【ライブレポート】SuG、復活の代々木競技場第二体育館ライブ。「1年前、約束した言葉をいいたいと思います」

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SuGが2013年12月29日に開催したライブ<SuG onemanshow 2013 “update ver.0”>。本記事ではその詳細ライブレポートをお送りする。

◆SuG ライブ写真

SuG、ここに完全復活──本当に復活するの? メンバーは全員いるの? 人気はまだあるの? 復活したら活動は続けていくの? ……あらゆる不安要素、そのすべてを豪快に吹き飛ばしてくれるじつに爽快なライヴだった。

2012年12月29日、東京・国立代々木競技場第二体育館で開催した<SuG Oneman Show 2012『This is O』>をもってバンド活動を休止し、同時に当時所属していた事務所からも離脱したSuG。あれから1年。2013年12月29日、同じ代々木競技場第二体育館のステージに、SuGは戻ってきた。

「1年前、約束した言葉をいいたいと思います。(活動休止からの)復活、楽勝でした!!」
(武瑠)

SuG復活ライブのチケットは発売されると同時に1分でSOLDOUT。復活を待っていたのは日本のファンだけではない。そのため、この日のライブは台湾、香港、タイ、シンガポールなどのアジア各国にもライブビューイングで生中継されていた。

1年間ブランクがありながらも彼らの人気は衰えるどころか、さらに勢いを増していた。開演前に機材トラブルがあり、30分押しでライブはスタート。白い幕の向こうに浮かび上がる5人のシルエット。ピアノの伴奏から始まった曲は「0 song」というバラード曲。1年前、最後に流れていた未発表のあの曲を彼らが生演奏で歌い始めると、1年前と同じように客席ではファンが号泣しだす。いつ復活するかも分からず待っていたときのつらさ、それでもSuGが忘れられなくて……様々な思いが涙に混ざって頬をつたう。でも、あの日の涙となにかが違う。“歌い続ける”という歌詞、この日は希望的観測ではなく揺るぎない決意として届いてくる。だから、今日の涙は嬉しさが半分混ざったあたたかい涙に思えた。だが、そんな涙なんて吹き飛ばしちゃえよといわんばかりの勢いで音玉がいきなり爆発。白い幕が下りてメジャー・デビューシングル「gr8 story」がスタート。5人が、目の前にいる!!2曲目の「Life 2 Die」で舞台後方にメンバーの顔がアップで映し出されると、改めて場内に悲鳴が響き渡る。そして、誰もが待っていた。武瑠(Vo)のこの日の第一声。会場が割れんばかりの声援に包まれた。

「こんばんは、SuGです。(両手を広げて)ただいまー!(観客「お帰り~」)」

この言葉をみんなにいいたかった。この言葉をメンバーにいいたかった。ステージと客席、1年分待たされた時間という距離が、この瞬間一瞬にして縮まった。武瑠が続ける。「今日はみんないいライブを期待してきたでしょ? 俺らそれを全力で裏切ります(観客「えぇ~っ!」)。もっともっとぶち抜けたヤバいライブやるからついてこいよ」と宣言した後は高速タオル回しソング「39GalaxyZ」、Chiyu(B)のラップも聞けるSuG流ジャパネスクソング「武士道―bushido―FREAKY」と続け、ダンサーを交えながらヘドバンにジャンプにシンガロングで場内の一体感を急激に高めていく。このポップにもヒップホップにもパンクにもヴィジュアル系にも染まらない自由な音楽センスこそ、SuGオリジナル。

masato(G)とshinpei(DS)のインストセッションを挟んだあとはもっと踊りまくれといわんばかりに「mad$hip」では武瑠がダンサーと踊りを披露、それに応えて曲のアウトロではshinpeiが笑顔でバスドラを高速連打!!「R.P.G.~Rockin’Playing Game」からの「小悪魔Sparkling」はオイコールに手拍子、SuGのライブならではの楽しくて可愛らしい振りつけでメンバーに負けないぐらいオーディエンスが音と一つになって笑顔満載の素敵なライブ空間を創り出す。SuGのライブは客席にも絶景が広がる。この景色もまた、他のどこにもないオリジナル。「いいな、東京!」、武瑠の口からそんな言葉も飛び出した。

1年前のSuGと、いまのSuGでは歌が格別に変化していた。それを痛感したのが「無条件幸福論<album version>」、「口約束」と、静かな曲を届けた場面。ブレスを多めに混ぜた声からエモーショナルに振り切るハイトーンまで幅広い声色を使うことで、せつない気持ちをいままで以上に切実に、よりダイナミックな表情をつけた歌で届けられるようになった武瑠。客席は誰一人動こうとせず、みんなが歌詞の欠片一つも逃さぬように、ものすごい集中力で彼の歌に耳を傾けていた。

