【インタビュー】GLAY、20周年を飾る『BLEEZE~G4・III~』と“今”への挑戦
■あくまで“今”で挑戦し続けたい。時代に対してちゃんとGLAYというバンドをぶつけていきたい
TERU:たぶん、初めて聴いた人はびっくりするんじゃないですかね。今回はアルバム用に50曲ぐらい集めた中からの曲で、シングルとして書いたのはたぶん僕くらいなんですけど、それを亀田さんに全部預けて、選曲してもらったんですよ。その中でもこの曲は、亀田さんも“新境地だよね”と言っていて、GLAYの持つロック感と、大人のエロチシズムを感じさせる曲なので。実際、僕もびっくりしたんですけど、セッションしていくたびにどんどんロックになっていって、すごく気持ちよく演奏できた曲ですね。歌に関しても、最初はエロチシズムをもっと強調したいということで、サビをファルセットで歌っていたんですけど、歌詞がどんどん固まって、全体の雰囲気が見えてきた時に、“もっと情熱的でいいんだ”と。それで、サビを録り直して完成させました。
──これは新しい武器になるじゃないですか。
TERU:そうですね。ライブでも盛り上がれるんじゃないかなと思います。
──次は、HISASHIさんの「黒く塗れ!」
TERU:これは本当にHISASHIらしい、ソリッドなロックですね。自分の個性を自分で理解して作曲しているなということをすごく感じます。ちょっと暗めのハードなロックナンバーというところにテーマを絞った曲ですね。ただ歌詞に関しては、すごく大変でした。
──ものすごく、独特ですからね(笑)。シュールで、諧謔的で。
TERU:自分で言ってましたもん。“理解されなくてもいい”って(笑)。HISASHIの楽曲に関しては、昔からそうなんですけど、言葉のインパクトとはまり具合が大事で、意味はなくてもいいというものが多いんですよ。でも大きなところではちゃんとしたテーマがあるんですよね。だからあまり感情を入れないというか、たぶんHISASHI自身も機械的なボーカルを求めていたと思うし、そこに徹してHISASHIの曲は毎回歌ってます。
──そしてJIROさんの「YOU」。これはストレートに、いい曲です。
TERU:いい曲ですね。今回はJIROが約10年ぶりぐらいに作詞にもチャレンジして、なぜ作詞も頑張ろうと思ったか、この間の取材の時に話していたんですけど。今回20周年ということで、亀田さんと初めて一緒に曲を作っていく中で、仮歌のためにとりあえず響きのいい言葉を書いていたら、それを見た亀田さんに“すごくいいじゃん”って言われたらしいんですよ。独特な世界観があるって。なんで歌詞を書かないの?と聞かれて、“恥ずかしいからTAKUROに書いてもらってる”と言ったら、“いや、今回は書いてみるべきだ”というやりとりがあったらしくて。今回は僕もシングルのために自分で歌詞を書いて、それを見て何か思うこともあったみたいで、“自分も頑張ってみようと思った”という話を聞きました。すごくJIROらしい、どこかに陰のある世界観で、JIROの性格もそうなんですけど、ちゃんと前を向いていながら俯瞰の目で全体を見わたしているんですよね。僕らはいつも“夢を持っていこうぜ”とか“みんなが夢を見てくれることが俺たちの夢だ”という、夢というものをファンの子たちに伝えてるんですけど、夢を持っていながらもどこかしら現実的な自分もいて、“もしかしたら夢なんてないかも”と思ってしまう、そんな視点がこの歌詞は出ているので。すごくJIROらしい歌詞だなと思います。
──やっぱり言葉に一番出るんですかね。その人の性格とか、思想とか、生き方とか。
TERU:出ますね。TAKUROはまた違うと思うんですけど、ほかの3人は、自分の実生活や、考えていることを、作詞では素直にぶつけていることが多いと思います。TAKUROは作詞家として、コンポーザーとして、いま世に放つべき言葉は何か?を深く考えて、たくさんの人に届けるメッセージとして歌詞を書くことが多いので、そういう違いはあると思います。
──“G4”シリーズ、すごく面白いです。また時々、やってください。
TERU:そうですね(笑)。これだけキャラの違う4人が集まると面白いし、ミニアルバムみたいな感じで聴けると思うんですよ。“G4”は今回で3枚目ですけど、前回4人で1曲ずつ作詞作曲していたことを、亀田さんは知らなかったみたいで。20周年だし、そういうパターンもありだよねということで、亀田さんのほうから提案されて、“実は過去にやってるんですよ”と言ったら、“じゃあこれで絶対にいいと思う”と太鼓判を押してくれて。
TERU:はい。すごくいい感触ですよ。
──前作が去年のオリジナルアルバム『JUSTICE』『GUILTY』の2枚同時リリースだったので、かなり早いペースじゃないですか。
