【ライブレポート】T.M.Revolution主催<イナズマロック フェス 2014>初日、「めちゃくちゃ緊張してる」

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T.M.Revolutionこと西川貴教が、地元である滋賀県の草津市・烏丸半島芝生広場で9月13日および14日の2日間、大型野外イベント<イナズマロック フェス 2014>を開催した。2日間で計10万人(13日5万人、14日5万人)を動員した同フェスは2014年で6回目を迎える。その初日のレポートをお届けしたい。

◆<イナズマロック フェス 2013>初日 拡大画像

西川貴教が“滋賀ふるさと観光大使”に就任したのは2008年10月のこと。<イナズマロック フェス>は、西川が「音楽で地元に恩返しを」「地元のみなさんと滋賀県をアピールしたい」という気持ちから滋賀県の行政と共に2009年にスタートさせたものだ。当初より「琵琶湖の水を守ろう」をテーマとしてきたが、回数を重ねるうちに琵琶湖の環境保全のみならず、「これからの未来を担う子供達のために、滋賀県民の心である美しい琵琶湖のために、そして日本中が笑顔と元気に包まれるために」と、その信念も大きくなっていったという。

また、<イナズマロック フェス>は、ジャンルを問わず多彩なアーティストが名を連ねるほか、ステージの転換時間には人気芸人などのパフォーマーが出演することでも知られている。アーティスト、お笑い芸人、ご当地キャラなどを含めて、この二日間の出演者は総勢70組を超える規模となった。「雷神」と名付けられたメインステージは第一線で活躍中のアーティストのパフォーマンスが堪能できる有料ライブエリアだ。このほか、ライブチケットなしで楽しめるフリーエリアも設置、滋賀県を中心としたご当地グルメが並ぶ飲食エリア、滋賀の観光情報などを紹介/体験できるエリア、子供が楽しめるキッズスペースなどが設けられている。

さらには、熱いステージが繰り広げられる「風神」ステージと、滋賀県のPR・ご当地キャラクターが登場する「龍神」ステージという2つのステージも、いずれも無料で観覧できる。フリーで楽しめるエリアが充実しているのも<イナズマロック フェス>の特徴で、単なる野外フェスではなく、地元のお祭りとして認知されているのも、このフェスが愛される大きなポイントだ。また、例年開催しているアマチュアミュージシャンのオーディションも、2014年からは<イナズマロック フェス>とEpic Records Japanが共同で開催。残念ながらメジャーデビューがかかったグランプリ受賞者は出なかったが、準グランプリを獲得した4組がライブステージ「風神」でパフォーマンスを披露した。

「イナズマ、盛り上がって行くぞっ!」──ももいろクローバーZ

初日のメインステージ「雷神」オープニングアクトを飾るのは、ももいろクローバーZ。なんと、1曲目にT.M.Revolutionの「INVOKE」をサプライズ披露して会場を湧かせたほか、7月30日にリリースされた新曲「MOON PRIDE」をはじめ「コノウタ」など、全5曲を元気いっぱいに歌い踊った。

「<イナズマロック フェス2014>、スタートです!」──橋川渉 草津市長

草津市長による開会宣言に続く2014年のトップバッターは、T.M.Revolutionだ。トレードマークの半ズボンに、迷彩柄に蛍光オレンジを効かせた衣装でステージに登場した西川は、おなじみのナンバー「HIGH PRESSURE」、「HOT LIMIT」を青空のもとで熱唱。そして、T.M.Revolutionが2013年にリリースしたセルフカバーアルバム『UNDER:COVER 2』でコラボしたMay J.が、サプライズでステージに登場。同アルバムに収録されている「last resort」を二人で歌い上げた。

「念願の(共演)ライブ」──西川貴教
「夢が叶いました」──May J.

