【ライブレポート】華原朋美、9年ぶりの全国ツアー完遂。辿り着いた“奇跡”と次への決意
華原朋美の全国ツアー<TOMOMI KAHARA CONCERT TOUR 2014~MEMORIES~>が、10月19日の愛知県 アイプラザ豊橋公演をもって幕を閉じた。カバーアルバム『MEMORIES 2 -Kahara All Time Covers-』を携え、9年ぶりに行った全国ツアーについて、開催前には「正直、ここまで来れるとは思っていませんでした。奇跡に近いことだと思う」と語っていた華原は、ステージでどのような姿を見せたのか。ここでは10月5日に東京 NHKホールで行われたライブの詳細レポートをお届けする。
◆華原朋美 <TOMOMI KAHARA CONCERT TOUR 2014~MEMORIES~> 画像
本ツアー、ライブの1曲目を飾ったのは、「Save Your Dream」だった。軽快なイントロとともに、ステージに設置されたセットから、元気いっぱいに手をあげて登場した華原。“完全復活”を感じさせる華やかな幕開けに、オーディエンスは大歓声をあげる。
ダンサーとバックバンドを携えて繰り広げられるパフォーマンスには迫力が増し、とても刺激的。続けて「I BELIEVE」、「LOVE IS ALL MUSIC」と、続けざまに自身のヒット曲を届け、序盤から大きな盛り上がりを見せた。
「今日は10月1日にリリースさせていただきましたカバーアルバム『MEMORIES 2 -Kahara All Time Covers-』からの曲もたくさん歌わせていただきます。どうぞ皆さん、最後まで楽しく聞いてください!」
元気いっぱいにそう呼びかけた後は、カバーアルバムからシェネルの『ビリーヴ』、前作カバーアルバムから、JUJUの「やさしさで溢れるように」を披露。全身を使って放たれる歌声には力強さと優しさが混じり、心地よく耳に響く。「ビリーヴ」については、「ずっと歌いたかった」と話しながら、「とても難しい曲だったのですが、このツアーを経て、ようやく自分の「ビリーヴ」が歌えるようになったかな、と思います。聴いてくれてありがとうございます」と笑顔を見せた。
その後、続けて「朋美とアンのコーナー」と題して、新しい試みを披露する。これは、小説『赤毛のアン』からのセリフを用いた朗読劇となり、AKB48の渡辺麻友(声のみ出演)とともに、華原が語りを始める。途中には絢香の「にじいろ」、globeの「Can’t stop fall in love」のカバーも取り入れながら繰り広げられた朗読劇。ここでは、過去の苦難の叫びから、復帰に向けて光が見えた心情が、情感たっぷりに演じられた。ありのままに、むき出しに、言葉を紡ぐ様子からは、彼女がツアー直前に話した「ここまで来れたのは奇跡」という言葉を実感させた。
ライブ中盤は、今回のツアーで華原を支えるバンドメンバーとダンサーの紹介からスタートし、TRFの「BRAND NEW TOMORROW」、篠原涼子の「愛しさとせつなさと心強さと」のカバー曲を織りまぜた、メドレーが繰り広げられた。そして、「Hate tell a lie」、「keep yourself alive」と懐かしいナンバーで畳み掛け、オーディエンスを沸かせた後は、再び『MEMORIES 2 -Kahara All Time Covers-』から、「難破船」、「雪の華」をじっくりと聞かせた。本編ラストには、「DEPARTURES」を披露した。ライブ終演後には、「この曲を歌えたことも私にとっては奇跡」と語っていた華原は、楽曲が持つ切ない歌詞とメロディーを丁寧歌い上げたが、そこには彼女のこれからまっすぐに進んでいくという力強い決意がはらんでいるようにも感じた。
アンコール前には、スクリーンに華原朋美の“プライベート旅行”の模様を紹介する映像が映し出された。海外で無邪気な素顔を見せる華原の映像はユーモアに溢れ、会場から大きな笑いを誘っていた。
