【ライブレポート】KNOCK OUT MONKEY、<SUMMER SONIC 2013>で「俺は音で会話できると信じてる」

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<SUMMER SONIC 2013>2日目となる2013年8月11日。最高気温35度以上の猛暑となったこの日、会場となる千葉県・幕張メッセには朝から続々とロックファンが詰めかけ、駅から続く人の波はその暑さをより上昇させていた。それにしても午前中からのこの気温、いったい今日はどんな1日になってしまうのか!?という危機感とは裏腹に、こんな日にこそハードなサウンドで汗をかきたいというパッションが生まれてくるのを感じつつ、会場に到着した。

◆KNOCK OUT MONKEY 拡大画像

KNOCK OUT MONKEYは2年連続の<SUMMER SONIC>出演となる。サマソニ初参戦となった2012年はRAINBOW STAGEのオープニングだったが、2013年は日差しが強い海沿いのBEACH STAGEへ登場だ。最新ミニアルバム『reality & liberty』を引っ提げて、<JOIN ALIVE 2013>、<MORNING RIVER SUMMIT 13>など既に多くの夏フェスへ出演してきた彼らは、どんな場所でもその存在感で瞬時に会場をホーム化してきた。海を臨むBEACH STAGEというシュチュエーションで彼らがいったいどんなライブを魅せてくれるのかワクワク感が募る。

灼熱のBEACH STAGEに到着すると、すでに本人達によるサウンドチェックが行われていた。風に音が流されがちなビーチというステージ特性のためだろうか、入念にチェックを繰り返すメンバーの姿がある。そして、開演前のBGMには夏のビーチらしく「The Harder They Come」などのレゲエナンバーや、Oasisの「Songbird」が流されている。心地よい風に吹かれていると、時刻は12:00。MCがKNOCK OUT MONKEYの名を高々と告げた。

『reality & liberty』の冒頭を飾る「Beginning(skit)」がSEとして流れる中、メンバーが登場した。両手を挙げて大歓声でメンバーをステージに迎える客席には、いつの間にか多くの若者が詰めかけている。叩きつけるようなビートが鳴り響き、ボーカル&ギターのw-shunが「カモン!」と第一声を上げるとライブがスタート。曲はお馴染みのオープニングナンバー「BREAK」だ。ヒートアップし過ぎた客席を冷ますかのようにホースによる放水が続けられる。

「まだイケるっしょ!? 踊れー!」

そう叫んだw-shunに煽られるようにビーチが一瞬にしてライブハウスと化してしまった。「おい、サマソニ!遊ぼうぜ~!!」と、のっけから熱いパフォーマンスが繰り広げられた。続く2曲目はギターリフがファンキーなシングル曲「HOPE」だ。ワンコードでグルーヴするAメロと対照的な、はじけるように明るいサビのメロディがカタルシスを感じさせる。曲中、w-shunの「マリンステージ!……あ、間違えたステージ名」との苦笑いもご愛嬌(笑)。dEnkAのワウによるソロがサイケデリックで、海を臨む爽快なシチュエーションとのマッチングが実にシュールだ。

「このステージに選ばれたからには、波風起こして行こうぜ。飛べ! HeyHey!」

とはw-shunのMCだ。「自由にやってちょうだい!」と、リラックスムードのナンバー「実りある日々」を披露。“今は何かの種をひたすら蒔いて デカイ果実を実らせる為の日々でしょう”とのサビの歌詞が、これから闘っていくバンドの姿勢を表しているようで、“BEACH STAGEは皆freedom~”と歌詞を変えて歌う笑顔のw-shunに思わずグッときた。彼らのステージはいつもすべてがハッピーなバイブレーションに溢れている。

