【対談】逹瑯(MUCC) × 川上洋平([Alexandros])、異種格闘技対談-Ring 番外編「アウェイ好きなバンドって強い」

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■自信持ってなくちゃミュージシャンなんてやってらんないよね
■“アイツらには負けた”って思ってたらバンドなんてやめちまえ──逹瑯

──川上くんはその当時海外に住んでいたってのも大きいんじゃない?

逹瑯:あ、そうか! 何歳から何歳まで何処にいたの?

川上:9歳から15歳まで、父親の仕事の関係でシリアに住んでたんです。

逹瑯:何語だったの?

川上:アラビア語なんですけど、通ってた学校がアメリカンスクールだったんで、ずっと英語で喋ってました。

逹瑯:すげぇ。環境まったく違うよね?

川上:まったく違いますね。日本に帰ってきて何が1番嬉しかったって、コンビニがあることでしたからね。

逹瑯:へぇ~。その感覚解んないよね。シリアって、何が美味しいの?

川上:ん~。特には(笑)。

逹瑯:何食べてたの?

川上:父親の会社から、日本食がよく届けられていたんで、そういうモノも食べてましたけど、現地料理だと、ハマスとかシシカバブとかですね。

逹瑯:あ、シシカバブって聞いたことあんなぁ。でも、なるほどね。そっちの学校で流行ってたんだね、Guns N’RosesもOasisも。じゃぁ、環境が違ってたら、もしかしたら音楽やってなかったかもしれないね。だって、海外でずっと生活してて、ましてや発展途上の国での娯楽といったら音楽しかないというか、音楽の比重はすごく高かっただろうからね。

川上:まぁたしかにそうかもしれないですね。イスラム圏なんで、お国柄エロ本もないですからね。基本、西洋の文化を取り入れちゃいけないんで、映画もなかったし、CD屋さんもなかったですから。でも、そんな中だからこそ、音楽はすごく大きかったですね。音楽も違法な海賊盤を売ってるお店で買うしかなかったんです。そこでOasisのテープに出逢ってハマったんです。でも、10個上の兄がいるんですけど、兄がすごく音楽好きだったんで、そこの影響は大きかったのかもなって思いますね。

逹瑯:たしかに、兄ちゃんの影響って大きいよね。俺も長渕剛さんとブルーハーツは兄ちゃんの影響だもんなぁ~。

川上:小3のときに兄ちゃんがGuns N’RosesのCDくれて、“外人にナメられんじゃねえ!”って言われたんです。

逹瑯:あはははは(大爆笑)!

川上:いきなりGuns N’Rosesだったんで(笑)。

逹瑯:すごいな、その洗礼も(笑)。

──そうだね。ところで、逹瑯くんの目標は何?

逹瑯:目標かぁ。俺ないな。バンドの目標でしょ? バンドの目標って持ったことないな“こういう自分になりたい”っていう目標もないしね。憧れてるミュージシャンはたくさんいるけど、そこにその人達が居るから、そのものになりたい訳ではないじゃんね。だから、自分達がやりたいことや、面白いって思えることをやっていって、40歳50歳になったとき、自分しかそれをやれてない人になれてたらいいなぁって思う。本当は目標を持った方がいいのかもしれないけどね。そこに向って突っ走れるから。

川上:なるほどなるほど。

──川上くんの目標は、イギリスの<グラストンベリー・フェスティバル>のヘッドライナーを務めることだとか。“世界一になる”っていうのも目標として掲げているところなんだよね?

川上:そうなんですけどね、僕も逹瑯さんと近くて、そこに具体的な目標がある訳ではないんです。具体的な目標として公言してますけど、絶対に世界一になりたいとは思っていないというか。そもそも世界一ってなんだ?ってことになってきますからね。セールスなのか、なんなのか。でも、目標として持っておきたいんです。

