【セルフライナーノーツ】三浦大知が最新作『The Entertainer』を語る 前編
「Spellbound」
「Spellbound」はLAで制作した楽曲なんですが、今回のアルバムの中で結構いろんな所でキーとなるチーム(T-SKさんとNERVO(DJ・アーティストでもある双子の姉妹と僕と)でスタジオに入ってつくった曲です。この曲は僕の中では「歌って踊ってパフォーマンスするアーティスト」の特権みたいな何かが詰まっているような気がする一曲だと思っていて、すごくライブ映えする楽曲ですね。ダンスと歌という部分でパフォーマンスを見せた時の爆発力みたいなものがより出る曲なんじゃないかと思ってます。
「Spellbound」っていうのはNERVOが出してくれたキーワードで、あまり聞き馴染みがなかったんですけど…Spell(呪文)をバウンドさせる、魔法をかけるみたいな言葉で、“魔法にかかる” とか “呪文に縛られる” みたいな意味で、言葉のスピード感だったり、リフレインしていく感じがすごくグッときて制作したのを覚えています。
「Baby Just Time」
いろいろと楽曲のトラックが候補として上がっていく中で「このトラックは何だ?」ってびっくりしたのをすごく覚えているんですけど……これはJD(Walker)というトラックメーカーが作ってくれた一曲で、JDとは別の曲をまたLAで作ったりして……(その曲は今回のアルバムには入っていないんですけど、それもまた楽しみにしていて欲しいなぁなんて思いつつも。)この、「Baby Just Time」はすごく今っぽいんですけど、今のジャンル(ROCKとかJAZZとかHIPHOPとか、あるひとつのジャンル)にとらわれないって言うか、HIPHOPでいうところの2012年とかによく流れていたトラップみたいなものとかも含まれながら、メロディとかはちゃんとR&Bマナーもあり、メロディアスな部分もしっかりあって、歌ものとしてかっこいい仕上がりになっているというのはすごいバランス感覚だなって思います。
歌詞は僕が書いているんですが……自分で書く歌詞はあんまりその「オレの事、オレはいまこう思っている……ステージに立っている時はこうだ」みたいな事を強く自分の言葉で書くって事はあまりなかったので……ちょっと「チャレンジ」だと思って。僕はRAPのリリックを書いた事がないのでこれは感覚論でしかないんですけど……RAPのような歌詞を書いているような感覚で、歌の歌詞を書いてみたら面白いんじゃないかっていうのはすごく思いながら書いてました。歌じゃあまり使わない、使いにくい表現方法や言葉とかもうまくメロディに乗せる事ができたんじゃないかと思っています。これはライブでも盛り上がる曲になってますし、ちょっといままでに無いタイプ楽曲になっていると思います。
「Chocolate」
「Chocolate」のプロデューサーはNeptunesのChad(C.Hugo)なんですけど、これはスタッフの方が先方のマネージメントをしている方と繋がっていて、「最近Chadがつくったトラック聞いてみる?」という感じで聞かせて頂いた時にめぐり会った曲なんです。まあ、とにかくグルーヴというか、何ていうかスゴクゆれてて。いわゆる、“INテンポ”って言われる楽曲ではなくて、そのプレイしている中っていうか、ちょっとサンプリング感も含めて生音とかをプレイしているタイム感で、それがこうループしていくのでずっとキープされたテンポ感じゃ無くってという。それがすごく心地いいグルーヴにつながっている一曲になっています。
この曲はMOMOさん(MOMO"mocha"N.)という方が歌詞を書いてくれているんですけど。女性から見た時の男性像の面白さっていうか、男じゃあまり思いつかない切り口っていうかそういう所をズバっと書いて下さる部分って面白いですし、MOMOさんの歌詞はいつも歌わせて頂く度に、刺激があって自分じゃたぶんあまり書けない切り口なんだけど、すごくわかる! という歌詞を書いて頂けるので今回の歌詞もすごく楽しみながら歌えたと思います。
また、これまでのこういったミッドナンバーの中ではかなり異例というか、テンションとかも含めてすごく大人な一曲がつくれたと思っているので、これはもしかすると今回のアルバムの中で次につながる一歩という部分では一番キーになっている曲なんじゃないかなと思ってます。この曲をいろいろな方が評価してくれる事が多く、作って良かったって思います。
「GO FOR IT」
「GO FOR IT」はハイブリッドな楽曲がつくれたらいいなぁと思って作った曲です。2013年に入ってダンスミュージック、R&Bも含めていろいろ変化していって、いろいろなアーティストが原点回帰しながら今の自分のオリジナル、今っぽさを自分のオリジナルでやったらどうか? みたいな事をうまくミックスしながらいろんな音像をつくっていく中で、三浦大知もそういったハイブリッドなものを作れたらいいなと思っていた時にT-SKさんとNERVOさんが「実はこんなトラックがあるんだけど」と聞かせて頂いたのがこの「GO FOR IT」で、そのテーマにすごくバッチリなナンバーだったので制作させて頂きました。
この曲はもう「Elevator」にも通じますが「理屈じゃない」というものになっていると思います。ミュージックビデオも最初、椅子じゃなく便器に座っている……みたいなのも、すごくインパクトがあったって言ってもらえたり。そういう映像の部分を含めていろいろ「遊べた」、何かこうキチッっとやるというより、ちょっと喋ってるように歌う感じに「遊べた」1曲になっているんじゃないかと思います。
◆ ◆ ◆
次回更新は12月1日。ここでは収録曲「Gotta Be You」から、引き続き大知が自らの言葉で語っていく。
edit by ytsuji a.k.a.編集部(つ)
◆BARKSインタビュー
◆三浦大知 オフィシャルサイト