「俺は君らと遊びたい。俺は音で会話できると信じてるんで。音と、叫び声と、汗と、砂煙、もっとこっちまで飛ばしてくれや。全部浴びて帰るからさ!」

w-shunの叫びに導かれるように曲は「Scream & Shout」へ。硬質なスネアでバンドを牽引するナオミチのドラムと、ヘヴィネスの中に人間味を感じさせる亜太のベースサウンド。そして剛速球のようなdEnkAのレスポールの音色に脳髄が痺れる。そんなヘヴィサウンドの中核には、クリアにスクリームして自在に観客を掌握するw-shunのボーカルがある。まさに鉄壁の布陣だ。とはいえMCでは、「サザンよりチューブより、夏が似合うバンドになりたいKNOCK OUT MONKEYです(笑)。ガラ悪そうに見えますけど、ただの小心者なんで(笑)。みんなが迎えてくれることが生き甲斐なんで!」とユーモアを交えて、客席を盛り上げた。

再びw-shunがギターを手にすると曲は「JET」だ。一直線にドライヴするナンバーに汗だくの観客が拳を振り上げ、汗まみれの髪を振り乱す。「ロックで友達作れる曲やるんで、もっと前おいでー!」と手招きしてからラストナンバー「Climber」へ。w-shunの「掌見せてよ!」の声に、会場中がステージに向けて手をかざす光景はステージの最後に相応しく壮観だ。「良い酒と、良いロックと、良い一日を! どうもありがとうKNOCK OUT MONKEYでした!」と頭を下げたw-shunに客席からは大きな拍手が送られた。

4人のメンバー個々のプレイヤーとしての技量に支えられたハイレベルなパフォーマンスは圧倒的なものだった。「KNOCK OUT MONKEY、やっぱり最高やったで~!」という関西から駆けつけたと思われるコアファンや、「今日初めて観たけど、最高!」というKNOCK OUT MONKEY初心者まで、終演後の客席では様々な声を聞くことができた。ヘヴィサウンドでありながら、爽やかなメロディとユーモアといったヒューマニズムを感じさせるステージングこそが、多くのファンを掴んでいる所以なのだろう。メジャーデビューが発表されたばかりのKNOCK OUT MONKEYだが、彼らのステージは新人のそれからは大きく逸脱した貫禄に溢れるものだった。

(c)SUMMER SONIC 2013 All Rights Reserved Photo by Rie Suwaki(MAXPHOTO)
取材・文◎岡本貴之

■1st Single「Paint it Out!!!!」
2013.10.02 Release!!
JBCZ-6003 / \1,800(tax in)
01.Paint it Out!!!!
02.CRASH
<DVD>
Live at 2013.05.23 Shibuya O-WEST 「reality & liberty」Tour -Final-
01.Scream & Shout
02.Blazin’
03.Gun shot
04.実りある日々
05.Bring it back
06.TODAY
07.realize
08.Neverland
09.Primal
10.BREAK
11.HOPE
12.JET
13.Climber
(全13曲/約60分)

RELEASE EVENT<KNOCK OUT MONKEY“Paint it Out!!!!”>
・2013年10月18日(金)大阪・大阪BIG CAT
・2013年10月25日(金)東京・渋谷CLUB QUATTRO
◇チケット先行受付チケットぴあ http://pia.jp/t/knockoutmonkey/
ローソンチケット http://l-tike.com/kom2013/
イープラス http://eplus.jp/komep/
CNプレイガイド http://www.cnplayguide.com/kom/)(大阪公演のみ)
◇チケット一般発売:9月21日(土)~

<ライブ/イベント出演情報>
2013年8月17日(土)SUMMER FEVER
SEACRET BOX by OTODAMA
2013年8月23日(金)TREASURE05X
愛知・名古屋CLUB QUATTRO
2013年8月25日(日)MONSTER baSH 2013
香川・国営讃岐まんのう公園(香川県仲多度郡まんのう町)
2013年9月13日(金)神戸 太陽と虎
2013年9月22日(日)MADOllie2013 powered by Monster Energy
愛知・名古屋CLUB DIAMOND HALL
2013年9月29日(日)MUSIC CITY TENJIN 2013 LIVE CIRCUIT

◆KNOCK OUT MONKEY オフィシャルサイト
◆KNOCK OUT MONKEY レーベルサイト
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