【インタビュー】KNOCK OUT MONKEY、灼熱の2ヵ月連続シングルで「ありのままに鳴らす4人を」
KNOCK OUT MONKEYが、7月23日に「Wonderful Life」、8月20日に「Greed」と2ヵ月連続でシングルをリリースする。両シングルともテーマは夏。「Wonderful Life」はラテン調の陽気なリズムを開放的なメロディが貫くアッパーソングに仕上がった。一方の「Greed」はサーフロックのエッセンスを振りまきながら、KOM節全開の御機嫌チューン。どちらも夏を盛り上げること必至のサマーアンセムが攻めの姿勢を感じさせる。また、レゲエ調のカップリングなど、彼ら本来の豊富な音楽性が存分に発揮されて心地よいほどだ。
◆「Wonderful Life」ミュージックビデオ
なお、「Wonderful Life」が国内最大級のアクションスポーツイベント<湘南OPEN 2014>イメージソングに起用されたほか、「Greed」がアニメ『名探偵コナン』のオープニングテーマに採用されるなど話題性も注目度も高い。もちろんそれらは飛躍的な成長を遂げるKNOCK OUT MONKEYの音楽性の高さがあってこそのもの。4月からスタートした全国ワンマンツアー<KNOCK OUT MONKEY TOUR 2014 “INPUT ∝ OUTPUT”>で垣間見ることができた彼らの変化と、現在形のKOMサウンドが詰め込まれた2つのシングルについてメンバー5人に話を訊いた。
■人間味のある温かいところ、素の部分を見せたい──dEnkA
■ツアーで重ねてきたものの集大成を見せられた──亜太
w-shun:今までの曲と比べて、演奏レベルを高めないと表現できなかったんですよ。抗いながらも、しっかり聴かせなきゃいけない。最初の頃はヒーヒー言いながらやってましたけど、場数を踏むことで演奏も研ぎ澄まされていきました。自分のものになってる感触もあったので、もう終わりかって。もっと続けたら、精査されたのかなと。新しい経験も踏まえて、楽しかったですね。
──『INPUT ∝ OUTPUT』の曲は演奏レベルが高いものを必要とされたと。
w-shun:ギターの音をハズすだけでわかるし、アンサンブルを少し間違えるだけで崩れますからね。毎回ライブ中に手がつるような思いでした(笑)。
dEnkA:あと、初めての試みとしては緩い休憩タイムを入れたり、本編の終わり方もゆったりした「Sunrise」で締めましたからね。
──なぜそういう試みを?
dEnkA:w-shunがいつも言うんですけど、俺たち熱気溢れるライブをしてるイメージがあるけど、人間味のある温かいところ、素の部分を見せたいと。「Sunrise」の最後もシンガロングで締めてみたり、いつもワチャー!って投げるようにライブを終えていたけど、みんなで一丸となって叫ぶのもいいなって。
──亜太さんはどうですか?
亜太:アルバム自体は1曲1曲突き詰めて、掘り下げて、自分たちのやりたいことを詰め込んだので、必然的に表現の仕方や見せ方はバリエーション豊かに見てもらえたのかなと。恵比寿リキッドルームのライブは、それまでに11本ぐらいライブをやって、試行錯誤を乗り越えていたので気持ちの余裕ができましたからね。初日の神戸チキンジョージはどんなモチベーションで準備するのか、すべてが手探りだったから。呼吸の整え方がだいぶわかった上でのリキッドでしたからね。まあ、リキッドは予定の5分前にSEが流れたんですけど。
──えっ、そうだったんですか?
亜太:w-shunが舞台裏にスタンバイする前にSEが流れて。
w-shun:俺、ライブ前にあんなに全力疾走したのは初めてです(笑)。楽屋でモニター見て、あれ、SE始まってない?と。
亜太:そういうハプニングはあったけど、ライブ自体はツアーで重ねてきたものの集大成を見せられたかなって。
ナオミチ:これまで30分の対バンステージが当たり前だったので、ワンマンツアーで2時間のライブをやるようになり、集中力が高まりました。それは自分たちにとってプラスになったと思います。あと、dEnkAが言ったように「Sunrise」という曲で、みんなでシンガロングして終わる。それはまた違う自分たちを見せられた気がしますね。『INPUT ∝ OUTPUT』の曲はメロディ押しで作ったものが多いから、しっかり表現したら、お客さんのテンションも上がるだろうし、心地いいだろうなと思ったから。
──全体的に曲を一緒に歌うお客さんが増えましたよね。
w-shun:そうですね。休憩タイムを取り入れることで、自分たちがステージ上でよりリラックスできたんですよ。自分たちが本質的に持っている、バンドが好き、音楽が好き、楽器が好き、という素のところを見せられた気がする。お客さんとそういう時間を共有した後のスイッチの入り方や、歌えと言ったときの反応だったり、そこは顕著に違ってきたんじゃないかな。最初と最後の方でシンガロングの熱量も明らかに違ったし、締めるところは締めて、抜くところは抜く。それが功を奏したのかなと。自分たちも楽器を弾きながら、カチカチにならずに最後まで走り抜くことができました。
──休憩タイムって、アコースティックセットで披露した「realize」前後の流れのことですね?
w-shun:そうですそうです。30分のライブであの空気感を出すのは難しいですからね。ワンマンはある程度自分たちの曲を知ってくれてる人が集まるわけで、その中で何か面白いことができないかなと。カチカチのバンドに見えているのかな?と思ったので、そうじゃないよ、という部分を見せたくて。このワンマンを経験したことで、30分のライブのやり方も変わってくると思うんですよ。それもすごく勉強になりました。
──以前は焚きつけてナンボみたいなライブでしたからね。
w-shun:そうですね、ねじ伏せてやるみたいな。そこは消えてないけど、俺たちはどんなスタイルで音楽や曲作りをやっているのか、それがもう少し見えてもいいのかなと。ドキュメンタリー映像とかあるじゃないですか。ライブでもそういう姿が垣間見えてもいいかなって。
──バンド側がなによりライブという空間を楽しんでるのが伝わってきました。そういう意味では、以前よりお客さんを信頼しているのかなと。
w-shun:そこがいちばん勇気がいると思うんですよ。全部信用して、ケガは起きないのか、殴り合いが始まらないか、いろんな問題があるけど。俺らが本音で鳴らしてる音楽に対して、共感してくれる部分があるのであれば、否定じゃなくて、前から後ろのお客さんまで理解してやりたくて。
──あと、関係者席までイジるMCなんて、普通のバンドはなかなかないです。
w-shun:わかってたんですよ、何も反応が返ってこないって(笑)。だけど、言っておかなきゃと思って。
──はははは(笑)。
w-shun:自分が言いたかったから言っただけです。ごめんなさい、と思いましたけど(笑)。
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