【ライブレポート】吉川晃司、SAMURAI ROCKが日本武道館公演で「子供たちにダメな未来を残すわけにいかない」
吉川晃司が8月17日、全国ツアー<KIKKAWA KOJI LIVE 2013 SAMURAI ROCK BEGINNING>のファイナル公演を日本武道館で行った。
◆吉川晃司 画像
会場が暗転、ステージ上の巨大LEDスクリーンに映し出されたのは、吉川本人がアルバム『SAMURAI ROCK』に込めた想いとシンクロするイメージ映像だった。その映像がクライマックスを迎えると吉川晃司がステージに登場するというドラマティックな演出に9000人のファンが総立ちとなり、ライブはのっけから大盛り上がり。
このツアーの注目すべきポイントは吉川初の試みとなったアルバム完全再現にある。これはアルバム『SAMURAI ROCK』収録曲を曲順通りに再現するというというもので、二部構成で進行したショウの第一部は1曲目の「覚醒」から「survival CALL」まで、『SAMURAI ROCK』収録全11曲が生のステージでそのまま披露された。ギターに菊地英昭と伊藤可久、ベースに小池ヒロミチ、キーボードにホッピー神山、ドラマーに青山英樹といった個性の強い5ピースからなるバンドサウンドは鉄壁だ。今の日本に対する熱い想いが詰め込まれたアルバムサウンドが、エッジの効いたソリッドなロックサウンドに乗せられてリアルに響く。
「今日は大いに楽しんで、ストレスを発散させ、腹立つことも吐き出して、みんなでどっかいっちまおうぜ!」
中盤のMCで観客を煽った吉川は、第二部ではアップテンポなヒット曲を中心に、新旧ナンバーを惜しみなく織り交ぜたセットリストで客席を魅了。「PURPLE RAIN」のエンディングではお待ちかね、シンバルキックを披露した。高さ2メートルはあろうかという位置にセットされたシンバルを回し蹴りで打ち鳴らす姿は豪快にして華麗だ。「シンバルは……そこにあるから、蹴る」と某登山家よろしくな名言を発した吉川は、大河ドラマの西郷隆盛役でお馴染みの薩摩弁にて「ありがとうござおいもす」とおどけながらも、「こうやってみんなが集まってくれるから頑張って歌える」と感謝を客席に伝えた。
2014年にデビュー30周年へ突入する吉川自身は、音楽活動や俳優としての活動などがピークに達した2013年、もっとも忙しかったと振り返る。そして、全18公演におよぶ全国ツアーファイナルに体力も限界にきていたのか、20曲目の「Fame & Money」では足をひきずりアイシングを受ける場面も。そんななか披露された本編ラストはライブの代表曲「Juicy Jungle」。本編全21曲を気力で歌いききった吉川が、エンディングでシンバルキックをきめると大観衆から喝采が。
アンコールで再びステージに登場した吉川がこの日、48歳の誕生日を迎えたことをファンに告げると、場内からは祝福の声援と拍手が飛んだ。「『SAMURAI ROCK』に込めた思いは、冒頭の映像でみなさんに受け止めていただけたと思います」とこの日のライブを振り返った後、「俺は俺なりに考えてるんですよ。さっきのMCでは、政治家はウソをつくという話もしたけど、バカな政治家を選んだのはオレらなんだよね。子供たちにダメな未来を残すわけにはいかない。来年は30周年だし」と今後の活動に意欲をみせた。
そして場内にガラスの破裂音をフィーチャーしたイントロが響き渡ると客席が騒然となる。演奏されたナンバーは「さよならは八月のララバイ」だ。1984年リリースの2ndシングルにして、8月という夏シーズンを歌ったこのナンバーで武道館に大合唱を呼んだ。さらには吉川自身がお気に入りの「この雨の終わりに」で締めくくり……とアンコールはこの2曲で終了する予定だったが、最後にサプライズが。
広島平和記念日(原爆の日)の8月6日、広島マツダスタジアムでのパフォーマンスが話題になった「イマジン」が、このツアーの最後のナンバーとして披露された。同曲は忌野清志郎が詞を付けたRCサクセションバージョンに、吉川自身がさらに一部歌詞をアドリブで変更したものだ。このナンバーをピアノのみの伴奏で熱唱し、平和に対する熱い願いをこめて、ファンと笑顔での再会を誓った。
なお、この日本武道館公演の模様を収録したDVD&Blu-rayが10月2日に発売されることも発表となった。吉川晃司は今後、9月10日より始まるミュージカル『SEMPO』-日本のシンドラー杉原千畝物語- のリハーサルに入り、9月29日まで新国立劇場にて主演ミュージカルの舞台に立つ予定だ。
<KIKKAWA KOJI LIVE 2013 SAMURAI ROCK BEGINNING>
2013年8月17日(土)@日本武道館セットリスト
01.覚醒
02.DA DA DA
03.DO the JOY
04.I'm Yes Man
05.Lovery Mary
06.FIRE
07.Nobody's Perfect
08.SAMURAI ROCK
09.HEART∞BREAKER
10.絶世の美女
11.survival CALL
12.FANTASIA
13.PURPLE RAIN
14.せつなさを殺せない
15.エロス
16.SPEED
17.A-LA-BA・LA-M-BA
18.GOOD SAVAGE
19.ロミオの嘆き
20.Fame & Money
21.Juicy Jungle
encore
en1.さよならは八月のララバイ
en2.この雨の終わりに
en3.イマジン
移籍第一弾アルバム『SAMURAI ROCK』
4月17日(水)リリース
【初回限定盤(CD+DVD+オリジナル・グッズ) 】WPZL-30609/10 ¥3,990(税込)
特典1<DVD>レコーディングの様子を収めた、アルバム・ドキュメント映像を収録(約24分)。
特典2<オリジナル・グッズ>SAMURAI ROCKオリジナル“サバイバル・コール”。※震災、雪崩などの災害時からレジャー・日常生活まで幅広く使える、イザという時、安心の笛。SAMURAI ROCKレーベル・ロゴマーク付、オリジナル仕様。
【通常盤(CD)】WPCL-11389 価格:¥3,150(税込)
1. 覚醒
2. DA DA DA
3. DO the JOY
4. I’m Yes Man
5. Lovely Mary
6. FIRE
7. Nobody’s Perfect
8. SAMURAI ROCK
9. HEART∞BREAKER
10. 絶世の美女
11. survival CALL
<DVD>*初回限定盤のみ収録
1.地下室のメロディ(約24分 レコーディング・ドキュメント映像)
<KIKKAWA KOJI 2013 SAMURAI ROCK BEGINNING>
5/05(日)浦安市文化会館
5/12(日)オリンパスホール八王子
5/19(日)鎌倉芸術館 大ホール
5/25(土)静岡市民文化会館 中ホール
5/26(日)大宮ソニックシティ 大ホール
5/31(金)中野サンプラザホール
6/02(日)東京エレクトロン韮崎文化ホール 大ホール
6/09(日)福岡市民会館
6/16(日)栃木県教育会館
6/22(土)金沢市文化ホール
6/23(日)新潟市民芸術文化会館・劇場
7/07(日)札幌市教育文化会館 大ホール
7/13(土)アルファあなぶきホール(香川県民ホール)小ホール
7/14(日)大阪・オリックス劇場
7/20(土)日本特殊陶業市民会館(名古屋市民会館)フォレストホール
7/28(日)仙台市民会館 大ホール
8/03(土)広島・上野学園ホール
8/17(土)日本武道館
◆吉川晃司 オフィシャルサイト
◆吉川晃司 レーベルサイト
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