TERU:でも『JUSTICE』『GUILTY』に関しては、自分たちのセルフ・プロデュースと、佐久間(正英)さんと一緒に“これぞGLAY”というものを作りたいという、コンセプチュアルな2枚だったので。オリジナルアルバムという感覚はあまりないというか、その前の『GLAY』というアルバムのほうが、オリジナルアルバムという感じがするんですよ。
──佐久間さんの名前が出たので、聞きますけど、あの時『GUILTY』を作って本当に良かったと思うんですよ。結果的に佐久間さんとの集大成が、最後の作品になってしまったわけですけど……。
TERU:そうですね。あの時は佐久間さん自身も、まさかそういうことになるとは思っていなかったと思うんですけど、GLAYとたずさわって十数年になるし、“自分にとって最高のアルバムを作りたい”ということをずっと言われてたんですよ。それプラス、自分たちのセルフ・プロデュース作『JUSTICE』を作ることで、GLAYと佐久間さんの時代が一度終結するというような意味合いの作品だったんですよね。その制作が終了したあと、佐久間さんからの発表があったので、本当に驚いたんですけど。
──いろんな思いが駆け巡りますが……GLAYと亀田さんとのコンビネーションは、新しい時代の幕開けになるだろうなと思います。音の感触も、だいぶ違いますよね。
TERU:違いますね。全体的にすごくキラキラしてます。佐久間さんは、バンドの良さを生かしてくれるプロデューサーで、自分たちがやりたいことに関しては一切NOを出さないんですけど、亀田さんは、オーバーダビングしすぎると“それはいらないよね”とはっきり言う。“音が厚すぎるから、カットしていいかな”とか。フレーズに関しても、まず亀田さんが作ったものに対して、違うフレーズを考えて弾いてみても、前のフレーズのほうが楽曲の中でバランスがよければ、“こっちも弾いてもらっていい?”という、そういうタイプのプロデューサーなので。それは佐久間さんのプロデュースで、バンドがバンドらしいことをやれた経験値があるからこそ、今こういうことがやれるんだなと思うんですよ。
──はい。なるほど。
TERU:逆に最初から、亀田さんのようなタイプのプロデューサーと10年やっていたら、その反発で、セルフ・プロデュースをやりたくなったかもしれない。僕らがなかなかセルフ・プロデュースに行かない理由は、そういう楽しさがあるからで、自分たちなりに経験値を増やしてきたからじゃないかな?と思います。以前にセルフ・プロデュースをやってみて、それはそれでいい感触だったので、いずれまた機会はあると思うんですけど、いろんな人とやってみたいんですよ。アルバムの話になっちゃうんですけど、ドラマーを6人起用してるんですよ。それもGLAYならではのことだと思うんですよね。これも20年間頑張ってきたことへのご褒美だなと思って、レコーディングを楽しんでいます。
──あと、GLAYの20年の歴史を振り返って、個人的に思うことがあるんですけども。GLAYにはシングルヒットを飛ばし続けてほしいんですよ。
TERU:ああ。
──ロックバンドがシングルヒットを飛ばし続けるのって、とても難しい時代じゃないですか。でもヒット曲って、いつの時代もワクワクするものだし、絶対にあってほしいものなので。
TERU:頑張りたいですね。いろんなタイプの人たちがいて、僕らは僕らで、過去の作品にとらわれたくないというか、たとえば「HOWEVER」をやらなくても成立するライブとか、あくまで“今”で挑戦し続けたいという気持ちがあるので。シングルに関しても、“売れなくてもいいよ”という感覚でやっているバンドではないんですよ。そこはちゃんと喰らいついて、時代に対してちゃんとGLAYというバンドをぶつけていきたいと思ってるので。今回は「BLEEZE」という曲を、<GLAY EXPO>のテーマ曲として世に放ちますけど、これが本当に売れてほしいなとみんなで言ってます。TAKUROはTAKUROで、“これが売れなかったらもう何を作っていいかわかんない”とか言ってるし(笑)。
──いやー、正しいロックバンドだと思いますよ。
TERU:そういうところでは今後も、時代にちゃんと挑戦し続けるバンドではあるんだろうなと思いますね。
──最後にひとこと、9月20日にひとめぼれスタジアム宮城(宮城スタジアム)で行われる“GLAY EXPO 2014 TOHOKU”について、意気込みをぜひ。