と両者の笑顔が輝かしいステージは、この後ますます加速していく。この夏リリースのシングル「突キ破レル-Time to SMASH!」、「Phantom Pain」など全7曲を歌い、<イナズマロック フェス2014>が豪快に幕を開けた。

お笑いコンビ・フルーツポンチのステージに続いては、結成11年を迎えた4人組バンドのシドが、メンバー全員ホワイトを基調とした衣装で登場。ボーカルのマオは「(イナズマに)ずっと出たいと思っていて、やっと出ることができました」と笑顔を見せた。客席がタオルをふりまわして盛り上がった「サマラバ」や、2014年2月にリリースした「hug」など、シングルナンバーを中心とした全6曲がさわやかにプレイされた。

藤崎マーケットのコントに続いて、2014年最もブレイクしたシンガーのひとり、May J.がステージに姿を現した。鮮やかなピンクのミニドレスで登場した彼女は、「西川さんは優しくて尊敬する大先輩。<イナズマ>に出演させていただけて本当に嬉しい」と感謝を語り、CMソングとしてもおなじみの「Sunshine Baby!」、9月10日にリリースしたばかりの新曲「本当の恋」、合唱曲として知られる「Believe」などを見事に歌い上げた。ラストナンバーは「私の人生をかえてくれた曲」と自身もMCで話した「Let it Go(ENG ver.)」だ。その美しい歌声に、客席からは惜しみない拍手が贈られた。

インパルスがネタで会場を盛り上げると、真っ白のミニドレスをまとったMINMIが登場。「緊張してる!」と語りながらも、巧みな話術であっという間に観客の心をつかみ、会場は軽快なリズムに揺れた。客席との「FIRE!」コールで盛り上がる「ハイビスカス」ほか、「いていたいよ」「シャナナ☆」など全7曲がテンポ良く披露したステージは、「ここでしか会われへん人との出会いを楽しみにしていきたい」とのMC通り、ステージと客席が一体となって高揚するライブとなった。

2010年より連続5回目の登場となるお笑いコンビ・TKOのステージに続くは、デビュー10周年を迎えたばかりの加藤ミリヤだ。ブロンドのロングヘアをひとつに結び、ブラックのセクシーな衣装で登場、ダンサブルなパフォーマンスを披露した。「小学生の時に琵琶湖に来てました。バス釣りに来たこともあります。こんな素敵なロケーションでライブできて嬉しい」と、9月3日にリリースしたばかりの新曲「YOU…MILIYAH ONLY VER.」ほか「HEART BEAT」、「Lonely Hearts」などを熱唱。最後は「EMOTION」で締めくくった。

お笑いトリオのロバートが会場を盛り上げた後は、いよいよ初日のトリを務める黒夢がステージに登場した。ボーカルの清春は2010年にSADSとして出演して以来、4年ぶり2度目のステージとなる。猫の顔が大きくプリントされた黒いTシャツ姿の清春が「イナズマ!」と叫ぶたびに、客席からは大きな歓声が上がった。

「僕は西川さんとは仲いいけど、西川さんのファンは顔も知りません。でも総合的に分かり合えると思います」「超適当に楽しんで!」──清春

独特のノリで会場の心を掴んだ清春は、デビュー曲「FOR DEAR」をはじめ、「FAKE STAR」「MARIA」「BEAMS」など1999年の活動停止以前のナンバーから次々と名曲を繰り出していく。そしてラストが近づいた時、「今日一番の盛り上がりを見せるべく、私の数少ないお友達を…」と紹介されて登場したのは、もちろん西川貴教だ。

「さっき話してたんだけど、(ベースの)人時に会ったのは、名古屋のミュージックファーム以来なので……20年ぶり!?」──西川貴教

と、改めて年月の流れの早さに驚いた様子。「打ち合わせしかしてないので、めちゃくちゃ緊張してるんですけど」と笑いながら、清春とともに「少年」を披露。二人が顔を近づけるたびに客席からは歓声が上がり、セクシーな男たちの狂宴に5万人の観衆が酔いしれて初日の幕が大盛況のうちに閉じた。

◆T.M.Revolutionオフィシャルサイト
◆イナズマロック フェス 2013 オフィシャルサイト
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