【Kawaii girl Japan/インタビュー(前編)】「ライヴは一番後ろの人に向かって歌え」。SHOW-YA・寺田恵子×Silent Siren、世代を超えたガールズバンド対談

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ガールズバンドの先駆け的存在であるSHOW-YA。男社会であるバンドシーンの中で、引けを取らない絶対的な存在感を印象づけた彼女たちは、当時はもちろん、現在もロックシーンのトップに君臨する。ヘヴィな音と、圧倒的なスキルを誇る寺田恵子のボーカル力は、今もブレることなく、生き続けているのだ。

◆SHOW-YA×Silent Siren 写真

一方、2010年に結成したSilent Sirenは、それぞれの経緯でファッション雑誌の読者モデルとなった、すぅ(Vo & G)、あいにゃん(B)、ゆかるん(Key)、ひなんちゅ(Dr)の4人から成るガールズバンド。“静かな警告”という意味を持つというバンド名は、ガーリーでサイレントな楽曲もあれば、サイレンを響きわたらせるようなロックな楽曲もある彼女たちの音楽性も現している。SHOW-YAのデビュー時には、まだ生まれていなかったというSilent Sirenの4人。ガールズバンドという接点から、様々な方向に広がったガールズトークは必見です!

  ◆  ◆  ◆


―― Silent Sirenの4人にとっては、大先輩となるSHOW-YAの寺田さんとの対談になりますが。

寺田:もうね、先輩というか、お母さんだよ。全員産めるもん(笑)。それに、SHOW-YAは今年デビュー28年目ってことは、まだ全員産まれてないんでしょ?

ひなんちゅ:そうですね。でも、私はバンドを組んでから、いろんなガールズバンドを遡って聴いたりしていて、SHOW-YAさんを知って、カッコイイバンドだなって思っていたんです!

すぅ:私も、もちろんリアルタイムではないんですが、両親がSHOW-YAさんを聴いていたのもあったので、随分前からSHOW-YAさんの存在は知ってました。

あいにゃん:私も両親が知っていたので、今日対談してもらうことを話したら、びっくりしてました!

ゆかるん:私も両親が知っていて、後から遡って聴いて、カッコイイ!って思いました。今日も、寺田さんに会うって言ったら、両親にすごく羨ましがられたんです!

寺田:あははは。そういうの嬉しいね。でもそっかぁ~、みんな産まれてなかったのかぁ~。なんか、すごいね。なのにこうして一緒に話せるって。

―― 今日はいっぱい勉強させてもらわないとね(笑)。


Silent Siren:はい!よろしくお願いします!

寺田:いいよぉ~何でも聞いてっ(笑)。何でも教えちゃうよ!SHOW-YAよりも前にもガールズバンドは居たんだけど、私たちの後が少し居なかったんだよね。SHOW-YAが売れた時に、一気にいろんなレコード会社がガールズバンドをデビューさせたのもあって、一時期すごく多かったんだけどね。92年の<NAONのYAON>は、出演者を、ほとんどガールズバンドで固めることが出来たんだけど、それまではアイドルの女の子や、女子プロの人や、女優さんに出てもらってたりしたからね。

すぅ:そうなんですね。歴史を感じますね。またここ最近、女の子バンドって増えてきてますもんね。

寺田:そうだよね、今、女の子バンド熱いよね!すごい嬉しいことだよね、それって。

―― 寺田さんは、最初から、女の子だけでバンドをやりたかったんですか?

寺田:ううん。私、SHOW-YAに入ったのが17歳のときなんだけど、それまでにもSHOW-YAから誘われていて、3回断ってるの。

あいにゃん:え!?どうしてですか?

寺田:女バンドが嫌いで、やりたくなかったから(笑)。

Silent Siren:へぇ~~~っ!

寺田:そうなのよ。でもね、4回目に誘われたときに、さすがにもう電話で断るの悪いなと思ってスタジオまで行ったら、たまたまバイト先が同じだった人がドラマーで、断るタイミングを見失い、そのままSHOW-YAに入っちゃったっていう(笑)。その前は、男バンドでボーカルやってたんだけど、女の子バンドをやり始めてみて、純粋に音楽に打込んでる姿とか、一生懸命さを見て感動して、そこからは女バンド一直線だったけどね。

すぅ:そうだったんですね!私たちは、最初は、ただバンドがやりたい!っていうところから始まったので、ガールズバンドにこだわっていた訳ではなかったんですけど、たまたま集まったのが女の子だったって感じなんです。