この後はyuji(G)とChiyuのセッションを挟んで「Lollipop Kingdom」「Pastel Horror Yum Yum Show」、武瑠がギターを弾く「Howling Magic」までSuGのダークファンタジーワールド全開!!  LEDの映像とリンクしてシアトリカルに展開する曲たち。このようなホラーな絵本を見ているような世界観を音と視覚を総動員して創り上げるところもまた、SuGの音楽表現の一つ。どんなSuG、どの曲のSuGを知ってるかでこれほどバンドイメージが変わる人たちも珍しい。こうしてSuGが築き上げてきた彼らの音楽性、その多彩な顔ぶれを惜しみなく披露したあとは「残り3曲、思いっきりぶち上がっていこうぜ! 1年分だぞ、1年分!」という武瑠の合図でここからはライブ人気曲3連発。まずは「Toy Soldier」。メンバーをアメコミにした映像をバックに、観客の手拍子、イェッサーの合い言葉、メンバーがギターをライフルに見立てて打つポーズ。やっぱりこういうのはSuGでしか楽しめないんだよ!「寂しい思いさせたけど、この景色で帳消しだよな!」「この歌、お前らと歌いたかったぞ」。曲中、武瑠がこぼれんばかりの笑顔を浮かべて叫ぶ。「次はみんなが大好きな曲」といってはじまった「☆Gimme×Gimme☆」。「いっせ~の~で」という武瑠の合図でオーディエンスの歌声が場内に響く。そして「ラストいけるか~。全員で叫べ~」といって始まったのは「不完全Beautyfool Days」。リズミカルな観客の手拍子がバンドを盛り上げ、メンバーはステージから激しく応戦。そして、サビの最後はこの日一番のジャンプをオーディエンスがきめて、本編は終了。

すぐさまアンコールを呼ぶ声が場内に鳴り響く。客席にはファンが用意したSuGフラッグと、メンバー5人の似顔絵にファンがそれぞれ手書きで彼らに「ありがとう」や「お帰り」などのメッセージを書き綴った横断幕が5枚出現。ファンからSuGに向けて届けられたサプライズプレゼントだ。しばらくするとメンバーがステージに再登場。まずは活動休止前ラストとなったシングル「sweeToxic」、そして「Vi-Vi-Vi」とグルーヴィーでモダンなダンスチューンを軽やかに披露。そのあとは「せっかくなんでメンバーからコメントを」という武瑠の言葉に即され、メンバーがいまの心境を語る。

「ライブ始まって同機のボタンを押したら、歓声ががすっごい聞こえたのね。それがすげぇ嬉しくて。(泣きながら)こんなステージをみんなと作れて幸せです」(shinpei)

「垂れ幕があったり、季節外れのサンタもいたり。俺はみんなの顔を全部見る覚悟でステージに立ったんだけど。みんなの顔見たときに頭のなかのモヤモヤがやっととれた。これからもみんなと歩んで行きたい」(Chiyu)

「(活休中はずっと『相棒』ばかり見ていたと武瑠に暴露され)はい?(←右京サンのモノマネ)。あと、ふなっしーね(笑)。あのなかにも入ってた(←といって、ふなっしーの動きをモノマネ)」(yuji)

「1年前にここに立ったときは“小さいね”っていったんですけど。なんで小さいかっていったら、これだけ埋め尽くす人々が来てくれてるからこそ。今後も行くところすべてで小さいねっていえるよう、みんなといい景色を作っていきたいと思います」(masato)

「いろいろ考えてたんだけど“楽しい”しかいえねぇや。楽しすぎて久しぶりに表情筋がつりそうになった」と話す武瑠。そして「次にやる曲は“そこにあるものがない”という意味。この1年間の思いをすべてつめこんだので。感じて下さい。聴いて下さい。暴れて下さい」といって始まったのは2月19日にリリースされる復活第1弾シングル「MISSING」。重たいリズム、激しいギターリフで押していく硬質なハードチューンをここで初披露。そして1年前のアンコール。「“楽勝だった”といえるように頑張るから」とファンと約束を交わした武瑠が、その約束を果たす言葉を告げた。だが、本音は違うところにあった。

「“楽しい”っていうのって、こんなに辛いのかと思いました。ここまで真剣に生きてないと楽しいといえないのかと。活休中、なにも楽しくなかった。音楽も聴けなくなって。SuGも聴けなかった。どんどん人の成功を喜べなくなってって、そんな自分が嫌いになった。悩んで、悩んで。それでやっとSuGの曲聴いて。“楽勝でした”って今日いえたのは、俺たちがどうなるかなんて分からなかったのにそんな俺たちを待っててくれたみんながいたから。そんなみんなと、SuGを作ってくれた人々と、この先どうなるか分からない自分たちにすべてを投げ捨ててついてきてくれたマネージャーと、これから力を貸してくれる新しい仲間たちにありがとうといいたい」

