【インタビュー】WANIMA、PIZZA OF DEATHからのリリース作で「行儀よくできない」
■思い返してみれば、光真が出てきてからはわりと大丈夫でしたけど
■東京が嫌になってたところがあったのかも──松本健太
──レゲエでリスペクト的な意味合いで使われる言葉を用いたタイトルからしてもそうですけど、ヒップホップやレゲエのニュアンスが凄く出た「BIG UP」は?
健太:歌詞で悩みまくった曲ですね。悩みすぎた結果、夜中の3時半に渋谷のクラブへひとりで行き、男女間のやり取りを間近で見て、改めて書き下ろしましたから。
──最初はもっと違う感じだったんですか?
健太:もっとストレートに書いてたんですよ。もしかしたら、純粋な子は今の歌詞でも「何のことを歌ってるんやろ?」って思うかもしれないですけど。
──あっ……光景が想像できる僕は汚れてるんでしょうか?
健太:WANIMA寄りってことですね(一同笑)。
──歌詞に関して、そういうリアルなところから書くスタンスですか?
健太:そうじゃないと納得できないというか。例えば、バーっと書いたとしても後で「何か違う!」ってなるし。
──藤原さんと光真さんから見て、歌詞は健太さんの人柄が出てると思います?
藤原:思いますね。もう、まんまです(笑)。
──ちなみに、普段の健太さんはどういう人なんですか?
藤原:そうですね……なんか照れくさいですね、こういうの(一同笑)。
光真:好きなことに対しては凄く熱く、嫌いなことに対してはまったく触れないみたいな。とにかく、好きなことへ真っ直ぐにぶつかっていくタイプですかね。
健太:そういう部分に関しては、この2人がいてくれるからっていうのがあると思います。光真は幼なじみでずっと知ってるし、藤くんも合わせてくれるから。
──たしかに、性格のバランスが良さそうですよね。健太さんは突き進みつつも、光真さんはちょっと冷静に見て、藤原さんが間を取り持つみたいな。
健太:そうかもしれないですね。特に藤くんですよ。オレと光真は23年もずっと一緒で独特の空気があるはずなのに、そこへ合わせてくれる藤くんっていう。凄いなって思うし。
──「つづくもの」は、確かな気持ちを秘めつつも、もどかしさがある感情がにじみ出てる曲ですよね。
健太:光真が東京に出てきて、最初に作った曲ですね。東京にだんだんと慣れてはきたけど、思うようにできんくて。地元愛といえるかどうかわからないですけど、地元に置いてきた人も多いし、そこで思うこともあったし。
──当時の心境をそのまま綴ったと。
健太:そうですね。思い返してみれば、光真が出てきてからはわりと大丈夫でしたけど、東京が嫌になってたところがあったのかも。実際、それまでは季節ごとに地元へ帰ってましたから。音楽をやる為に東京へ来たのに、何の為に頑張ってるのかわからないというか。
──曲としては、絶妙なタイミングで入ってくるコーラスもいいムードを醸し出してますよね。
光真:ある程度メロディーが固まってきて、そこで湧いたイメージをどんどんスタジオで試していきながら、コーラスはハメていきましたね。
藤原:オレはこの曲がいちばん好きかもしれない。
──また、「HOME」は郷愁の念たっぷりで沁みる曲だと感じました。決して後ろを向いてるわけじゃないけど、立ち止まって前を見てるというか。
健太:そうですね。作業中に手が止まる感じというか、パッと思い出すような曲だと思います。
──そういうところを素直に綴ってる歌詞がグッときましたよ。
健太:まだ「こうやったら乗り越えられるよ」みたいなことを言える立場じゃないし、そういったことにどうやったら向き合えるかをお客さんと一緒になって考えるというか。特に、地方から出てきたような人には共感してもらえるんじゃないかと。
──曲の終わり方がフェードアウトというところもバンドとしては斬新ですよね。
健太:そう言ってもらえて嬉しいです。これは、お客さんみんなで歌いたくて、シンガロングで終わらせるようにしたんですよ。
藤原:そう考えたとき、自然とレコーディング中に「だったらフェードアウトじゃない?」って。
──それにシャッフルの使い方が巧みだなと。曲の後半、疾走していくんだけど、ビート自体は跳ねてますよね。