寺田:なるほどね。またSHOW-YAとは違ったスタイルのバンドだよね。圧倒的にヴィジュアルが違う(笑)。Silent Sirenは可愛いもんね。

すぅ:いやいやいや、私たちもカッコ良くなりたいんですけど、SHOW-YAさんまでのカッコ良さになるには、相当頑張らないとダメなので……。

寺田:いやいやいや、これね、歳を重ねていけば、自然とそうなっていくのよ(笑)。デビューしたのは、私が21歳の頃だったんだけど、今みたいなスタイルではなかったからね。昔、アマチュア時代は、リーダーがすごく厳しくて、普段からジーパンとかはいて、化粧もあんまりしないっていうスタイルでやってたの。リーダーに、女の子が女を売りにしないガールズバンドにしたいっていう、強い意志があってね。だからスカートもはけなかったし、キャッキャキャッキャするのも止められていたし。だけど、デビューが決まったと同時に、そのリーダーが結婚を期に辞めてしまったので、じゃぁ、デビューを期にちょっとスカートでもはいてみる?みたいな(笑)、ちょっと小綺麗にしてみようか、みたいな周りの動きもあり、白いジーパンにカラフルなタンクトップとか着てみたりして、イメージを明るくしたというかね。まだ当時は、ハードロック自体が世の中に浸透していなかったから、ハードロックではあるけど、ちょっと女子大生風なんですよ、っていうアピールで攻めたんだよね。それまでは、髪もブワーッって広がってて、黒尽くめでっていう、いわゆる王道なハードロックのスタイルだったんだけど、デビューのときに、ちょっとイロを変えたってのはあったんだよね。


Silent Siren:へぇ~。

―― Silent Sirenは、ヴィジュアル面も音楽面も含め、どんなバンドになりたいっていうのはあったの?

ひなんちゅ:やっぱり女の子だし、可愛い服も好きだし、そういう服も着たいんですけど、やっぱりバンドって、カッコイイモノだと思っているんです。みんなそれぞれ好きなモノはあるんですけど、音楽は、男臭い音楽が好きだったりするんで、Silent Sirenは、可愛いとカッコイイの両方を感じてもらえるようなバンドになれたらいいなと思っているんです。最初から最後までカッコイイ!っていうよりも、可愛い中にカッコイイ部分があるみたいなバンドになりたいなって。例えば、ベースでブゥ~ン!(※スライド)ってやってる瞬間とか、“おぉ!カッコイイ!”って思ってもらえるような。いろんな面を見せられるようなバンドになりたいんです!

ゆかるん:曲ごとにイメージを変えていけるようなバンドになれたらいいなって思っているんです。SHOW-YAさんは、もう文句無くカッコイイから、カッコイイを追求していくことで、さらにカッコ良くなってると思うんですけど。

寺田:いや、ウチは可愛い瞬間がないからね(笑)。

ゆかるん:いやいやいや、でも、本当に憧れちゃうんです!パフォーマンス面1つとっても、全部カッコイイし。やっぱりいろいろと研究されているんですか?

寺田:ん~。立ち姿とかかな。私がね、18歳くらいの頃に、紫っていう沖縄のロックバンドの先輩が居たんだけど、その先輩に、“ちっちゃい女の人がステージで大きく見せるには、とにかく指の先まで神経を使うことだよ”って言われたことがあったの。神経を使うことで、いつもの自分よりも大きく見せることが出来るんだって。ただ手を広げるにも、指の先まで神経が行ってるか行っていないかで随分違ってくるって、それをすごく練習したよ。さっき言ってた、ベースのスライドのこともそうだけど、そこにどれだけ命をかけられるかで、随分違ってくるからね。よく聞くのは、男女問わず、鏡の前で自分がどう見えるかを研究しているらしいよ。人によってカッコ良く見える仕種や立ち姿は違うから、いろいろと自分を知ることが大事なんだと思う。

ゆかるん:なるほどぉ~。今日この後練習があるんで、さっそく始めてみます! 

あいにゃん:見せ方も大事なんですね。

寺田:そう。やっぱりエンタテイメントだからね。バンドとしては、演奏をしっかりする、スキルを上げるというのは、最低条件だったりするけど、ステージに上がったら自分たちのどんなところを見せたいかっていう演出面を考えるのも、バンドとしては欠かせない部分だと思うからね。

◆インタビュー続きへ
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