TERU:今回東北を選ばせてもらったのは、震災を風化させたくないという思いと、東北の人たちが少しでも元気になれるような音楽を届けたいという思いからなので。<GLAY EXPO>を宮城で開催することによって、何かが動き始めてほしいという思いでやりたいし、ひとりひとりの心が動かされて、それが行動力に変わっていってほしいと思います。僕らの強みとして、ファンの子たちがすごくコミュニケーション能力が高くて、どこに行っても笑顔を届けてくれたり、現地の人と交流したり、何度も遊びに行ったり、そういうコミュニケーション能力が本当に素晴らしいんですよ。GLAYのファンの子たちが何かを動かしてくれることを期待しながら、<GLAY EXPO>に挑みたいなと思います。
取材・文●宮本英夫
GLAY 20th Anniversary 50th SINGLE
『BLEEZE~G4・III~』
2014年7月9日リリース
形態/品番/価格:CD+DVD / PCCN.00013 / ¥1,900+8%税
形態/品番/価格:CD Only / PCCN.00014 / ¥1,400+8%税
収録曲
M1: BLEEZE 作詞/作曲TERU
M2:外灘SAPPHIRE作詞/作曲TAKURO
M3:黒く塗れ!作詞/作曲HISASHI
M4:YOU 作詞/作曲 JIRO
【DVD収録内容】
「BLEEZE」MUSIC VIDEO
「BLEEZE」MUSIC VIDEO MAKING
IVAN による東北六魂祭 in 山形 DOCUMENT & LIVE
六魂fes!×GLAY 「BEAUTIFUL DREAMER」「SOUL LOVE」「everKrack」
BLEEZE~Loppi・HMV×GLAY EXPO2014 TOHOKU応援チャリティエディション~
形態/品番/価格:DVD + CD / BRCA.00058 / \1,000+税
【DVD収録内容】
ALL ABOUT GLAY EXPO
1.「誘惑」from GLAY EXPO ’99 “SURVIVAL"
2.「グロリアス」from GLAY EXPO 2001 “GLOBAL COMMUNICATION” in TOKYO STADIUM
3.「口唇」」from GLAY EXPO 2001 “GLOBAL COMMUNICATION” in HOKKAIDO
4.「HOWEVER」」from GLAY EXPO 2001 “GLOBAL COMMUNICATION” in KITAKYUSHU
5.「春を愛する人」from GLAY EXPO 2004 “THE FRUSTRATED"
6.「BLEEZE」MUSIC VIDEO(Loppi・HMV VER.)
7.「BLEEZE」LIVE VER. FROM 六魂祭
【CD収録曲】
M1: BLEEZE
M2:BLEEZE KARAOKE VER.
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※数量限定商品につき、受付期間中であっても売切となる場合もございます
【商品番号】
Loppi・HMV限定盤
BLEEZE~Loppi・HMV×GLAY EXPO2014 TOHOKU応援チャリティエディション~
【お渡し日】
7月9日(水)
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《BLEEZE配信サイト》
【iTunes「BLEEZE~G4・III~」パッケージ配信予約販売URL】
◆iTunes
https://itunes.apple.com/jp/album/bleeze-g4-iii-ep/id888642740
【着うた®・着うたフル®配信URL】
◆dwango.jp
http://r.dwango.jp/e000Ehj0
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<GLAY EXPO 2014 TOHOKU 20th Anniversary>
【公演タイトル】GLAY EXPO 2014 TOHOKU 20th Anniversary
【場所】ひとめぼれスタジアム宮城(宮城スタジアム)
【時間】開場13:30 開演16:30(19:30終演予定)
※雨天決行(荒天中止)
GLAY EXPO 2014 TOHOKU特設サイト開設
http://glayexpo.com/pc/
【お問い合わせ】
キョードー東北 022-217-7788(平日10:00~19:00 / 土10:00~17:00)
【チケット料金】
SS席 ¥12,500(税込)
S席 ¥8,500(税込)
A席 ¥6,500(税込)
全席トーホクロッケンブレス付き
◆<GLAY EXPO 2014 TOHOKU 20th Anniversary>特設サイト
◆チケット詳細&購入ページ
◆GLAY オフィシャルサイト
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