【ライブレポート】レディー・ガガ、<iTunes Festival>で驚きのパフォーマンス
◆レディー・ガガ画像
ブラックのパンツ・スーツに黒いベール風のマスクで顔を覆った姿でステージに登場したガガは、アラブのリズムがフィーチャーされた「Aura」でショウをスタート。セットに50万ポンド(約7,500万円)をかけたといわれているが、初っ端からケイジに入りオーディエンスの上に吊り上げられるなど、この規模の会場には贅沢過ぎるほどの仕掛けが飛び出した。攻撃的なビートとシアトリカルな演出でオーディエンスを圧倒した彼女は、続いて「みんなに会えずに寂しかったっていうのは控えめな表現ね。みんなと離れていると、わたしは生きていられない」と盛り上げた後、キャッチーなメロディーとビッグなギター・ソロが融合する「MANiCURE」をプレイ。会場をさらに揺るがせた。
そして、ステージ上でコスチュームやヘアメイキャップをフル・チェンジ。ブロンドのウィッグとスパンコールのビキニに着替え、タイトル・トラック「ARTPOP」をシックに歌い上げた後、「これまで作ってきた曲とはちょっと違う」「ポップ・ミュージックっていう、私が押し込められた箱の中から自由になりたかった」と紹介したヒップホップ・トラック「Jewels and Drugs」をプレビュー。「UKへの入国を許されなかった」というT.I.のゲスト出演はならなかったものの、ほかのコラボレーターToo $hortとTwistaを迎え、新たなガガ・ワールドを披露した。
この夜のハイライトはいくつもあったが、中でも圧倒的だったのは「Swane」だった。ガガは、ステージ上でウィッグを外しながら「いろいろ辛いことを経験してきたわ。自分でいるのが辛いとき、メイキャップでフル装備してた。『ARTPOP』を作るために、痛みを隠すためにつけていたウィッグやメイキャップを脱ぎ捨てなきゃいけなかった」「これが私の本当の髪よ」「痛みを乗り越えるためにこの曲を書いたの。みんなの痛みも取り除くことができたらいい」と話し、ドラムを叩きつけながら感情を爆発させる大作をプレイした。
最近、素顔やヌードを公開するなど素の姿を露出することが多いガガだが、その傾向は今回のライヴでも見られた。曲ごとに衣裳がチェンジしたが、そのほとんどがステージ上で行われ、MCも多く、本音を語るなど、これまで以上に自身をさらけ出す部分が多かったように思う。これが『ARTPOP』に続くこの先のツアーのテーマなのかはわからないが、会場が小さめだったからというだけでなく、レディー・ガガがとても近くに感じることができたショウだった。
ガガはこの夜、1時間に渡り新作『ARTPOP』の収録トラック8曲をプレイ。会場にはアデル、ワン・ダイレクションのニール、ビーディ・アイのアンディ・ベル、『シャーロック・ホームズ』の俳優ベネディクト・カンバーバッチらの姿が見られた。
セットリストは以下の通り。
「Aura」
「MANiCURE」
「ARTPOP」
「Jewels & Drugs」
「Sex Dreams」
「Swine」
「I Wanna Be With You」
アンコール
「Applause」
レディー・ガガのニュー・アルバム『ARTPOP』は11月にリリースされる。
Ako Suzuki, London
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