【インタビュー】Cherry Hearts、「新ジャンル開拓やね。ジャンルは“ハッピー”」

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■ベースは練習したらどうにかなるけど、顔はどうにもなれへんって、って言われて(奈穂)

──お待たせしました。

奈穂:ベースの奈穂なんですけど(笑)もともとは高校生のときに軽音楽部に入ったんですよ。最初はギターをやってて。もともと小学5~6年の頃からすっごい音楽が好きで、それこそもうヘンな音楽とか。

満里奈:ヘンな音楽って何?(笑)

奈穂:ジャンルなんていうんですかね、若干カオティック入ってるんですけど、システム・オブ・ア・ダウンとか、そういう系のジャンルを聞き始めちゃって。(註:システム・オブ・ア・ダウン=L.A.のアルメニア人コミュニティーの移民で結成。政治的なメッセージとメタリックかつカオティックなサウンドが特徴)

──小学生の聞く音楽じゃないよね(笑)

奈穂:たまたまケーブルテレビのスペースシャワーTVとかミュージックオンTVとかそういうチャンネルをボーっと見てたんですよね。いろんなバンドが流れるから。で、中学生のときにELLEGARDENにはまってメロコアを知って、そっから洋楽のメロコアだったり、ハードコアだったり、カオティック・ハードコアとか、どんどんデスコアとか…。

──うるさいのばっかだね(笑)

奈穂:高校が女子高だったんですよ。うるさい音楽聴く子が、うるさいっていうか(笑)そういうジャンルを聴く子がぜんぜんいなくってつまんなくて。軽音のバンドで使ってたスタジオがイベントを組んでくれて、同じレベルくらいの人を集めてバンドを組ませて、コピーイベントをやったりとか。で、どんどん知り合いが増えて、ライヴハウスでもバイトし始めて、外でもバンドを組んでたりして。Cherry Heartsに入る前はギターで、パンクロックやってて、ブルーハーツみたいな感じの。で、バンドのベースの子が辞めるって言い出して、ギターが2人いたから、じゃあ、ベースやるよって。ほんと、ベースを弾き始めたのが年末か2013年入ったくらい。そのときにはもう千穂ちゃんとは知り合ってて、ベースやってるんだって言ったら、ちょうどウチのバンドのベースが空いたみたいなのが2月くらいにあって。でも、わたし、女の子のバンド を今まで1度も組んだことがなくて。すごい偏見なんですけど、女の子バンドって本気でやってんのかな?みたいな。(その時)やってたバンドが今のスパンで活動できないみたいになったときに、1回話だけでも聞かせてって言って、Cherry Heartsのメンバーとファミレスで、めっちゃ雪降ってる日に、3月?

千穂:2月の末ぐらい。

奈穂:めちゃくちゃ雪降ってる日に初めて会って、次はこんな感じでいきたいんだよねっていうの聞かせてもらったり、話してたら思ってたよりも良くて、想像と違ってて。

千穂:うっうっうっ。

奈穂:なになに~。

千穂:嬉しくて。

Sakura:もう最初っから入りますみたいなので来てるのかと思った。

奈穂:そこまでが長かってんな。

千穂:そうそうそう。そこまでが長かった。

奈穂:千穂はもう絶対わたしを入れたいって言って。

千穂:そうなんですよ。こんなタイミング合います?しかも、めっちゃかわいいし、タイプだったの、顔が。

──顔で選んだの?(笑)

千穂:ま、それ正直ありますけど(笑)

奈穂:ギターは弾けるけどベース暦はほんとに浅いから、無理やでって言ったら、ベースは練習したらどうにかなるけど、顔はどうにもなれへんって、って言われて。

全員:(爆笑)

千穂:思いません? 楽器って上手くなろうと思って練習したら上手くなるけど、顔は可愛くなろうと思ってもかわいくならないじゃないですか。

──その通りだと思います…(少し勢いに押され気味)。

千穂:上手くなる見込みがあるんであればぜんぜん入ってよ、みたいな。

奈穂:内心、ほんとに女の子だけってケンカとかあるんじゃないかとか、ギクシャクするんじゃないかって怖かったから、無理になったら無理って言おうと思ったけど、今んとこ、超絶仲いいんで大丈夫です(笑)

千穂:めちゃくちゃ仲いい。毎日一緒にいますから。意味もなく一緒にいますから。

満里奈:あたしもそれヤだったんですよ。絶対に、絶対になんかあるんじゃないか。今んとこ超絶仲いい(笑)たぶんみんな性格がちょっと男っぽいんですよね。

奈穂:さっぱりしてる。

満里奈:その場で言っちゃう。それ違うんじゃない?とか。みんなけっこう言う性格だから。

千穂:まぁ、言うね。

奈穂:まぁ、言われるね。

千穂:ほんま、うざいとかいわれる(笑)

奈穂:でも、ほんっとにめちゃくちゃ練習しないと追いつけなくて、それこそスタジオでわんわん泣きながら。

千穂:みんな1回ずつ泣きますね(笑)

──そんな厳しいの?

奈穂:ハードルが高いから。自分のスキルがそこまで追いつけないし、ステージングもあるしで、いろいろ考えすぎて涙が止まらなくなったり。

千穂:前回は私でしたね(笑)

奈穂:ほんとに今までいろんなバンドやってきたけど、こんなに必死になって、指の皮ずるんずるんになるまで、泣きながら弾くことなんてそうそうないなと思うから。

──これからもずっとベースでいいやって、割り切ってるんですか?

奈穂:家ではテレビ見ながら、好きなライヴDVDとか見ながらコピーしたりするんですよ。でもぜったいギター握ってて、あ、ベース弾かんなと思ったときに気分下がったりしちゃうんですよね。義務感があって、最初。でも、やらんなあかんし、これ辞めたらなんもないし。

──そのかわり、やりがいもあるんじゃないですか?

奈穂:その分、出来るようになったら嬉しいですよね。これ前までこれ弾きながらこの動きできへんかったのに今できるとか。メンバーで揃って横向く左向く右向く左足前からとか脚踏みするとかほんとにできなくて、両手と両脚がバラバラに動けへん、ドラムかっていうぐらい(笑)テンポも合えへんし、音も合えへんし、また泣いたりして。

──感情激しいなぁ。

奈穂:激しいよなぁ(笑)すぐ泣くんですよ。

千穂:そうなんですよ。すぐ泣く、すぐ弱音吐くなんですよ。最初の頃めっちゃ気にしてて、でも、最近気にならないですよね(笑)

奈穂:逆に、なおちゃん泣いてる顔、言うとくけどおもろいで(笑)みたいな。

千穂:そう、なおちゃん、泣いてる顔おもろいんですよ(笑)そういうこと言うから、仲良くなれるんやろなって思う。

──ドラムはいれないんですか?

千穂:サポートドラムの人くらい叩けるかわいい系女子がいないんですよね。クリック聴いて叩けなきゃいけなくて、しかも(テンポが)早かったりとかするから。妥協できない部分なんですよね。ドラムはホントに妥協したくない。(註:クリック=打ち込み音源などと生演奏をシンクロするために、イヤーモニターでテンポのガイドとなる音を聞きながら演奏すること)
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