【インタビュー】Drop's「日本の音楽シーンで市民権を得たいという強い気持ちになっています」

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札幌在住のロックバンド、Drop'sが、前作『DAWN SIGNALS』から一年を待たずして2ndフルアルバム『HELLO』をリリースした。ロックンロールにブルースに、20歳のバンドにしては激渋のサウンドが彼女たちの最大の武器だが、今作ではさらにそれらをポップにメロディアスに料理。今までにない挑戦も随所に感じられる作品に仕上がった。ヴォーカル・ギター、かつDrop'sサウンドの要ともいえる中野ミホに今作について聞いた。

◆Drop's~拡大画像~

■ブルースっていう言葉はジャンルの話じゃなくてもよい
■自分たちなりに新しくできたものが「OUR NEW BLUES!」です


──今作『HELLO』の資料に、中野さんが「OUR NEW BLUES!」と書いていますよね。「コール・ミー」のインタビューの時にも中野さんが話してくれたけど、「最初はポップなものって抵抗があったけど、ポップなものに対する考え方が変わった」というところは、アルバムでも新境地に挑戦ができたから出て来た言葉なんですか?

中野ミホ(以下、中野):そうですね。「コール・ミー」で、自分たちなりのポップなものを作るのが楽しくなったんです。アルバムもそうしようとしたわけじゃないのに、全曲出そろったら新しいものになったという感じがしたんです。ブルースっていう言葉はジャンルの話じゃなくても良いのかなって。自分たちなりに新しくできたものが「OUR NEW BLUES!」っていう言葉につながりました。

──新しい自分たちを知って、さらにそれを構築していくような作業って楽しいですよね。

 ▲中野ミホ
 ▲石橋わか乃
 ▲小田満美子
 ▲奥山レイカ
 ▲荒谷朋美
中野:はい。以前なら「こんなことして大丈夫かな?」って不安になったようなことも、今回は楽しんでできました。2013年に『DAWN SIGNALS』っていうアルバムを作って、「太陽」っていうシングルを出して以降は、どんなメロディアスなものでも、どんなリズムを試しても、5人が格好良いって思える基準を曲げずにやれば、ちゃんと自分たちの音楽になるなっていう確信ができた。だから、今作では、より幅が自由に広がってると思うんです。

──曲はアルバムに向けて書き溜めたの?

中野:曲は『DAWN SIGNALS』ができたあとからちょっとずつ作り溜めていたんです。前からあって、ライヴでやってた「Stage Dog」「星の恋人」みたいな曲もありますし、アルバムのために作った曲もあります。

──作業しながら、今までになく楽しかったのはどの曲ですか?

中野:最後の「かもめのBaby」ですね。こういうリズムをやりたいと思って作り始めて、最初はもうちょっとマイナー調だったんですが、ポップなメロディと楽しい雰囲気にアレンジしていったんです。

──アイデアもみんなで出しあって?

中野:はい。最後にハンドクラップとか膝を叩く音を入れてみようとか。ピアノソロも初めてだったし。やるならとことん、新しいことをやってみようってやってみたら、すごく良くなって。

──「かもめのBaby」は、みんなでやったら楽しい感じの曲ですよね。「アイスクリーム・シアター」も「かもめのBaby」同様の楽しそうな雰囲気が伝わります。

中野:うんうん。この曲は楽しい感じに吹っ切れました。もともとこの曲はライヴでやりたいなと思って作ったし、自分たちが、あれもやってこれもやってカッコいいっていうのがいいと思いながら楽しんで作りました。

──「ドラキュラ・サマー」も遊び心を感じます。サマーに引っ掛けてるのか、イントロには「パイプライン」風のギターも入ってて。

中野:ふふふ(笑)。半分ふざけてやりました。この曲はタイトルから作ったんです。何もない状態で、「ドラキュラ・サマー」っていう言葉だけがあって。「ドラキュラ・サマー」ってどんな曲だろうって思いながら作ったんです。

──ドラキュラと夏のイメージが結びつかないけど、どうしてこんな言葉を思いついちゃったの?

中野:アルバムを作り始める前に、架空の妄想のアルバムの曲タイトルだけを書いてみたんですよ。その中に「ドラキュラ・サマー」という言葉あって(笑)。その時は、ドラキュラの映画を見て。ジム・ジャームッシュの「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」だったんですけど。それで自分の中でドラキュラがブームになったんです。夏とドラキュラって結びつかないんだけど、ドラキュラが夏に旅に出るっていうストーリーを思いついて。

──すごくユニークな歌詞ですよね。サウンドも面白いし。そうかと思えば、「真昼のブランコ」ではワルツをやっていたりして……。

中野:ワルツは好きなんですよね。

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