【インタビュー】the god and death stars、ミニアルバム完成「B面バンドなんだよね(笑)」
■作品を作るごとに、アクが強くなってるよね
■表面上は不真面目になってきてるから、真面目ではない(笑)──kazu
kazu:これもアルバムのなかでは古くて。わりと早い段階でメロディも完成されていて、完成形と変わらない状態でライブでもやっていたんです。
aie:尺も同じような感じで。
kazu:ただ、のぺーっとした印象だったのでイントロや間奏でアクセントをつけたり、音を抜いたりして、少しややこしく聞こえるようにしてますね。あと、この曲がもともとは“エドワード・スミス”というタイトルだったんですよ。
aie:そう、タイトルがぐちゃぐちゃになってて(笑)。
──他の曲のタイトルがこの曲についてたんですか?
kazu:信じられない話ですけど、レコーディング中はこれが“エドワード・スミス”だったんです(笑)。ところが、「やっぱりこの曲、“エドワード・スミス”じゃない」ってなって。どういうこと?って思ったんですけどね。
aie:“エドワード・スミス”ってタイトルをつけたはいいんですけど、僕は偽名として使っただけだったんですよ。でも、調べてみたらタイタニック号の船長が、エドワード・スミスという名前なんですよね。だとしたら、その名前がタイトルとしてハマるのはこの曲じゃないっていうことで(笑)。
kazu:だったら“エドワード・スミス”っていうタイトル自体を消滅させてくれればいいのに、ほかの曲で使ったという(笑)。10月17日からツアーがあるので、今日(10/11)もリハーサルでセットリストを作っていたんですけど、なんかしっくりこないんですよね(笑)。録ってるときはこの「出来事と偶然の為の媒体」が“エドワード・スミス”というタイトルだったから。まだ、タイトルだけで言われても一致しない(笑)。
aie:ほんと、ご迷惑おかけしてます(笑)。
──そういうふうにタイトルが変わっていくことも結構あるんですか?
aie:バシっとハマる言葉が見つかればいいんですけど、見つからないと一回決めたものもどんどん変えたくなっちゃって、という典型の曲ですね。これは“エドワード・スミス”から“ベーコン”になって、でもそれじゃあな……ってことで最終的に「出来事と偶然の為の媒体」になったんです。
──どんどん意味不明なことに(笑)。歌詞の内容があって、そこからタイトルをつけるわけではないんですか?
aie:曲中に出てくる言葉をタイトルにしたくないっていうクセがあって。たまにはそういう曲もあるんですけど。これは僕自身の好みですが、サビでタイトルをリフレインしちゃうと、こそばゆいっていうか。なんて言ったらいいのかな……衝動性を感じない。はじめから決まってることをやってる感が強くなる気がするんです。今回は「風邪のライオン」ぐらいですね、タイトルを曲中で言っているのは。
──例えば単語やフレーズを繰り返すことでキャッチーさが増すということはあると思うんですが、そういったこともこそばゆさがある?
aie:曲を聴いて最後にタイトルを見て“ああ、なるほどな”っていうほうがいいと思いますね。まったく意味がわからないものも、どう調べても答えが出ないものもありますけどね。僕が勝手に作った言葉とか。それも別に、新宿ロフトに来てくれれば僕、居ますので、訊いてくれれば答えますよ。なんならお酒も作りますので(笑)。
kazu:作品を作るごとに、アクが強くなってるよね。
aie:真面目になってる?
kazu:いや真面目ではない(笑)。むしろ、表面上は不真面目になってきてるから。少し前はもうちょっとわかりやすかった気がするんですよね。
aie:今回でいえば、「隣人林」がわかりにくい最たる例ですよね(笑)。俺の悪いクセ。
──「隣人林」(りんじんばやし)はまず何と読めばいいかもわからないし、一体何の歌だろうと思ってしまいますもんね(笑)。
aie:以前、パッと頭に浮かんだ単語なんです。それをメモしておいて。この曲のメロディとオケができて、さてどんな歌詞にしようかなっていうときに、“そういや、隣人林っていう言葉があったな”と。この曲はタイトルを先に決めちゃって、そこから歌詞を書いたパターンです。
──暗く悲しい恐怖の滲んだ歌で、曲調的には前回のインタビューでも出ましたが、中島みゆき感が強くある曲ですね。
aie:不条理な感じが出てますね。メロディもこれは、みゆきってますね。でも曲の展開は我々っぽいというか。「隣人林」とか「エドワード・スミス」の展開は、我々っぽいなと思います。
kazu:「風邪のライオン」ぐらいですかね、the god and death starsっぽくないのは。
aie:うん、変な曲だなあと思う。
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