「Spellbound」はLAで制作した楽曲なんですが、今回のアルバムの中で結構いろんな所でキーとなるチーム(T-SKさんとNERVO(DJ・アーティストでもある双子の姉妹と僕と)でスタジオに入ってつくった曲です。この曲は僕の中では「歌って踊ってパフォーマンスするアーティスト」の特権みたいな何かが詰まっているような気がする一曲だと思っていて、すごくライブ映えする楽曲ですね。ダンスと歌という部分でパフォーマンスを見せた時の爆発力みたいなものがより出る曲なんじゃないかと思ってます。
「Spellbound」っていうのはNERVOが出してくれたキーワードで、あまり聞き馴染みがなかったんですけど…Spell(呪文)をバウンドさせる、魔法をかけるみたいな言葉で、“魔法にかかる” とか “呪文に縛られる” みたいな意味で、言葉のスピード感だったり、リフレインしていく感じがすごくグッときて制作したのを覚えています。
「Baby Just Time」
いろいろと楽曲のトラックが候補として上がっていく中で「このトラックは何だ?」ってびっくりしたのをすごく覚えているんですけど……これはJD(Walker)というトラックメーカーが作ってくれた一曲で、JDとは別の曲をまたLAで作ったりして……(その曲は今回のアルバムには入っていないんですけど、それもまた楽しみにしていて欲しいなぁなんて思いつつも。)この、「Baby Just Time」はすごく今っぽいんですけど、今のジャンル(ROCKとかJAZZとかHIPHOPとか、あるひとつのジャンル)にとらわれないって言うか、HIPHOPでいうところの2012年とかによく流れていたトラップみたいなものとかも含まれながら、メロディとかはちゃんとR&Bマナーもあり、メロディアスな部分もしっかりあって、歌ものとしてかっこいい仕上がりになっているというのはすごいバランス感覚だなって思います。
歌詞は僕が書いているんですが……自分で書く歌詞はあんまりその「オレの事、オレはいまこう思っている……ステージに立っている時はこうだ」みたいな事を強く自分の言葉で書くって事はあまりなかったので……ちょっと「チャレンジ」だと思って。僕はRAPのリリックを書いた事がないのでこれは感覚論でしかないんですけど……RAPのような歌詞を書いているような感覚で、歌の歌詞を書いてみたら面白いんじゃないかっていうのはすごく思いながら書いてました。歌じゃあまり使わない、使いにくい表現方法や言葉とかもうまくメロディに乗せる事ができたんじゃないかと思っています。これはライブでも盛り上がる曲になってますし、ちょっといままでに無いタイプ楽曲になっていると思います。
「Chocolate」
「Chocolate」のプロデューサーはNeptunesのChad(C.Hugo)なんですけど、これはスタッフの方が先方のマネージメントをしている方と繋がっていて、「最近Chadがつくったトラック聞いてみる?」という感じで聞かせて頂いた時にめぐり会った曲なんです。まあ、とにかくグルーヴというか、何ていうかスゴクゆれてて。いわゆる、“INテンポ”って言われる楽曲ではなくて、そのプレイしている中っていうか、ちょっとサンプリング感も含めて生音とかをプレイしているタイム感で、それがこうループしていくのでずっとキープされたテンポ感じゃ無くってという。それがすごく心地いいグルーヴにつながっている一曲になっています。
この曲はMOMOさん(MOMO"mocha"N.)という方が歌詞を書いてくれているんですけど。女性から見た時の男性像の面白さっていうか、男じゃあまり思いつかない切り口っていうかそういう所をズバっと書いて下さる部分って面白いですし、MOMOさんの歌詞はいつも歌わせて頂く度に、刺激があって自分じゃたぶんあまり書けない切り口なんだけど、すごくわかる! という歌詞を書いて頂けるので今回の歌詞もすごく楽しみながら歌えたと思います。
また、これまでのこういったミッドナンバーの中ではかなり異例というか、テンションとかも含めてすごく大人な一曲がつくれたと思っているので、これはもしかすると今回のアルバムの中で次につながる一歩という部分では一番キーになっている曲なんじゃないかなと思ってます。この曲をいろいろな方が評価してくれる事が多く、作って良かったって思います。
「GO FOR IT」
「GO FOR IT」はハイブリッドな楽曲がつくれたらいいなぁと思って作った曲です。2013年に入ってダンスミュージック、R&Bも含めていろいろ変化していって、いろいろなアーティストが原点回帰しながら今の自分のオリジナル、今っぽさを自分のオリジナルでやったらどうか? みたいな事をうまくミックスしながらいろんな音像をつくっていく中で、三浦大知もそういったハイブリッドなものを作れたらいいなと思っていた時にT-SKさんとNERVOさんが「実はこんなトラックがあるんだけど」と聞かせて頂いたのがこの「GO FOR IT」で、そのテーマにすごくバッチリなナンバーだったので制作させて頂きました。
この曲はもう「Elevator」にも通じますが「理屈じゃない」というものになっていると思います。ミュージックビデオも最初、椅子じゃなく便器に座っている……みたいなのも、すごくインパクトがあったって言ってもらえたり。そういう映像の部分を含めていろいろ「遊べた」、何かこうキチッっとやるというより、ちょっと喋ってるように歌う感じに「遊べた」1曲になっているんじゃないかと思います。
◆ ◆ ◆
次回更新は12月1日。ここでは収録曲「Gotta Be You」から、引き続き大知が自らの言葉で語っていく。
edit by ytsuji a.k.a.編集部(つ)
◆BARKSインタビュー
◆三浦大知 オフィシャルサイト
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