【対談】逹瑯(MUCC) × kyo(D'ERLANGER)、異種格闘技対談-Ring 番外編「大人げなさっていくつになっても必要」
■ロックスターがロックスターらしくなくなっちゃったのって
■ツイッターとかSNSからですかね? ──逹瑯
逹瑯:でも、kyoさんももちろん、BUCK-TICKの櫻井さんとかの世代の人達って、やっぱ生き様がロックスターだった気がします。やっぱ、普段からカッコイイですもん。
kyo:でもね、俺、昔、レコード会社のお偉いさんに、“ギャップは器だ”って言われたことがあるんだよね。プライベートや、取材を受けてるときや、ライヴで歌っているときや、いろいろとあるけど、そこにあるギャップは人間としての器だからって言われたときに、なんかフッと肩の荷が下りた気がしたんだよね。逹瑯は、それが今、すごく自然体に出来ているから、すごいなって思うよ。
逹瑯:いやいや、そんなありがとうございます。でも、やっぱり俺の中では、ロックスターって私生活が見えない人だと思うんですよね。そういう意味で言うなら、DER ZIBETのISSAYさん。まったく私生活見えないですよね!
kyo:たしかに! ISSAYさんはまったく見えないよね!
逹瑯:生活感1ミリもなくないです!?
kyo:たしかにね(笑)。逹瑯の言いたいことはわかるよ。たしかに、ISSAYさんはロックスターだね。変な話だけど、聞いちゃいけないこととか、聞けないことってあるもんね、ロックスターには。
逹瑯:え!? ロックスターであるkyoさんでも!?
kyo:あるよあるよ。あ、ちょっとごめんね、下ネタ言うけど(笑)。
──紳士ですね、kyoさん。どうぞお気遣いなく(笑)。
kyo:んじゃ、遠慮なく(笑)。間違っても、“オナニーとかするんですか?"って絶対聴けないもん!
逹瑯:聞けないっす! “昨日何食べましたか?"とかも無理っす! “靴下とか洗うんですか?"も無理っす!
kyo:もし、俺が逹瑯の後輩だったら、逹瑯には、“逹瑯さんって、オナニーとかするんっすか?"って聞けちゃうと思うんだけど、ISSAYさんには絶対に聞けない!
逹瑯:わかりますわかります(笑)! 絶対に踏込んじゃいけない領域な気がしますよね! 前に、BUCK-TICKの櫻井さんに、俺がやってるラジオにゲストで来てもらったんですけど、そのときに、“ISSAYさんって普段何食べてるんですかね?"って聞いたら、櫻井さんが、“ISSAYさんは霞を食べて生きてるんだよ"って言ってました。
kyo:間違いない。じゃぁ、霞食べて生きてるんだよ!
逹瑯:ですよね。やっぱり、ロックスターがロックスターらしくなくなっちゃったのって、ツイッターとかSNSからですかね? あれって、使い方をちゃっとわかってやらないと、身近になり過ぎちゃってよくないのかもしれないですよね。
kyo:そうだね。まぁ、俺はやっていないからそこはあんまりわからないけどね。ちゃんとわかってやらないと事故るなとは思うよね。
逹瑯:そうなんですよ。この俺ですら自分の中でルール作ってますからね!
──なに!? ルールって。
逹瑯:小学校の高学年から中学生までが言うような下ネタしか言わないってルール。じゃないと生々し過ぎちゃうのもね(笑)。
──あ、そこルールだったの? そこデフォルトだと思ってた。
kyo:あははは(爆笑)。だよね、それわかる(笑)。きっとツイッターやSNSで身近になったのもあるし、ライヴ自体も昔に比べるとバラエティーになったからなんじゃないかな? 昔のロックバンドのライヴって、すごくストイックで、そこに笑いの要素とかなかったからね。ある時期からヴォーカリストも、ヴォーカリスト以外のメンバーもライヴで喋るようになって、よりパーソナリティが出て来て、笑いの要素が多くなっていったのもあって、だんだんそういうのがなくなってったんじゃないかな?って思うよ。
逹瑯:たしかに。俺の中で、ミュージシャンが喋っておもしろいっていう印象を最初に植え付けられた人って、西川さん(西川貴教)だった気がしますね。
kyo:なるほどね。
逹瑯:そういう意味で言ったら、吉井さん(吉井和哉)もそうかなぁ。
kyo:あぁ。でも、ロビン(吉井和哉さんのニックネーム)は、またレボレボ(西川貴教)とは違うタイプだけどね。ロビンも話はすごく上手だけどね。あぁ、でもそうだね、ロビンってすごくロックスターなんだけど、斜に構えてないというかね。ずっと斜に構えてカッコいいっていう感じのロックスターではないからね。昔、日清パワーステーションで『UFO仮面ヤキソバン』の恰好してライヴしてたからね、ロビン(笑)。それで俺、ケトラーになれって言われたんだけど、“いや……ロビン、俺、そういうんじゃないんだよ……(困惑)"みたいな(笑)。
逹瑯:あはははは(大爆笑)!
kyo:まぁでも、なんていうかな、ロビンなりのアンチテーゼじゃないけどさ。そこがカッコよかったりしたよね。
逹瑯:はいはいはい。そうですよね、たしかに。そこがカッコいいと思います。それこそ吉井さんのロックですよね。
kyo:そうだね。っていうか、すげぇデカいテーマの対談になってるね、これ! 世の中へのアンチテーゼがテーマになってきてるよ(笑)。
──あははは。これぞロックです(笑)。
kyo:そうだね(笑)。でも、ホント、逹瑯っておもしろいヤツだと思うよ。すごく純粋にヴォーカリストとして感じるところを言葉にして言ってくれたりするから。自分では気付いていなかったとことかを、“あそこ、めちゃめちゃカッコイイですね!"って、何気ないヴォーカルスタイルのことに関して言われたりすると、次にステージに立ったとき、いままでは無意識だったのに、すごく意識しまくっちゃって、間違えちゃったりして(笑)。
逹瑯:そこまで狙ってます! なんて嘘ですよ! 絶対嘘です!
kyo:わかってるよ(笑)。でも、ホント、逹瑯はそういう入り込んだ話まで出来る、数少ない後輩だね。
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