【インタビュー】√9(ルートナイン)「離れている人に対して、俺は仕事して頑張って大丈夫だから、俺のことを好きって言え!みたいな曲なんです」
現役サラリーマン3人で結成された√9。愛する人の待つ家に帰るときのホッコリした気持ちが伝わるデビュー曲「HOME」や、小林麻耶がPVに出演した「杏里へ」、“あなた”への思いをひたすら綴った告白ソング「好きだ。」など、等身大のラブソングを描いて来た彼ら。最新作「愛してると叫べ」では、離れている愛する人に向かって、「愛してる」と言ってほしい思いを男らしく描いている。リーダーの田中寿が、曲に込めたリアルな思いを語る。
■僕はある一人の人を思って書いているんです。妻なんですけどね
■たまには俺のことを愛してるって叫んで欲しいなぁと
――今回の新曲「愛してると叫べ」はかなり九州男児的な強さのあるラブソングですね。なぜこんな曲が生まれたんですか?
田中寿(以下、リーダー):過去の楽曲が、「アイシテルヨ」とか「好きだ」とか、「sweet heart」とか、女性の言うことを聞く男性だったんですが、たまにはこういうのも良いかなって(笑)。僕はある一人の人を思って書いているんですが……。まぁ、それは妻だったりするんですけどね。たまには俺のことを愛してるって叫んで欲しいなぁと。
――この曲を聴いている人に向かって愛してると叫べと訴えているわけではなく、離れている愛する人に愛してるって叫んで欲しいという曲なんですね。
リーダー:そうです。なので、歌詞中の“とおいからあえないって涙するじゃねぇ”って言うのも、離れている人に対して、俺は仕事してちゃんと頑張っているから、大丈夫だから、いいから俺のことを好きって言え!みたいなそういう曲なんです。
――さだまさしさんの「関白宣言」的なニュアンスなんですね。
リーダー:そうですね。作っているときはちょっと意識したかな。僕の奥さんは沖縄の石垣出身なんですが、遠いので帰省するときは2ヶ月くらい帰って来ないんですよ。そういう寂しい時に筆が進むんです。この曲もそういう時にできました。
――これからクリスマスとバレンタインがありますし、女性から男性に向けて“愛してる”と叫ぶイベントが多い季節でもあります。“愛してる”って言って欲しい女性にそれとなくアピールするには最適な曲ですね。最近は、男性が草食系なので、ここまで上からの男性は少ないんですが、本当は好きな女性に対して“愛してると叫べ!”くらいは言いたいんでしょうか。
リーダー:だと思います。ネタは僕の頭の中にある実体験なので、如実にその時の気分が言葉になるんです。「愛してると叫べ」を書いたときは叫びたかった。あと、女性が“愛してる”って叫んだほうが絵がきれいじゃないですか? 妻が“好き!”って叫んでくれたら良い絵なのになぁって。それをそのまま映像にしたのがこの曲のPVなんです。色んな年代のカップルに登場してもらって、パートナーに“愛してる”って言ってもらって。ちょっとドッキリ要素もあるので、演技じゃない素の反応になっているんです。“愛してる”ってなかなか言えない時代からこそ、言っていくことが大事なんじゃないかと。特に日本には、「関白宣言」じゃないですけど、奥さんに向かってのラブソングって少ないんですね。だいたいは彼女とかお母さんなんですよ。
――奥様はこの曲を聴いてどんな反応をしました?
リーダー:いつもそうなんですが、ほとんど反応せずに終わるんです。そんなわけで、肝心の妻は“愛してる”とは言ってくれないんですけどね(笑)。以前、妻の名前をタイトルにして「杏里へ」って曲を作ったんですが、その時も別に何も反応なく。こんな旦那さん、なかなかいないと思うんで、もっと評価してくれてもいいんだけどなぁ(笑)。だから今回、「愛してると叫べ」なんですけどね。
――そういうエピソードを聞くと、「愛してると叫べ」の歌詞には切実な思いが込められているんだなぁと実感できました。きっと奥様はシャイなんですね。
リーダー:そうだと思うんです。この前、子供の幼稚園に行ったら、ママ友の方々が√9のことを知っててくれたので、僕の知らないところでは意外と僕の音楽活動のことを話してるんだなぁと思って嬉しかったです。
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