武瑠の頬を流れていく涙。ファンもタオルで涙を拭いている。みんな同じ思いだった。「今日のために作ったんじゃないかと思える特別な曲を」と武瑠がいって始まったのは「dot.0」。あまりにもいまの自分たちにシンクロしすぎの歌詞、武瑠の歌が何度も詰まる。それでも頑張って歌を伝えようとする武瑠の背中にmasatoがそっと手を添える。

「2014年はもっともっと強くなるから、もっともっとカッコよくなるから」と武瑠がいって、最後はホーンセクションを交えて「LOVE SCREAM PARTY」で打ち上げ、「ときどきすてきなこのせかい」ではハートの紙吹雪を紙飛行機のように客席に降らせ、ライヴは終了した。

終演後はスクリーンを通して復活第1弾シングル「MISSING」のPVのショートver.を初披露。そして、このシングルを掲げて3月9日、渋谷WWWから全国ツアーを開催すること、さらに4月1日からアジアツアーも行い、その後5月6日にはなんと日比谷野外音楽堂でライブを行うことを発表した。

──SuG is BACK!!

文◎東條祥恵

ニューシングル「MISSING」
2014年2月19日発売
初回盤A【CD+DVD】
¥1800(税込)
【CD】
1. MISSING
2. Rolling!!
【DVD】
MISSING-Music Video-他収録予定

初回盤B【CD+DVD】
¥1800(税込)
【CD】
1.MISSING
2. Rolling!!
【DVD】
Rolling!!-Music Video-他収録予定

■通常盤【CD Only】
¥1200(税込)
【CD】
収録曲未定

☆初回生産分のみトレーディングカード全10種内1枚封入。
☆全形態「全国イベント参加券」封入

<LIVE>
SuG初の日比谷野音でのワンマンライブが決定!
5月6日(火,祝) 日比谷野外大音楽堂
開場/開演:16:15/17:00
2014年3月9日(日) 一般販売開始
問合せ:ディスクガレージ050-5533-0888(平日12:00~19:00)

<SuG TOUR 2014 ”un-MISSING">
3月9日(日) 東京・渋谷WWW(FC限定)
開場/開演:17:00/17:30
問合せ:ディスクガレージ 050-5533-0888(平日12:00~19:00)
3月14日(金) 高松DIME
開場/開演:18:00/18:30
問合せ:夢番地(岡山) 086-231-3531(平日11:00~19:00)
3月15日(土) 広島ナミキジャンクション
開場/開演:17:00/17:30
問合せ:夢番地(広島):082-249-3571(平日11:00~19:00)
3月17日(月) 福岡DRUM SON
開場/開演:18:00/18:30
問合せ:キョードー西日本 092-714-0159(平日10:00~19:00)
3月18日(火) 熊本Be-9 V2
開場/開演:18:00/18:30
問合せ:キョードー西日本 092-714-0159(平日10:00~19:00)
3月21日(金) umeda AKASO
開場/開演:16:45/17:30
問合せ:キョードーインフォメーション06-7732-8888(毎日10:00~19:00)
3月22日(土) 名古屋E.L.L(ElectricLady Land)
開場/開演:17:00/18:00
問合せ:サンデーフォークプロモーション052-320-9100(全日10:00~18:00)
3月25日(火) HEAVEN'S ROCK さいたま新都心
開場/開演:18:00/18:30
問合せ:ディスクガレージ 050-5533-0888(平日12:00~19:00)
3月28日(金) 札幌KRAPS HALL
開場/開演:18:00/18:30
問合せ:WESS 011-614-9999(平日11:00~18:00)
3月29日(土) 仙台darwin
開場/開演:17:00/17:30
問合せ:キョードー東北022-217-7788(平日10:00~19:00/土曜10:00~17:00)
4月5日(土) 新潟RED
開場/開演:17:00/17:30
問合せ:キョードー北陸チケットセンター 025-245-5100(平日10:00~18:00/土曜11:00~17:00)
4月6日(日) 金沢AZ
開場/開演:17:00/17:30
問合せ:キョードー北陸チケットセンター 025-245-5100(平日10:00~18:00/土曜11:00~17:00)
チケット発売日:2014年2月9日一般販売開始

<SuG ASIAN TOUR 2014 ”un-MISSING">
4月19日(土)【台湾】the WALL
4月20日(日)【香港】E-MAX
4月26日 (土)【韓国】Soundholic city
4月27日 (日)【韓国】Soundholic cit

◆SuG オフィシャルサイト
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