH
FRONTIER BACKYARD
ストレイテナー
ACIDMAN
BRAHMAN
夜の本気ダンス
LOW IQ 01
ART-SCHOOL
DOPING PANDA
Base Ball Bear
邦楽
ライブ・イベントレポート
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