【インタビュー】Cherry Hearts、「新ジャンル開拓やね。ジャンルは“ハッピー”」
いま、アンダーグラウンドのガールズバンド・シーンが面白くなってきている。その理由はいくつかあるけれども、1つだけ言うならば、女の子のバンドマンたちの中に、意識の変化が感じられるということ。つまり、数年前のガールズバンドとは"何か"が違う。その"何か"を確認したい。
◆Cherry Hearts画像
元来、音楽とはクリエイティヴであり、時代を反映するものであり、多くの若い人たちの憧れの対象であった。しかし、そういった建前とは裏腹に、現実はもう長い間、アーティスト側も、送り出す側も、非常に保守的なものになっている。反面、ギャル文化に象徴される、若い女の子たちが作り出すものは常識にとらわれず斬新だし、好況・不況に関係なくいつでも元気がいい。この元気をガールズ・バンドに感じたといえばいいか。
おそらく、これからもっとハッキリした形で女の子によるバンド・シーンが浮上してくると思う。お客さんから見れば、それをアイドル視する人がほとんどだろうし、実際そういうバンドもいるだろう。ただ、僕の個人的な思い込みとして、楽器を持った人たちは(男女問わず)アイドルなだけじゃ満足できない欲求を持っていると思う。そういったバンドマンとしての本音も聞き出せたらいいなと思っている。
紹介するのは、ほとんどがライヴハウス・レヴェルで活動するインディーズのバンドになると思いますが、気になったらぜひライヴ会場に足を運んでいただきたいと思います。
取材・文:池上尚志
さて、第1回目はCherry Hearts。彼女たちを知ったのは偶然で、たまたま、とあるライヴハウスに行ったときに出演していたの見て、その場で声をかけさせてもらった。
とにかく、ルックスがいい。ポスターやフライヤーに使われてる写真はまるでキャバ嬢のようなメイクと衣装で、少なくともバンドをやるような人たちには見えなかった(後に判明するが、これは特に音楽に直接結びつくものではなかった)。というより、バンドからいちばん遠い人種というか。そのミスマッチ感だけでも十分に興味をそそるものがあったが、ライヴが始まってみると、躍動感あるパフォーマンスや、観る者を虜にするオーラを感じた。多くのアマチュア・バンドが陥る自己満足的な空気や、キャラ設定による堅苦しさがなく、パフォーマンスに作為的なところもない。多少アイドル的なところはあるものの、ちゃんと"魅せる"意識がある。要するに、気取ったところがないのだ。このバランス感覚は貴重だ。
インタビューも半ばを過ぎると、トークは被るわ、チャチャは入れるわで、恐らくいつもこんな感じなのであろうガールズ・トーク状態に突入。メンバーのキャラが見事にバラバラで(出身地も血液型も全員違うらしい)、そのへんを読み取ってもらえればより面白く読んでいただけると思う。
笹宮千穂(Vo)リーダー
早川満里奈(G)
椎名りえ(G)
谷本奈穂(B)
Sakura(プロデューサー)
※Dsはサポート。
■メンバーチェンジをきっかけに、"新バンド"として活動開始
──結成はいつですか?
千穂:2013年3月29日始動です。初ライヴ。
──まだ最近ですね。実際に集まって、やりましょうみたいになったのはいつ?
千穂:それも3月入ってからですね。もともと2人(千穂、満里奈)が一緒にやってて。
満里奈:ほかの子が抜けちゃったんで、新しい子を入れようっていうことで。
りえ:3月に入ったらすぐにライヴだからっていわれて、練習しました。
──前のバンドのコンセプトは受け継いでいるんですか?
千穂:まったく受け継いではないです。新バンドとして活動を始めたので。