【インタビュー】石川智晶、ミニアルバムは独自の世界を凝縮「リアルな部分と現実離れした世界を、ちょっと融合して歌詞は書いているんです」
■歌と歌詞がディープなおかげで、1曲1曲が濃いんですよ。だから5曲で良かったなぁって。
――続く「私は想像する」や「来世で会いましょう」も、かなり振り切った曲ですもんね。前者はループに絡む多重コーラスが不気味で、遺伝子まで持ち出す歌詞と相まって怖いくらい。
石川:昆夏美ちゃんが歌っていたオリジナルは、21歳の色気と健全さが備わってましたけど、私のほうは健全さが全くない(笑)。もともとは彼女の若さを想定して、いろんなものを好きなようにチョイスしていった結果、普通の人になってしまうのは嫌だから、むしろ汚いものを入れるよ……っていう歌になってるんですね。
石川:いや、「来世で会いましょう」っていうのは、体のいい見切りの言葉なんですね。来世なんて無いんだから、つまり、もう二度と会わないってことで、持っているもの/やっていることを全て捨ててしまう美しさ、爽快さってあると思うんですよ。人って無くすことを極度に恐れるけど、全部を無くしたって人生は終わらない。むしろ何かを新しく始めるときは、一つ二つ残したままではできないわけで、そういう摂理が地球上にはある気がするんです。もちろん世の中には捨てるのが御法度なものもあるけれど、全てを捨てたときの気持ち良さを音楽で、フワリと伝えられればいいなぁと。
――ちなみにイントロにはラテン語のような声が重ねられていて、そういった何を歌っているのか判然としないコーラスが石川さんの歌には多いですけれど、実際はどんな言葉を発しているんでしょう?
石川:『戦国BASARA』関係の曲では仏教の言葉を入れたり、以前は般若心経を後ろから読んだりしたこともあります。武将の世界って殺し合いが多いから、弔いの意味も籠めて。あとは世界の天使の名前を羅列してみたり、ちょっと変な雰囲気が出るようにはしてますね。コーラスを重ねるのって時間も手間も掛かるんですけど、それが好きだし、自分の色でもあると思うんです。
――そこに妖しく、摩訶不思議な石川智晶ワールドが生まれるわけですが、よくよく聴くと楽曲自体はコンパクトでキャッチーなんですよね。
石川:でしょ? それなのに歌と歌詞がディープなおかげで、1曲1曲が濃いんですよ。だから5曲で良かったなぁって。今度からソレを売りにしていこうかな。フルだと濃すぎるからミニにしました!って(笑)。
――確かに(笑)。4曲目の「Natural」にしても、聴かせていただいて正直どこがナチュラルなのかと……。
石川:そうなんですよ! 2月のディナーショーで先にプレゼントさせてもらったら、ファンの方々も言ってました。「ナチュラルがどこにあるのかわからない」って(笑)。じゃあ、何がナチュラルか? というと、そのときの気持ちをあまり脈絡も考えずに、そのままナチュラルに書いているってことなんですよ。だから理解は全然求めていないんですけど、じゃあ、何も伝わらないかといったら、そんなことなくて。聴いていて自然に涙が出たという人もいたので、やっぱり感触なんじゃないですか?
石川:うん。だと思う。私がよく言ってるのが“昨日の私は他人”ってことで、その瞬間に感じたことを素直に出していくのが、一番良いと思っているんですよ。前に言ってたことと矛盾してる! っていうクレームが来たとしても、その瞬間の真実なんだから自信を持って提示すれば、そのほうが安心して聴いてもらえる。ファンの方々は私に“安心”を求めて来てくださっているんで、人前で話すときも“きっと”とか“もし”とかっていうあやふやな言い回しはしないようにしてますね。皆さん音楽だけじゃなく、私という人間を丸ごと観に来てくださっているので。
――つまり、それだけ石川智晶の音楽には、その人間性まで濃厚に反映されているということですよね。来たる東名阪ライブもタイトルからして“裏窓からみえるモノ”と、何やらイケないものを覗くような感覚があって、そう考えると石川さんの音楽って禁断の世界なのかもしれない。
石川:そうですね!! だから私って、昔から異色な場所にいるんですよ。アニソンのイベントでも、それまで立ち上がってサイリウムを振ってた人たちが、私の出番になると座ってジッと聴き入ったり(笑)。それも別に拒否してるわけじゃなく、安心して観られるちょっと二次元な感じっていうところですかね。それで奥さんを連れて来たり、旦那さんを連れて来たりっていう広がりがあるので、やっぱりライブに来てくださるのは大人の方が多いです。
――しかし、これだけ独特の存在であるところに“安心”を求めて来られると、それに応えるのが辛くなることはありません? たまには全然違うことをしてみたいとか。
石川:全く無いです。逆に私って、一つのことしかできないんですよ。その一つを見つけるまでに時間は掛かったけれど、見つかったらソレが心地いいし、尽きることなく今後も続けられるなと思える。だから、どの曲を聴いても“これが石川智晶なんだ”ってわかるだろうし、それが石川智晶の強みでもあるので、まずは『前夜』から入っていただいて。ちょっとでも“なんだろう?”って気になったら、会いに来てほしいです。そうすれば、なんとなく点が線に繋がるでしょうから。
取材・文●清水素子
ミニアルバム『前夜』
2014年3月5日発売
DDCZ-1940 税込価格¥2,100
【収録曲】
1.青の中の青
2.私は想像する
3.来世で会いましょう
4.NATURAL
5.前夜
<石川智晶公演情報>
■裏窓からみえるモノ~前夜~
2014年6月14日(土) 東京日本橋三井ホール
Open 16:30 Start 17:30
全席指定 ¥6,000(税込・ドリンク代別)
問:HOT STUFF TEL 03-5720-9999
▲BARKS×TICKET DELI
QRコード
[受付・支払期間]
2014年2月17日(月)12:00~3月12日(水)23:59
受付URL:BARKS×TICKET DELI http://ticket.deli-a.jp/
※本公演の受付は先着販売となります。予定枚数に達し次第、受付終了となります。
※お申込みは1回のみです。
※お申込み完了後の変更・キャンセル(取り消し)はできません。
※初めてチケットデリをご利用される場合は新規会員登録(無料)が必要です。
ご利用ガイドをご確認の上、お申込みください。
■裏窓から見えるモノ
2014年3月8日(土) 名古屋ダイアモンドホール
全席指定 ¥5,800(税込・ドリンク代別)
問:サンデーフォークプロモーション TEL 052-320-9100
2014年4月6日(日) 大阪IMPホール
全席指定 ¥5,800(税込)
問:GREENS TEL 06-6882-1224
<石川智晶album「前夜」発売記念イベント>
3/9日(日)「アニメイト金山 握手サイン会」 開場12:30 開演13:00
3/16日(日)「アニメイト秋葉原店 トーク&握手サイン会」開場14:30 開演15:00
3/30日(日)「アニメイト渋谷店 握手サイン会」開場13:30 開演14:00
3/9日(日)「タワーレコード梅田UN茶屋町店 トーク&握手サイン会」 開演時間:19:00~ 場所:タワーレコード梅田NU茶屋町店イベントスペース
3/23日(日)タワーレコード新宿店 トーク&握手サイン会」 開演時間:18:00~場所 タワーレコード新宿店 7Fイベントスペース
アニメイト発売記念イベント参加方法、詳細はこちらへhttp://www.chiakiishikawa.com/pc/
◆石川智晶 BARKS特集ページ
◆BARKS×TICKET DELI
◆石川智晶 オフィシャルサイト
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