【インタビュー】SCANDAL、横浜アリーナ直前に語るライブ論「この日限りの曲もやる……かも」

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■“明日からがんばろう!”って思ってもらいたいし
■ライブを見ている間だけはイヤなことを忘れてもらいたい

▲TOMOMI
──TOMOMIさんは、アリーナとライブハウスとの違いをどう感じてます?

TOMOMI:アリーナ規模の会場とライブハウスの違いを意識しているわけじゃないんですけど、自然と出てくる言葉や表情が変わってくるんですよね。アリーナのときは“1万人と戦うぞ”って顔をしてるし、やっぱりMCでもHARUNAはそういう言葉を言いますよね。

HARUNA:攻めの姿勢にはなりますよね。

──自然とそうなるっていう?

TOMOMI:別の種類っていうことですかね、アリーナ規模の会場とライブハウスでは中身が根本的に違う気がしますね。どっちがいいとかではないんですけど、自分がそのサイズに合った何かになっている気がしますね。さっきHARUNAが言ったみたいに強くなった気分にはなります。

──なるほど。根本的に違うという話が出ましたけれど、逆にライブハウスはここが最高!と思うところは?

RINA:もみくちゃになるところかな。知らない人同士が集まってるのに同じ音楽が好きっていうだけで、小さなハコにギュウギュウ詰めになることが苦にならないっていうのはスゴイことだなって。それが音楽の魔法で。

──確かに。特殊な空間かもしれないですね。

RINA:ライブが終わって帰る頃には“知らない人”っていう感覚が薄れて仲間意識が生まれて、何百人もの人が同じものを持ち帰っている感じが私はものすごく好きだし、さっきTOMOMIが話したことと少しリンクするんですけど、会場から飛んできた声にすぐに応えられるような距離感なので、MCっていうよりコミュニケーションっていう感覚なんです。大きい会場になると、そういうわけにはいかないから、私たちからメッセージを発信するんですけど、そういう近さもライブハウスの魅力ですよね。

HARUNA:普段、街を歩いていて汗をかくと、ちょっとイヤな気持ちになるけど、ライブハウスでかく汗は気持ちいいんですよね。身体の中にたまってる悪いものが全部出ちゃってるんじゃないかって思うぐらい(笑)。

MAMI:スポーツ的なね。あんなに大きなスピーカーの近くであんな爆音で音楽を聴くことも普段ないと思うし。これはライブハウスに限らずですけど、やっぱり、どこかで現実を忘れたいと思ってライブに行くじゃないですか。例えば“また明日から仕事で憂鬱だな”って思う気持ちがあったとしたら、“明日からがんばろう!”って思ってもらいたいし、ライブを見ている間だけはイヤなことを忘れてもらいたいですよね。ライブハウスはそれを生で感じられる場所です。

▲RINA
RINA:そう生音とか生声が聞こえるのはいいですよね。

MAMI:いいよね。音も直に感じられるのがライブハウスだと思うし、心臓に響くとか、身体がシビれるっていう感覚はクセになると思います。

──だからこそ、SCANDALはビッグスケールのライブをやるようになっても、ライブハウスに立ち続けるんですね。

MAMI:そうですね。絶対、魅力が違うから。

RINA:あと、大きい会場が全国にあるわけではないですよね。私は奈良県出身なんですけど、大阪まで電車で1時間かからずに行けるんです。でも、学生にとって何千円もするチケットを買うのは大変なことだし、帰りも遅くなるとお母さん心配やろうし、いろんなリスクがあるのは自分も学生だったからわかるんですよね。なるべく、みんなの家の近くまで会いに行きたいっていう気持ちがすごく強いんです。だからライブハウスは続けていきたいですね。

──ちなみにアリーナクラスの会場では楽器やそれにまつわる機材も変わるものですか?

TOMOMI:私は基本、どこで弾くときも一緒ですね。変えないです。

HARUNA:うん。そこに何かがプラスされることはあるけど、基本的にはみんな変えていなくて。

RINA:3人はイヤモニがプラスされるんじゃない?

MAMI:そうだね。ライブハウスでは足下のモニタースピーカーで音をとって、RINAとHARUNAはイヤモニをしてるんですけど、アリーナになるとMAMIとTOMOMIもイヤモニを使います。やっぱり全然感覚が違いますね。

TOMOMI:あと、ギター&ベースの3人は広い会場ではいろんなところに行けるようにワイヤレスでやってますね。アリーナクラスのライブはそういうステージングも魅力のひとつです。私たちの場合、いろんなところに動きたいので、それが可能なようにストレスフリーな状態でやっています。

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