【インタビュー】THE ORAL CIGARETTES、エネルギー爆発のメジャーデビュー作を語る「目標は日本を代表するバンド」

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THE ORAL CIGARETTESがついにメジャーデビューを果たした。2012年に「MUSICA」、「A-Sketch」、「SPACE SHOWER TV」、「HIP LAND MUSIC」の4社が共同で立ち上げた「MASH A&R」のオーディションで初代グランプリを獲得。以降、数多くのライブを重ねていった彼らは、圧倒的な突進力あるパフォーマンスでオーディエンスを引き込み、人気と知名度を着実に上げていった。そんなTHE ORAL CIGARETTESにBARKSは初めてインタビューを敢行。デビュー作「起死回生STORY」について、たっぷりと語ってもらった。

◆みんながデビューして注目されていくのがめっちゃ悔しいって
思っていたりもしたんです。もちろん、すごく羨ましかったし。


――初登場になるので、結成の経緯から聞いて言ってもいいですか?

あきらかにあきら(B&Cho/以下 あきら):まず最初に、僕と拓也が高校の頃に一緒にバンドやってたんですよ。ずっとやっていきたかったんですけど、大学に入ったあたりで一回解散してしまったんです。でも、まだ拓也も僕も音楽をやりたかったので、もう一回バンドを組もうということになったとき、拓也の幼馴染みにギターが弾ける子が居るというので、拓也がシゲちゃん(鈴木重伸)を誘ったんです。それで、頼んでみたら二つ返事でOKで、ドラムは高校の頃の後輩を誘って、そこからインディーズシーンで、デモを作ったりライヴをしたり、地元の奈良を拠点に、いろんなところまで行ってライヴをしたりもしてたんです。帰ってくる頃にはお金がまったくなくなってるようなツアーでしたけど、すごく楽しくて。でも、ある日、ドラムの後輩が就職活動で辞めるって言い始めたんです。そしたら、ちょうどその頃、よく対バンをしてたバンドのドラマーだった雅やん(中西雅哉)のバンドが解散することになったんで、雅やんを誘ってOKもらって、今の4人になったんです。

中西雅哉(Dr/以下 中西):ちょうどタイミングが合ったというか。縁あって一緒にやることになったんです。

――今の音楽性の基盤は最初からあったんですか?

あきら:いや。最初は思い付いたままに鳴らしてただけだったんです。シゲを誘ったときは、「バンアパ(the band apart)みたいなバンドやるから入ってよ」って言ったんです。シゲがバンアパ好きなの知ってたんで(笑)。

鈴木重伸(G/以下 鈴木):そうなんですよ。“バンアパみたいなバンドやるんや!”と思って入ったら、全然お洒落コード鳴ってない……みたいな(笑)。でも、やっていくうちにだんだん個性が固まっていった感じやったんです。

――歌詞は山中くんが書いているけど、歌っていきたいことはずっと結成当時から変わらず?

山中拓也(Vo&G/以下 山中):いや、毎回変わっていたりしますね。それに、最近少しずつ変化してきているというか、歌えることの幅が広がってきている気がします。2013年の8月にリリースした音源までは、自分がどんな人間か解らないという状態がずっと続いていたのもあって、そんなことを歌詞にも書いていたんですけど、その8月あたりにやっと自分がどんな人間か解った気がしたんです。今までは、自分の内面だったり、普段は隠れている部分を歌詞にすることが多かったんですけど、前作から今作までの約何ヶ月かの間に、周りの環境がいろいろと変化したということもあって、お客さんを意識するようになったんです。それまでの歌詞はどっちかっていうと、自分の気持ちを押し付ける感じだったんですけど、この数ヶ月でライヴでもお客さんとコミュニュケーションが取れるようになってきたので、そこを意識しながら自分を出せるように変化してきたんです。

――なるほど。じゃぁ、今回のデビュー作となるシングル「起死回生STORY」は、新たなる一歩でもある感じ?

山中:そうですね。

――大きく自分たちが変化したと感じることに、何かきっかけがあったんですか?

山中:2012年に<MASH A&R>というロックオーディションでグランプリを取ったんですけど、そこからの1年で、今までには経験できなかったようなことをたくさん経験させてもらったんです。たとえば、シンガポールでのライヴイベント<JAPAN NIGHT 2014 in MUSIC MATTERS>に出演させてもらうとか、意識が変化するくらいの大きな経験がたくさんあったんです。でも、その1年で、今まで一緒に対バンしてきてた仲のいいバンドがこぞってデビューしたりしていたこともあって、僕らはいわばその間、表には出ずデビューもなく、ずっと修行をしていた感じでもあったので、みんながデビューして注目されていくのがめっちゃ悔しいって思っていたりもしたんです。もちろん、すごく羨ましかったし。でも、僕たちが1年という期間を準備期間としていたのにはいろいろな考えもあってのことだったので、ただただ目の前の頑張れることだけに目を向けて頑張ってきたんです。そんな1年の中で、今までには感じられなかったことをしっかりと感じられるようになったんです。1番大きかったのはお客さんへの気持ちでしたね。

――なるほどね。同期バンドってどのあたりなの?

