解散が決定しているν[NEU]から最後のクリスマスプレゼント

2014年12月29日の渋谷公会堂ワンマンをもって解散することが発表されているν[NEU]が、活動の集大成として『BEST』を発売する事が発表となった。

◆ν[NEU]『BEST』画像

2014年10月27日にその一報が入り世間に流布されたとき、誰もが「まさか！」「嘘でしょ？」と記された言葉を疑った。その事実を素直に受け取るには、あまりにも突然すぎた。

「ν[NEU]は、2014年12月29日、渋谷公会堂公演をもちまして「解散」致します。」

とても簡潔な、でもそれ以上何も口をはさむ余地を持たない一行だ。ν[NEU]の生き方や彼らの発する想いに共鳴し、みずからの心の支えにしてきた人達にはあまりにも残酷な言葉。信頼を裏切られた気持ち？確かにそうだろう。5人が出した答えに文句をぶつけ、少しでも心が晴れるのならそれもいいだろう。でも「現実は何も変わらない」。僕らはその「事実を受け止める」しか出来ないのも真実だ。

一つの答えを導き出すまでに彼らは、それぞれに数多くの思考を巡らせ、何十回と議論を行い続けてきた。具体的な理由は、それぞれが墓場まで持っていけば良い。それよりも大切なのは、残された日々をどれだけ「消えない思い出」として心へ刻み込んでゆくか。そのためにも「エンドロール」が流れるときまで、笑顏で5人と瞬間瞬間を楽しみたいと思っている。

その解散を受けて12月24日（水）にν[NEU]は、5年半の活動の歩みを集大成した作品『BEST』を“3つのスタイル”を持って発売する。「ゴールド盤」こと「初回生産限定盤A（三方背BOX仕様）」は2枚のCD＋2枚のDVDを、「シルバー盤」こと「初回生産限定盤B」には2枚のCD＋1枚のDVDを収録。「ブロンズ盤」こと「通常盤」は、CD1枚＋DVD1枚という形でリリースになる。

全Typeに収録となるCD盤には、デジタル音と生音との絶妙なバランス感が魅力、勢いを持ちながらも口づさみやすいメロディーを携えたメジャー第1弾シングルの「RED EMOTION～希望～」。ライブでの盛り上がりに欠かせない「YES≒NO」。ファンタジックなポップワールドを描きあげた「The 25th Century Love」。ライブではギターの華遊が様々な人にキスをせまる、遊び心満載なポップチューン「妄想接吻」。メンバー自身やファンたちに対する素直な想いを歌に込めた「ひとりじゃない」など、ν[NEU]がメジャーデビュー以降に発表した楽曲を全12曲収録。どれもν[NEU]がライブという場を通し、ファンと一緒に大切に育み続けてきた曲たちばかりだ。

同じく全Typeに付いてくるDVDには「cube」や」APOLLON」「starting over」など、デビュー以降制作した9本のMusic Videoをすべて集約。映像にも強いこだわりの姿勢を見せてきたν[NEU]の姿を、改めて感じていただきたい。

「初回生産限定盤A/B」に収録、Disc.2となるCD盤にはν[NEU]がインディーズ時代に制作した楽曲、全12曲を収録。デビュー盤に収録していた「PULSE」「New World」や、今でもν[NEU]のライブには欠かせない「ピンクマーブル」「スプラッシュ」など、ずっとライブで演奏し続けてきた曲が詰め込まれているが、単なるインディーズ時代の曲の寄せ集めではなく、今のν[NEU]を語るうえで必要不可欠な曲たちが、ここに輝いている。

通称「ゴールド盤」のみに収録、同じくDisc.2扱いとなるDVD盤には、2011年の渋谷クアトロや2014年の渋谷AXなど、ν[NEU]のブレイクやターニングポイントとなった4本のワンマンライブの模様がダイジェスト映像で収められている。さらに、12月29日に渋谷公会堂で行う解散ライブに付けたタイトルと同じ「エンドロール」のライブ映像も収録される。この「エンドロール」は、ν[NEU]が長年ライブの終盤や最後に歌ってきた楽曲。「ファンたちに対する自分たちのリアルな想いだからこそ、直接届けたい」と、これまで一度も音源化してこなかった。CD盤自体は、12月29日の渋谷公会堂に足を運んだ人達にのみ、無料配布という形で手渡される。その前に、この作品へ映像という形で収録してくれたのは嬉しいこと。最後の雄姿を観ることができず、「エンドロール」のCDを手に出来ない人にとってはここでその楽曲を味わえる、貴重な作品にもなりそうだ。

Typeごとに特典も異なるように、どれを選び、手にするのかはその人自身のν[NEU]に対する思い入れの深度次第。5年半という歳月を通し、この時代の中へν[NEU]というバンドが何かしらの爪痕を残してきたことを、ぜひ“盤”として手元に置き続けてくれたら幸いだ。

この記事を目にする頃には、もうどれくらいライブ本数が残っているのだろうか。今からでも遅くはない。ν[NEU]が有終の美を飾る場となる、12月29日（月）渋谷公会堂 で開催する＜★5th Anniversary★ONEMAN TOUR 2014 FINAL ＃30「エンドロール」＞へ足を運んでいただきたい。そして、ν[NEU]というバンドがこの時代に確かに存在していたことを、あなた自身の心にしっかり焼き付けてもらいたい。

文◎長澤智典



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