そしてアンコールでは、華原の復帰以降、プロデュースを手がける武部聡志氏がスペシャルゲストとしてステージに登場した。「復帰からずっと華原朋美のプロデューサーでいてくれてありがとうございます」という華原の感謝の言葉に対し、「一昨年、あの時の朋ちゃんの“本当に歌いたい”という気持ちが、僕はすごくうれしかった。それで一緒に作品を作ってきて、今日、元気に笑顔でステージに立っている姿を見ることができた。僕は客席で思わず涙してしまいましたよ。だから今日は心を込めて、弾かせてもらいます」と武部氏。その言葉に喜びの様子を見せた華原は、復帰後にリリースした3作品が同時にチャートインしたことを報告しながら、「武部さんは私をいい方向に導いてくれる。だから武部さんから離れられないです。何かを卒業するのはもうイヤです」と話した。そして、武部氏のピアノ伴奏に身を委ねるように、坂本九の名曲「見上げてごらん夜の星を」のカバーをこの日、初披露。優しい歌声で伸びやかに、気持ちよさそうに歌う様子はとても素晴らしいものだった。
そして、「今から、『MEMORIES 2 -Kahara All Time Covers-』の中から、「HOWEVER」を歌わせていただきます」と話した華原は、ツアー中の移動の際に、GLAYのTAKUROと遭遇したエピソードを語る。
「その時、TAKUROさんが「生きていればお互い良いことがあるね」とかけてくれて、その言葉が心にグザっと刺さって、感動しました。」
うれしそうにそう語った後は、同曲を熱唱。先日、BARKSにて公開したインタビューにて「この曲は歌っていて本当に気持ちよくて仕方がないんですよ」と話していた華原は、この日も拳を高々と突き上げ、体中からエネルギーを放出させていくように力いっぱい歌いあげ、オーディエンスを圧巻した。
「今日はこんな天気の中、足を運んでいただき、ありがとうございます。雨の中、つらい思いをさせてごめんね」と感謝を述べ、「一緒に歌おうね」とラストに代表曲「I’m proud」を披露。華原の復帰を待ち望んでいたファンにはうれしい1曲。伸びやかに、美しい歌声を感慨深げに聞き入っているオーディエンスの様子がとても印象的だった。
前述のインタビューにて、9年ぶりの全国ツアーを「新たなスタート」と話した華原朋美。ここで得たものが今後の作品、パフォーマンスにどう反映されていくのか。彼女の次のアクションがとても楽しみになったライブだった。
Text by BARKS編集部
<TOMOMI KAHARA CONCERT TOUR 2014~MEMORIES~>
10月5日(日)@東京 NHKホール セットリスト
1.Save Your Dream
2.I BELIEVE
3.LOVE IS ALL MUSIC
4.ビリーヴ
5.やさしさで溢れるように
<朋美とアンのコーナー>
1.にじいろ
Reading
2.Can't stop fall in love
Reading
3.愛の賛歌
6.instrumental(BAND紹介)
7.DJ_MIXコーナー (カバー曲メドレー)
8.Hate tell a lie
9.keep yourself alive
10.難破船
11.雪の華
12.DEPARTURES
ENCORE~映像
En1.見上げてごらん夜の星を ※NHKホール公演のみ
En2.HOWEVER
En3.I'm proud
Cover Album
『MEMORIES 2 –Kahara All Time Covers-』
2014年10月1日発売
[初回盤]CD+DVD
UPCH-9956 ¥3,800 (税抜)
DVD収録内容:TOMOMI KAHARA INTERVIEW 2014“MEMORIES”
[通常盤]CD
UPCH-1995 ¥3,000 (税抜)
収録楽曲
1.HOWEVER
作詞:TAKURO 作曲:TAKURO
2.難破船
作詞:加藤登紀子 作曲:加藤登紀子
3.雪の華
作詞:SATOMI 作曲:松本良喜
4.三日月
作詞:絢香 作曲:西尾芳彦/絢香
5.ビリーヴ
作詞:EIGO/SWEEP 作曲:EIGO/SWEEP
6.ROSIER
作詞:LUNA SEA 作曲:LUNA SEA
7.かたち あるもの
作詞:柴咲コウ/山本成美 作曲:小松清人
8.いい日 旅立ち作詞:谷村新司 作曲:谷村新司
9.サイレント・イヴ
作詞:辛島美登里 作曲:辛島美登里
10.見上げてごらん夜の星を
作詞:永 六輔 作曲:いずみたく
◆華原朋美 オフィシャルサイト
◆華原朋美 Twitter
◆『MEMORIES 2 –Kahara All Time Covers-』特設サイト
◆華原朋美 iTunes
◆華原朋美 レコチョク
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