キマグレン+吉川友のきっかレン。「兄弟みたいな感じです。弟(KUREI)、姉(きっか)、お兄ちゃん(ISEKI)、みたいな。」

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■ 吉川友の生まれたままの声が出せるような楽曲にしたい

── キマグレンさんがいらっしゃるので、『Best of YOU!』に収録されている新曲「八月の花火」についてお訊きします。まずはISEKIさん、この曲のメロディーラインって、無駄に高いところばかりを使うのではなくて、きっかの歌声のとてもオイシイ音域、綺麗に響く音域を使われていますが、やっぱり作る前にいろいろ吉川友の研究をされた上で制作されたんですか?

ISEKI:YouTubeで友ちゃんの曲を聴きこんだんですよ、作る前に。で、どういう感じで作ろうかなって参考にしたんですけど。「あー、こういう曲たちがあるんなら、全然別の曲にしよう」って。あと、彼女は華やかさはすでに持っているので、声が自然に出るようにはしたいな、って思って作りましたね。ちゃんと声質だけで勝負できる曲にしようと。別に、可愛くする必要もない。ただ、吉川友が生まれたままの声が出せるような楽曲にしたい。これは意識しましたね。

── あー、納得。じゃあきっかは、実際に歌ってみて、どう?

吉川友:声的な部分では、すっごい歌いやすいです。声を張り上げてじゃないですけど、力いっぱい歌う感じが、歌っていて気持ちいいですね。ただ、そのぶん、リズムが。レコーディングは苦戦しました。(この曲のリズム)難しいですよね。

ISEKI:難しいと思いますね。うん。意外と難しいですね。いろんなところに16分(音符)のリズムが入っていて。

KUREI:ISEKIが作るメロは、リズムがほんと難しい。

ISEKI:そういうふうに言われるんですけど、(きっかは)全然歌い切ってました。曲が出す雰囲気もちゃんとわかってくれると思ったんで、ボーカルのディレクションもあまり何も言わないようにしてたんですけど、でもニュアンスもバッチリだったし。大サビのところなんか、僕が歌った仮歌よりも全然いいんですよ。

── へぇ。ちなみに、そのリズムが難しいっていうのは、ISEKIさんの楽曲を作る上で計算してやっているものなんですか? それとも染み付いているものなんですか?

ISEKI:多分、染み付いているんでしょうね。今回、できるだけシンプルにしようとは思いましたけどね。でも難しいところを作っちゃった。

── なるほど。じゃあ次に歌詞を書かれたKUREIさん。これまた新鮮というか、吉川友の曲にはあまりない、人間臭さというか、ありますよね。これは吉川友をイメージして書いた?

吉川友:うん。ビックリ。

KUREI:そうですね。なんか、吉川友のファンの方々って、アイドルとして、一人の女性として吉川友を見ると思うんですけど、そういう女性でも、ひとりの人間なんだよ、ってのを伝えたくて。どうしても美化するじゃないですか。男性って女性を美化しがち。ステージに立つ人だったら、なおのこと。だけど、そうじゃないんだよ、っていうメッセージを込めたいし。ドロドロになって頑張ったり、傷だらけになったりして頑張っているのが、アイドルの本当の姿なんじゃないか。それを伝えたかったんです。

── なるほどねぇ。

KUREI:あと、この曲自体、「あいまいな関係」の女性と主人公が一緒なんですよ。

── え?

KUREI:だから<あいまいなままに>とか歌詞にあったりするし。「あいまいな関係」が7月だとしたら、この曲は8月末。“あいまいな関係”で、羽目をはずして騒いで火傷しちゃって、それを振り返って、泣いて泣いて泣いて、でも何気に明日はやってくる、元気になって頑張る。っていうストーリーだったりします。だから、映画だと前半に流れるのが「あいまいな関係」で、後半になると「八月の花火」。なんでもない緩やかなシーンで流れるのが「カフェオーレのうた」。そういうシーン感だったりもしますね。僕の中では、ですけど。

── へー。全部つながっていたんですね。

吉川友:すごい。メモしとこう。訊かれるから。(ひとりでインタビュー受ける時は)大変なんですよね、いつも。

── (笑)きっかは、さっきも話にあったけど、歌うのは苦労した。

吉川友:うん。早口言葉……じゃないけど、きっか、滑舌が悪いから、<忘れられない記憶と>ってところはすごい録りました。

KUREI:「忘れられない」って歌いにくいよね。

吉川友:うん。サビのリズムもそうですけど、<忘れられない記憶と>は本当に忘れられないですね。何回もやった。

── 誰がちょっと上手いこと言えと。

吉川友:やった!(ドヤ顔)。そんな感じですかね。でも、歌詞の中に、海とかそういうフレーズが入っているのがすごい嬉しいですね。……あ、海は入ってないか(笑)。<波の音>とか、<海岸線のカーブを抜けて>とか、キマグレンさんっぽいフレーズが入っているのが嬉しいですね。で、サビはやっぱり自分っぽいですよね。デビュー当時とか泣いてましたから。

── じゃあそんな、キマグレンさんからいただいた「八月の花火」。どんなふうに歌っていきたい? ライブだとどんな場面で、とか。

吉川友:うーん。最後のほうで、一体感を持って歌いたいかな。きっかのサビのイメージは(手を左右に大きく振って)こうなんですよ。でも結構振りがガッツリついていて、しかもカッコいい振りが。ダンサブルというか。だからすごい大変なんですよ。AメロBメロはアイドルなんですけど、サビからガッツリ踊るので。でも(手を左右に大きく振って)こういうイメージ。

ISEKI:ライブの時は、こう(手を左右に大きく振って)やっちゃえばいいんだよ。

吉川友:そうですね。アンコール前とかに、この「八月の花火」で、会場全体を一体にしたいです。


text and photo by ytsuji a.k.a.編集部(つ)

【きっかレン(キマグレン+吉川友)出演情報】
9月1日 音霊 OTODAMA SEA STUDIO 2013「キマグレン DANCE ON THE BEACH」
9月14日 SIGMA FES.2013@幕張メッセ

◆BARKSアイドル
◆吉川友 オフィシャルサイト
◆キマグレン オフィシャルサイト
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