【インタビュー】BULL ZEICHEN 88「なくてもいい無駄なことを一生懸命やってこそのブルゼッケンサウンドです」
音楽はラウド。「ここまでやらなくても」というような誰も真似できないレベルの超絶プレイを散りばめながらも、歌メロはキャッチー。歌詞も曲構成も、最近だとPVまでもがとんでもなくユーモラス。とことんマニアック、なのにいちいちコミカル。そのギャップがウケて、最近はカラオケパセラやローチケなどとのコラボでお茶の間進出まで狙っているBULL ZEICHEN 88が12月14日、2度目の赤坂BLITZワンマン<~赤坂ブルッツ2014 AGAIN~>公演前に「Lovely 」に続くニュー・シングル「HIMANCHU」をリリース。ひまんちゅ……誰かが肥満中? その真相をメンバーの栄二郎(vo)とIKUO (b)に訊いた。
◆BULL ZEICHEN 88~拡大画像~
■“海人”と書いてウミンチュというじゃないですか
■これはヒマンチュで、“暇人”という意味らしいです
──新作のタイトルは「HIMANCHU」。ジャケットにでかでかと写っているのはsebastianさんの頭。これは、セバスさんが現在肥満中で頭上しか見せられないということですよね。
2人:ええ。って、違いますよー(笑)。
──冗談です。
栄二郎:“海人”と書いてウミンチュというじゃないですか? これはヒマンチュで。
IKUO:“暇人”という意味らしいです。
栄二郎:前作の「Lovely」に続き、このタイトルも歌詞やジャケット、PVすべて…。
IKUO:淳士(ds)君のアイデアです。
──「HIMANCHU」はまず、2番まではギターリフで小気味好く押していくストレートなスピードチューンなんですよね。ブルゼッケンにしては。
IKUO:今回は導入部分から分かりやすく“8ビートですよ”という爽快感がある感じで押していって。
──このまま最後までいくのかなと。
IKUO:思いきや、第2部がスタートするという。 ストレートだけど普通には終わらない、曲的には3部構成な感じにしました。
栄二郎:ストレートなんだけど短い組曲みたいになってます。
IKUO:1部が3ピースの音がメインなんで、第2部からはEDMの要素をガッツリ入れて。
栄二郎:その入れ方もすごく分かりやすくて。誰でもEDMだって分かる音なんです。
IKUO:こういう流行ものは「俺らは最先端のEDMやってるんだぜ」っていうよりは遊び感覚。それが俺ららしいなと。
栄二郎:RUN-DMCがエアロスミスの「Walk This Way」をモチーフにしたみたいに。
IKUO:分かりやすいほうがクスッと笑えるでしょ?
──確かに。元々この曲はストレートなものというのをテーマに作った曲なんですか?
IKUO:じつはですね、元々は2曲目の「Bash!!」が表題になるつもりで僕は作っていたんです。この曲はあえて奇をてらっていろんなものを取り入れて、面白い曲を作ろうというテーマで表題曲用に作ったものだったんで、これを表題にするならC/Wはライブで盛り上がれるストレートなものってことで「HIMANCHU」を作ったんですね。それが、選曲会で淳士君がいった“「HIMANCHU」がいい”という鶴の一声でこちらが表題になりまして(笑)。表題にするにはストレートすぎるからってことで、もともとあったテンポチェンジの後に無理矢理第2部のEDMパートをぶち込みました。
──そこ、無理矢理にもほどがありますから。
IKUO:そこが面白いじゃないですか。他にもいろいろ入れて表題曲用にちょっとずつビルドアップした結果、ストレートなものが面白いものに変わっていったんです。
──なるほど。面白いといえばこの曲、第3部で唐突に出てくる壮大なサビが、笑えるほどキャッチーなんですけど(笑)。
2人:ぶははははっ(爆笑)。
IKUO:狙い通りですね。あそこはね『アナと雪の女王』。
栄二郎:「Let It Go」。
──(笑)イメージとしては。
IKUO:そう。ここからなぜか壮大な物語が始まるような、バラード調の綺麗なメロディをくっつけてみました。
──しかもですよ? そこにのっかってくる歌詞が“台北”。この“タイペイ”ってなんだよと思いながらも、やたらこの単語が中毒性があって、頭から離れないんですよ。
IKUO:じゃあね、さらにこれでPVを見たら、さらに中毒になると思います。
栄二郎:今回はPVも3部作になっていまして。わざわざ撮影日を分けて撮るという。
IKUO:淳士君の力の入れようでした。とにかく俺に任せろと。俺らは完成するまで見せてもらえませんでしたから。
栄二郎:今回はスケール感もすごくて。俺らは結局、台北まで行きましたから。
IKUO:合成だけどね(笑)。
栄二郎:今回も相当面白いと思いますよ。
IKUO:PVのド頭は、この楽曲同様コミカルでも何でもないんですけど、第2部、そして第3部が始まった頃にはぷぷっと笑いだして。
栄二郎:最後には笑い転げていると思います。
──曲のアウトロに、なにかを吸引するような音が入ってましたよね。アレはもしや…?
栄二郎:あれはですね、音だけ聴いてると「ヤバいんっじゃね?」って思われがちですけど、そこはPVを見てもらったら謎が解けると思います(キッパリ)。ちゃんとオチがあるんですよ。そこまで考えて淳兄ぃは作っているから、すげぇなと思います。
IKUO:サウンドを僕に任せてくれる分、それ以外の表現はすべて淳士君のアイデアで。曲が導くものを思いつくんでしょうね。歌詞も歌もPVもビジュアルも、淳士君がすべて即座に提示してくれますから。
栄二郎:だから、歌にしてもPVの演技にしても迷いがないから、説得力があるんですよね。
IKUO:結果、それに従っていれば絶対いいものができるんで。俺らは従うだけです。
──なるほど。そんなコミカルな要素もありつつ、この曲ベース・ソロはどうなってるんですか?
IKUO:あれはロータリー奏法というもので、「Lovely」のAメロでも使っていまして。今回はこの曲と「Bash!!」のサビでも使っています。いま押してる奏法なんですけど。ベースっぽくないでしょ?
──そうなんですよ!
栄二郎:ディレイがかかってるみたいで、シーケンスみたいなんですよね。なにこれ? と思ってスタジオで見てたらIKUOさんがベースで弾いてて。
IKUO:あれ、全部弾いてますからね。
栄二郎:こうやって、メンバーでもいちいち驚かされるんですよ。
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