【座談会】どうするどうなる!?夏の魔物2014
2006年から青森県を舞台に毎年開催されているロック・フェス「AOMORI ROCK FESTIVAL -夏の魔物-」が7月21日(月・祝)に開催されることが発表された。ロック・バンドとアイドルが同じ舞台に立つという今では当たり前になっている光景も、早くから見ることが出来た「夏の魔物」。今回で9回目を迎えるこの“サブカルチャーの奇祭”について主催者の成田大致を中心に、「夏の魔物エンタメユニット・DPG」のメンバー、福田洋と細身のシャイボーイを交えて話を聞いた。
<座談会出席者>
成田大致…「AOMORI ROCK FESTIVAL -夏の魔物-」主催者
福田洋…プロレスラー。DPGリーダー、ボーカル担当。通称“Mr.パーフェクト”
細身シャイボーイ…シンガーソングライター。DPGでギター、MCを担当
■カルチャーがミックスされていてキャスティングは豪華っていう
■もう2013年が完成形だったというかこれ以上はないなと思いました
――<AOMORI ROCK FESTIVAL -夏の魔物->が2014年は7月21日(月・祝)に開催されることが発表されました。例年より早い開催になりましたね。
成田大致(以下・成田):これまでも開催時期は結構変わっていて、たまたま2013年、2012年と9月開催になっていただけで、本当は真夏に戻したかったんです。“夏の魔物”と謳ってるくらいですから(笑)。ただ他の夏フェスとの兼ね合いもあって戻せなかったんですよね。
――バッティングを避けてというのもあって。
▲成田大致
――2013年の「夏の魔物」が終わってから考えていたことなんですか?
成田:2013年は達成感が今までとは違ったんですよ。2013年終わってからアントンさん(夏の魔物でMCを務めるプロレスラー、アントーニオ・本多)と話してたのが「今回は“謎の最終回感”があった」ということなんですよ。できることをやりきったというか。運営を見直して、時間も押さなかったですし。カルチャーをミックスさせるとか、やりたいことをやりきってしまって本当にこれ以上やれることがないな、と思って。
――でもまだまだ出演して欲しいアーティストもいるんじゃないですか?
成田:そうなんですけど、正直オファーしても大人の事情で出れない方々もいて。その壁は越えられてないんですけど、壁の中でやれるMAXは全てやってしまったんじゃないかと思ってるんですよね。
▲福田洋
成田:ダハハハハ!
細身:ライヴは最高に楽しかったですけど、“最終回”みたいな雰囲気は確かにありました。
福田洋 (以下・福田): 僕はその時、戦うことしか考えてなかったから。
細身:なんかこの人、全部終わってお客さんが帰る道に沿って、敵のプロレスラーと戦ってるんですよ(笑)。
福田:めんそーれ親父とワンチューロというレスラーと戦ってました、青森の広大な自然を使って。もうフェスは全部終わってるんですけど(笑)。最後は戦いながら山まで行きましたからね。お客さんが1人になるまで。
――狂ってる(笑)。確かにみなさん完全にやりきってますね。
細身:あれが大致さんのやりたいことだったのか(笑)!?
成田:ダハハハハ!でもDPGが開場時間に出迎えたりとか、祭り感が凄く良かったよね。
▲DPG
成田:そうそう。カルチャーがミックスされていて、橋渡し的にDPGがいて、キャスティングは豪華っていう。もう2013年が完成形だったというか、これ以上はないなと思いましたね。ゴールデンボンバーの歌広場淳さんや、森山未來さんまで当日飛び入り出演してたし、なんだったのか未だに理解不能ですよ(笑)。
――2013年、「夏の魔物エンタメユニット」として結成したDPGの存在がデカいですか?
成田:デカいですね。フェスの色がユニットにそのままなってるんで。現場でもDPGのメンバーが色んな所に顔を出してたんで、会場の雰囲気が良かったんですよね。俺がバンドをやってた時は、それがチグハグだったんで、「ハテナ?」って感じだったんです。DPGが出来たことでそのハテナが取れたというか。「なるほど、これか」と。だから去年はDPGによる「夏の魔物 第0回」っていう感じでした。
――それが去年発見できたのに、最終回感があったというのは?
成田:物語の節目みたいなものを感じたんですよね。それとフェスを拡大しすぎて、このまま行くとPRIDEとかK-1みたいに終わってしまうんではないかと(笑)。豪華になっていく喜びがある反面、赤字が続いているというのもありますよ、ぶっちゃけ。パッと見は大成功に見えてると思うんですけど、内情はそうじゃないですから(笑)。
――パッと見たら儲かってるように見えてるかもしれないですね。
成田:見えるんじゃないですか?でも儲かってなんかないですよ!2013年は「1万人動員(主催者側発表)」ってしても良いくらい、実にフェスっぽかったですけどね(笑)。細身は2012年も出てるから違いがわかると思うけど。
▲細身シャイボーイ
成田:でも大赤字なんですよ(苦笑)。
――なのに世間的には「成田大致はお金持ちだからフェスがコケても痛くもかゆくもないんじゃないか」みたいな。
成田:嫌ですよ、コケたら!俺だって痛いですよ(笑)。とにかく今年は一回リセットして、原点に戻りたいです。
――2013年はフェス終了後に完全に“燃え尽き症候群”だとおっしゃってましたよね。
成田:今やってるDPGのイベントが熱いんで、2つのラインを走らせることが出来なかったんですよ。
細身:大致さん、今年やらないと思ってたもん。
福田:今はテンション高いんですか?
成田:今はテンション上がってきたし、滾ってるよ。“DPGの為にやる「夏の魔物」”だって思ってるから。
細身:確かに、DPGのイベント自体が既に夏の魔物みたいになってるし、大致さんのやってることは何もブレてないとは思う。
福田:僕のイメージでは、普段やってるDPGのハウスショーは「テレビ版」で、DPGナンバーシリーズは「テレビスペシャル」、夏の魔物は「劇場版」なんですよ。1話完結の特別編というか。
成田:DPGのハウスショーからの流れで、去年はお客さんにMr.パーフェクト・福田洋とか、細身のシャイボーイ、大内ライダーっていう人物が認識されたと思うし、また夏の魔物で会いたいって思ってもらえたんじゃないかと思います。
福田:朝、コテージでコスチュームに着替えて車で会場に向かう途中でも、お客さんが「あ!本物だ!本物のMr.パーフェクトだ!」って叫んでるんですよ。
細身:もう、ミッキーマウス気分だったよね。大致さんがみんなに僕達を紹介してくれたという意味で確かに2013年は“第0回”だと思いますし、2014年は初めて腰を据えて、大致さんのやりたいことに協力してできる第1回ということで楽しみですね…でも7月ってすぐなんだよなぁ(笑)。
――“燃え尽き症候群”から2014年の開催にこぎつけたモチベーションってどこにあったんですか?
成田:“夏の魔物に戻ってきたDPG”という絵を思い浮かべたりして、やっぱりやるべきだなと。本当は東京開催とか2回開催とか色んな案が出てたんですけど、結果選んだのが原点に戻って、DPGと最初から青森でやるということだったんです。
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