山中:KANA-BOONとかキュウソネコカミとは昔から仲が良かったんです。2013年の<RUSH BALL>のときに、“関西若手3大バンド”って取り上げてもらったんですけど、それまではただ仲のいい友達と思っていたのに、なんか変に意識するようになっちゃって、負けたくないっていう思いもすごく強くなっていったし、みんながどんどんデビューしてCDをリリースしているのが正直羨ましくてしかたなかったんです。

◆展開がよく解らないというのも、THE ORAL CIGARETTESの個性だったりするんです
なんか、単純過ぎるとそこに面白さを感じられなくて


――きっと焦りもあった。

山中:そうなんです。でも、今思えば、2013年という1年は自分たちにとってすごくいろんなことを考えることが出来た1年だったと思うので、そう思えるようになったことが大切だったのかなって。だから、今、またそんな仲間たちと一緒に音を鳴らせる環境に立てたことをとても幸せに思っているんです。

――今回の「起死回生STORY」には、そんな想いが吐き出された強さを感じるよね。

山中:まさにそうですね。1年間ずっと溜めて来た想いを爆発させる1曲でもあったので、このときのために書いたモノだったんです。そんなテーマはメンバー全員が共通の思いとして持っていたので、僕がそんな思いを乗せやすいギターリフを考えてきて、みんなに聴かせたところから曲作りが始まったんです。

中西:まずサビが出来上がっていきましたね。広がっていくイメージをそこで魅せたくて、まずサビが最初に固まっていって。いままでにない繰り返すメロディーというところにも、焦点を当てていった感じでしたね。ライヴのときに、お客さんと一緒に声を重ねて一体感を出したいというのが1番にあったので、繰り返しのメロディーの部分をどうやってノリやすい形にしていくか? というところを頑張って考えていきましたね。

――なるほど。手放しでノレる曲ではあるけど、構成的には単純じゃないですよね。展開が規則的ではないというか。

山中:まさに、展開がよく解らないというのも、THE ORAL CIGARETTESの個性だったりするんです。なんか、単純過ぎるとそこに面白さを感じられなくて。スタジオで曲作ってて、面白くないとスタジオが凍っちゃうくらい冷めちゃうんです(笑)。曲が素直過ぎると、絶対に誰かが止めるんです。「ちょっと待って、面白くない」って(笑)。ここは単純過ぎるからこういうフレーズ入れてみよう、とか、そういうところに1番時間をかけているんです。

あきら:ストレート過ぎると、なんか恥ずかしくなっちゃうんです(笑)。

中西:ちょっとはにかんじゃうんです(笑)。

――細かい変化は常にあるんだけど、Cメロなんてガラッと曲の雰囲気が変わるもんね。

山中:曲を作ってる流れの中で、フッとCメロが浮かんできてしまって、どうしてもどこかにこのフレーズを入れたくなったんです。

あきら:入れ場にすごく悩んだんですけど、どうしても入れたくて、いろいろと試行錯誤しながらそこに嵌め込んだんです。

――歌詞は、強い想いを吐き出していると同時に、似た発音の言葉を持ってきてたりしてるから、よりハマりの良さを感じるよね。

山中:そうですね。この曲はリズム感を大事に歌詞を書いていきましたね。歌詞を書くとき、僕の中には2つのパターンがあるんです。今回の4曲で言うと、「起死回生STORY」と「N.I.R.A」は、メロディーにバックがあるんじゃなくて、バックにメロディーを乗せたっていう感じなんです。テンポを大事にしているバックがあったので、それにノレるスムーズな歌詞を書きたいなと思って書いたので、言葉選びもリズムを重要視したんです。いつもは、歌謡曲のような歌モノが多かったりもするので、そこがいつもと違うところでもありましたね。

――「出会い街」と「See the lights」は、逆に歌モノっぽい2曲だよね。

山中:そうなんです。そっちの2曲が歌謡曲のような歌モノなので、メロディーを重視して歌詞を書いた感じでしたね。素直に感情を言葉にしている感じというか。そんな感じなんです。

――なるほど。じゃぁ、今回のシングルは、2つのパターンから2曲ずつ選んだ感じでもあったの?

山中:そうですね。たくさん候補曲があった中から、リズム感重視のモノを2曲、歌モノを2曲、という形で、2曲ずつピックアップした感じでした。

――なるほどね。「N.I.R.A」もリズミックな1曲だもんね。そこに同じ言葉が何度も繰り返し乗っていて。そこによってよりグルーヴ感が強くなってる。

山中:そうですね。そこもすごく意識した部分でした。

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