──心持ちとしてね。

川上:そうなんです。気持ち的な目標として。ちなみに、偉そうに聞こえるかもしれないですけど、“俺たちが世界一カッコいい”って思ってやってますからね。

逹瑯:うんうん。それ解るよ。自信持ってなくちゃミュージシャンなんてやってらんないよね。“アイツらには負けた……”って思ってたらバンドなんてやめちまえっていう。

川上:そうなんですよ。

逹瑯:その都度その都度、“今日は負けた……悔しい!”っていう悔しさや反省はあったとしてもね、基本自分達のやってることに自信持ってやるべきだよね。

川上:だと思いますね。

逹瑯:最初の方でも話したけど、アウェイ戦に強いバンドってそういうとこなのかもなって思うよ。どれだけ知ってる人が多くて、どれだけ盛り上がるかってことも大事だと思うけど、何が残せるかってことでもある。一緒に対バンした相手の価値観が変わっちゃうくらいの絶対的な個性を持ってるバンドって、本当にすごいなって思うからね。

川上:そういう話を聞くと、改めてそうだなって思い直します。自分達もそういうバンドであれたらいいなって。そういう意味も込め、今回は誘ってもらってありがとうございました!

逹瑯:いやいや、こちらこそ、今後ともよろしくお願いします!

川上:こちらこそ! ありがとうございました!

   ◆   ◆   ◆

このあと行われたライヴはレポートの通り、互いへの敬いに溢れながらも火花を散らす大熱戦となった。BARKSはすべてのライヴ終演後、それぞれの楽屋を訪ねてステージの印象をうかがった。

■<from 逹瑯 to 川上洋平>
「[Alexandros]カッコ良かった! ライヴも、クールさと熱い感じが同居しててすごい良かった。楽曲面もすごく良かったなぁ。ルーツであるUKロックを感じる部分ももちろんあったんだけど、そこに、ふと落ち着く日本的なメロディが存在してて。そこが個性なんだなって思った。リズムパターンもすごくお洒落だったし。そんなドラムの庄村くんは、前に<ROCKS TOKYO>で挨拶に来てくれてたから、初対面ではなかったんだよね。『アンティーク』(1stミニアルバム)の頃からMUCCを聴いてくれてたって開演前に聞いて、嬉しいなって思いました。すごく良い初日が作れたと思います。ありがとうございました。是非、また一緒にライヴ出来たら嬉しいです!」

■<from 川上洋平 to 逹瑯>
「すごく楽しかったです。MUCCのライヴは、初めて見せてもらったんですけどカッコ良かった。MCも、いい意味で緩くて、自然体だなぁって思いました。ヴィジュアル系と言って良いのか解らないですけど、そういうシーンの人達と対バンをするのも初めてだったんです。けど、メイクとかしてても、MUCCはちゃんと下地が見えているなって感じたんですよ。人間味が滲み出てる感じがしたというか。逹瑯さんも、対談させてもらった印象とステージの上での印象があまり変わらなくて。何してもカッコいい人だなって。次は、僕たちの主催するライヴに遊びに来てもらえたら嬉しいですね。今日はありがとうございました!」

取材・文◎武市尚子 撮影◎瀧本行秀


■<SIX NINE WARS -ぼくらの七ヶ月間戦争- Episode 6.「ARMAGEDDON」>毎公演異なるアーティストとの2マンTour
2014年8月06日(水) Zepp Nagoya VS [Alexandros]
OPEN 17:30 START 18:30
2014年8月09日(土) 新木場Studio Coast VS 氣志團
OPEN 16:00 START 17:00
2014年8月17日(日) 京都KBS HALL VS GRANRODEO
OPEN 16:00 START 17:00
2014年8月19日(火) Zepp Namba VS BUCK-TICK
OPEN 17:30 START 18:30
2014年8月20日(水) Zepp Namba VS シド
OPEN 17:30 START 18:30
2014年8月22日(金) 川崎CLUB CITTA' VS D'ERLANGER
OPEN 17:30 START 18:30
2014年8月24日(日) 大阪城野外音楽堂 VS ゴールデンボンバー
OPEN 16:00 START 17:00
2014年8月26日(火) Zepp DiverCity VS MICHAEL
OPEN 17:30 START 18:30
2014年8月28日(木) 恵比寿LIQUIDROOM VS geek sleep sheep
OPEN 17:30 START 18:30

■<SIX NINE WARS -ぼくらの七ヶ月間戦争- Final Episode「THE END」>
2014年9月23日(火・祝) 国立代々木競技場第一体育館
前売券¥5,569(税込) 当日券¥6,500(税込)
※全席指定、3歳以上のお子様はチケットが必要です。
チケット一般発売日:2014年8月2日(土)

◆SIX NINE WARS -ぼくらの七ヶ月間戦争- 特設サイト
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