【ライブレポート】LEGO BIG MORL、熱狂ワンマンでファンと分かち合った“おかえり”と“ありがとう”の瞬間

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1年前の2月。彼ら4人の想いは、4月11日から始まるツアー<lego big morl Spring Tour 2013 “Something New”>へと真っ直ぐに向っていた。

◆<lego big morl Spring Tour 2013 “Something New”> 4月11日@代官山UNIT 画像

しかし。時に運命は残酷なモノである。
ギタリストのタナカヒロキが、スタジオから帰る途中の事故によって右手首を骨折し、東名阪で予定されていたツアーは中止を余儀なくされたのだ。こんな運命を、誰が想像していただろう………。

病室からファンやメンバーやスタッフに対し、謝罪の言葉と、完治まで必死でリハビリに励むことを書いたメッセージを送り、ステージへの復帰を誓ったタナカ。そんなタナカを、カナタタケヒロ(Vo&G)、ヤマモトシンタロウ(B)、アサカワヒロ(Dr)は陰ながら支え、復活のその日の為に、それぞれがそれぞれの想いでlego big morlを支えたのである。

そして。2014年1月24日。アマチュア時代から交流のあるflumpoolとの対バンで復活した彼らは、その後、新たな環境で、LEGO BIG MORLとしてのスタートを切ったのだ。そこから約3ヶ月後の2014年4月11日。1年前に予定されていた同じ場所であった代官山UNITで、彼らはこの日、<LEGO BIG MORL Spring Tour 2014 “Something New” ~雪辱編~>と題したライブを行い、この日を待ち望んでいたファンたちとの再会を果たしたのだ。

始まりは「Wait?」。彼らは、再会を果たしたその場所の始まりに、活動休止を余儀なくされたその時の想いから生まれた曲を置いていた。苦しく、悔しく、やりきれなく、どうしようもなく不安だった想いがリアルに伝わってきたこの曲は、痛いほどに突き刺さってきた。そこから間髪入れずに届けられた「絶望は希望よりも美しい」への流れは、“その時期”に感じた彼らの想いの全てが詰め込まれた、紛れもない彼らの赤裸々な叫びでもあった。オーディエンスはそんな彼らの叫びを、しっかりと受け止めながら、待ちわびたその瞬間に想いをぶつけ、最高のノリで彼らの音に応えていった。

「同じ日に、同じハコでやることが出来ました! 新しい曲、いっぱいやっていきますんでよろしくです!」

カナタの言葉に精一杯の声で応えるオーディエンス。事故から丸1年。ここに居るすべての想いが、この瞬間を作り上げたのだと思った。最高のループ感と最高のグルーヴがフロアを盛り上げ、力強く掲げられたオーディエンスの右手と最高の笑顔が、その場所を“最高”の時間へと導いた。

神様は、乗り越えられない試練は与えない。

そんな言葉を耳にしたことがある。この日の彼らを見ていて、そんな言葉が頭をよぎった。彼らにとって、あまりに残酷に思えた出来事とこの1年という時間は、LEGO BIG MORLというバンドが1つ上のステップに上がるために必要不可欠な時間だったのかもしれないと――。ときおり、中央に集まり、互いに向き合って音をぶつけ合う4人。個々の音が1つになり、LEGO BIG MORLの音として放たれるその瞬間に、いままで以上の深い感動を覚えたのは私だけではなかったはずだ。曲中に、マイクレスで“ヒュ~ッ!”と声を上げたカナタ。込み上げる感情が思わず口から出てしまったのだろう。まさに、これぞライブの形。オーディエンスも、そんなカナタの声を真似て“ヒュ~ッ!”と返しながら、その音に体を揺らした。

“ザッツ・LEGO BIG MORLサウンド”と言っても過言ではない「ドリルドリル」では、タイトなアサカワのドラミングとリズミックなヤマモトのベースフレーズ、ループするタナカの印象的なギターフレーズにオーディエンスは体を委ね、うねりを上げるサウンドのど真ん中を突き抜けるカナタの歌声に手を伸ばし、その言葉の中に置かれたメッセージを、自分たちの中に必死で引き寄せていたようだった。クライマックスを迎えたのは「cinderella syndrome」、「ワープ」、そして「RAINBOW」が畳み掛けられるように届けられたそのときだった。彼らが与えられた運命を乗り越えた証がそこにはあった。この日、ここで聴いた「RAINBOW」を、きっとオーディエンスは忘れることはないだろう。そしてもちろん彼らも。この曲をこの日、ここで届けられたことを、深く噛み締め、心に刻んだことだろう。

こんなにも待っていてくれたんだ――。

4人はきっと、自分たちの音に体を揺らすオーディエンスを目の前にして、そう実感していたに違いない。もちろん、この日を待ち望んでいたのはオーディエンスだけではなく彼らも同じ。4人は、オーディエンスの立場に立ち、手放しで楽しんでもらうことを第一に考え、この日にみんなに聴かせたくて作った新曲はもちろんのこと、新旧のバランスを見ては、何度も何度も曲を入れ替え、並べては組み直し並べては組み替えし、ベストな並びのセットリストを考え、この日のライヴに備えていたのである。

そして。彼らはライブの後半に、“また4人でステージに立てる日”を胸に抱きながら作り溜めていた新曲を3曲プレゼントしたのだった。

「俺ら、これからもずっとバンドやっていきます!」

最後にそう叫んだカナタ。オーディエンスは、最高の時間をくれた4人に“おかえり”と“ありがとう”のこもった拍手を贈った。 “雪辱編”というサブタイトルに込められたリベンジは、新しいモノを提示していくというコンセプトを掲げた“Something New”という言葉を、より深みのあるモノへと押し上げていたように思う。1年前に叶えられなかった同じ日、同じ場所でのライヴは、LEGO BIG MORLの新たな始まりの日となったと言えるだろう。

文◎武市尚子
写真◎AZUSA TAKADA



『ニューシングル「RAINBOW」発売記念!LEGO BIG TV Vol.5 ニコ生出張編』
2014年5月1日(木)21:00~
番組URL:http://live.nicovideo.jp/watch/lv177035740

New Single
「RAINBOW」
2014年4月30日発売
AZCS-2034 ¥1,200(tax out)
3曲入りシングル
1.RAINBOW
※アニメ『ブレイドアンドソウル』エンディングテーマ
2.絶望は希望よりも美しい
3.Star+?

<Niigata Rainbow ROCK Market 2014>
5月4日(日) 新潟・新潟市内8会場
<VIVA LA ROCK>
5月5日(月) 埼玉 さいたまスーパーアリーナ
<SUPER BEAVER「361°」Release Tour 2014~周回する、ラクダ~>
5月11日(日)愛知・名古屋CLUB UPSET
<chaqq presents「ヨーイドン!vol.10」>
5月29日(木) 大阪 心斎橋JANUS
<DIRTY OLD MEN Blazing TOUR 2014>
6月22日(日) 宮城 仙台LIVE HOUSE enn 2nd
<読売テレビ「音楽ノチカラ 3rd LIVE-ITUZAI2014-」>
6月24日(火) 大阪・Zepp Namba
<ネコフェス2014>
6月29日(日) 兵庫 神戸地区


◆ LEGO BIG MORL オフィシャルサイト
◆ LEGO BIG MORL Twitter
◆ LEGO BIG MORL Facebook
◆ LEGO BIG MORL オフィシャルYou Tube
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