藤原:でも、メロディーは跳ねてないっていう。リズムに関しては、「雨あがり」なんかでもそうですけど、自ずとそういう部分を出したくなるんですよ。
──そして、「1106」についても話を訊かせていただきたいんですが、印象的なMVが公開されてます。
健太:このMVは、オレと光真の地元である熊本の天草の海で撮ったんですよ。PIZZA OF DEATHにも「地元の海で撮れないなら撮らんでいい!」ってムリを言って。この曲は、亡くなった僕の爺ちゃんに向けて作ったので、その漁をやってた海でどうしても撮りたかったんです。で、撮影当日、ホントに歌詞通りの光景になったんですよ。
藤原:予報だと曇りのち雨みたいな感じだったのに、パッと晴れ間もあって、雨・曇り・晴れというそれぞれの場面が撮影できたっていう。
健太:爺ちゃんのおかげやなって。ただ、雨はホントにひどくて(笑)。もう笑けるぐらい降ってて、撮影に協力してくれた漁師さんも苦笑いするくらい(一同笑)。
──故郷のお爺さんを想った曲で、撮影もその場所にこだわって足を運んで、歌詞につながる光景が広がるというのは感動的ですね。
健太:ウルッともきたし。ちょっと歌詞の話になるんですけど、この歌詞を書き終えたときに姉ちゃんから電話がきて、「今日は爺ちゃんが死んで1周忌だよ」と。あんまり意識してなかったんですけど、そういうつながりもあって、やっぱり何かあるんだなと思ったんですよね。
──この作品を引っさげて、全33本にもおよぶレコ発ツアーも控えてます。
健太:こういった長いツアーは初めてだし、行ったことがない場所も結構あるし。
光真:で、そこで出会う新しい人たちと仲良くできたらいいなと。
健太:いろんな刺激もあるだろうし、ホントに初めてのことが多いんで楽しみですね。この作品のタイトル『Can Not Behaved!!』のとおり、"行儀よくできない"っていう感じでやってきますよ。
取材・文◎ヤコウリュウジ
■ミニアルバム『Can Not Behaved!!』
10月22日発売
PZCA-69 ¥1,600 (without tax)
1. Hey Lady
2. 雨あがり
3. 昨日の歌
4. BIG UP
5. つづくもの
6. HOME
7. 1106
全7曲 17分46秒
■<WANIMA ”Can Not Behaved Tour”>
※BACK LIFTとのダブルレコ発
11/15(土)新宿 ACB
11/19(水)仙台 MACANA ※
11/21(金)新潟 GOLDEN PIGS BLACK STAGE ※
11/22(土)富山 SOUL POWER ※
11/23(日)金沢 vanvanV4 ※
11/24(月)福井 CHOP ※
12/06(土)松山 double-u studio ※
12/07(日)岡山 CRAZYMAMA 2nd ROOM ※
12/09(火)熊本 Django ※
12/10(水)長崎 STUDIODO! ※
12/12(金)大分 club Spot ※
12/13(土)福岡 Qublick ※
12/14(日)広島 Cave-be ※
12/19(金)千葉 LOOK
12/21(日)高崎 SUNBURST
2015
1/17(土)甲府 KAZOO HALL
1/18(日)長野 J
1/24(土)名古屋 R.A.D
1/25(日)大阪 BRONZE
2/13(金)神戸 太陽と虎
2/14(土)京都 MUSE
2/15(日)静岡 FREAKYSHOW
2/21(土)宇都宮 HEAVEN'S ROCK
2/22(日)横浜 F.A.D
3/20(金)仙台 MACANA
3/21(土)岩手 the five morioka
3/22(日)八戸 ROXX
3/24(火)札幌 KLUB COUNTER ACTION
3/25(水)苫小牧 ELL CUBE
3/27(金)水戸 LIGHT HOUSE
ファイナルシリーズ
4/11(土)大阪 Pangea
4/12(日)名古屋 APOLLO BASE
ファイナル
4/19(日)TSUTAYA O-WEST
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