【インタビュー】CREAM、「夏に向けて、“こういう遊びがしたいでしょ!”って煽れる曲になればいい」

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2013年2月にメジャーデビューアルバム『DREAMIN'』をリリースしたCREAMのふたり。世界中のダンスフロアで鳴り響く可能性を秘めたそのハイクオリティな楽曲と、エッジの効いたクラブシーンと強烈にシンクロするファッションにより“CREAM TEAM”と呼ばれるファンから絶大な支持を集める彼らは、どのようにCREAMを形作ってきたのか? それぞれの音楽的バックグラウンドについて紐解くとともに、再生回数1500万回を超えるYouTube チャンネル「CREAM VISION」で成し遂げたかったこと、そして、2013年夏のパーティーチューン決定盤と言えるニューシングル「Wonderland」についてまで訊いてみた。

  ◆  ◆  ◆

── まず、あらためてCREAM が結成されたきっかけを聞かせてください。

Minami:もともと5年くらい前に3人組のユニットを組んだんです。それからしばらく活動をつづけてきたんですけど、もうひとりのメンバーが脱退したタイミングでStaxxとふたりで2011年にCREAMを結成しました。

── CREAMという名前の由来は?

Minami:すごく悩みました。前に組んでたグループの名前がすごく難しかったんで。

Staxx T:英語にするんだったら、見た瞬間に頭に何かが浮かぶようなものにしたかったんです。難しいと印象に残らないので、シンプルにすることが大切だと思っていて。

── 確かにCREAMという響きも字面もすごくポップ。ここに込められた意味は?

Minami:“CREative”と“teAM”というワードの融合です。私たちは全部自分たちでプロデュースをしていたり、ふたりでクリエイティ ブなことをやっていこうっていう意味を込めてます。あと、“CREAM”って言葉自体にすごくヒップホップの雰囲気があるじゃないですか。ウータン・クランの「C.R.E.A.M.」っていう曲があったり。

── ふたり自身の音楽的なバックグラウンドもすごく気になります。

Staxx T:僕はもうずっとヒップホップ畑です。昔はでっかいバスケジャージとか着て、ダボダボのジーパン履いてるみたいな、いわゆるB-BOY。音楽もヒップホップやR&Bばかり聴いていた感じで。それから音楽活動を始めていく中で、いろんなジャンルを取り入れながら自分のスタイルを作り上げていきましたね。

── 大阪出身ということで、地元のヒップホップシーンからの影響も?

Staxx T:僕がラップをやり始めた10代の頃って、まさにDOBERMAN INCがゴリゴリのヒップホップをやってて、5人全員違うチームのバスケジャージを着ていたりして、すごいカッコ良かったんですよ。そういう人たちのファッションを見て、ちょっと真似してみたりとか。当時、DOBERMAN INCに衣装提供していたFIVESTAR MEGASTOREっていう大きなB-BOYの服屋が大阪にあって、そこで売ってる服は手が届かないようなものもあったんですけど、オシャレだったんですよね。無地の白Tシャツはいつも新しいのを着て、中にちょっとタンプトップが透けさせたり、坊主にしたら生え際は直角にトリミングするとかいった美学を先輩から教わって(笑)。その時からスタイルを意識することは大切にしてます。

── Minamiさんはどうですか?

Minami:私は香港生まれなんですけど、当時はイギリスの統治下にあったこともあって、イギリスの音楽をよく聴いてました。小学生の頃はスパイス・ガールズ、そこからインシンクとかバックストリート・ボーイズといったアメリカのポップスにシフトして。中学生になるとボブ・マーリィに興味を持ち始めて、そこから少しずつヒップホップに入っていくんですけど、ポップよりのマーダー・インク(現ジ・インク・レコーズ)のリリースものとかP.ディディとかを聴いてましたね。

── はじめて音楽で感動した!っていう原体験は覚えてますか?

Minami:たくさんありますけど、一番最初に感動したのはマライア・キャリーの来日公演を中学生くらいの時に姉とふたりで観たことですね。その時がはじめてのライヴだったので、すっごく感動したのを覚えてます。

Staxx T:父親がよく音楽を聴いてたんですけど、コレクションの中に「ウィ・アー・ザ・ワールド」のミュージック・ビデオがあって。子供の頃にそれを観て、すごい感動しましたね。マイケル・ジャクソンも王子様みたいでカッコ良かったし。

── ふたりとも入りは洋楽なんですね。

Staxx T:そういえばはじめて母親に買ってもらったCDが、ペット・ショップ・ボーイズの「ゴー・ウェスト」でした(笑)。

Minami:意外だよね(笑)。

── ふたりともソングライターとして他のアーティストに詞曲を提供したり、フィーチャリングで参加したりしてきたわけですが、そこから得られたものもたくさんあると思います。

Minami:私自身、曲を書けると思っていなかったんですけど、きっかけを作ってくれたのがVERBALさんで。BoAさんに提供した「BUMP BUMP!」が人生で初めてフル尺の曲を書くっていう経験だったんです。その時をきっかけにソングライティングを追求するようになりました。だから、VERBALさんに「曲を書いてみなよ」って言っていただかなかったら、一生自分が曲を書くことがなかったかもしれないです。

Staxx T:そこで目覚めたな(笑)。

Minami:うん(笑)。VERBALさんと会ったのも3回目くらいの時だったから、すごく緊張しましたけどね。

── その経験がなかったら、いまのCREAMのようにはならなかったと言っても過言ではないですね。

Staxx T:そうですね。自分自身でメロディを書いて、それを自分自身で唄うってことが大切だと思ってて。自分が一番フィットするものを唄えるから。

Minami:クオリティ・コントロールという視点からも、自分たちで楽曲をプロデュースすることのメリットは大きいと思います。最終的に納得できるものを作り出せるし。人に頼むと時間がかかったりもしますしね。

── そんな中、やっぱりCREAMとしてデビューすることへの思いは強かった。

Minami:お互い一緒に活動をするようになる前からデビューすることが夢だったし、一緒にやり始めてからも、ずっとメジャーデビューしようねって言ってたことが叶ったので、やっぱり嬉しかったですね。

Staxx T:メジャーデビューにはすごくこだわってました。どうせ出るならデカく出たい!と思ってて。徐々にジャブを打っていくより、一気に勝負して、ダメなら辞めるくらいの勢いで。だから、すべてをデビューアルバムの『DREAMIN'』にかけたかった。

── その『DREAMIN'』は“DREAMS & REALITY(夢と現実)”という言葉をテーマにしてます。そこに込めた思いは?

Staxx T:メジャーデビューはひとつの大きな夢で、そこにたどり着くまでに自分たちが経験したリアリティの部分をしっかりと詰め込みたかったんです。はたから見たらすごく華やかで輝いているアーティストも、そうなるまでにはたくさんの苦労があったり、見えない所で努力をしていて、その積み重ねによって、輝くことができる。夢を追いかけるというのは簡単なんですけど、甘い部分ばっか りじゃなくて、酸っぱかったり苦かったりする部分もあるから、そこもリアルに表現したかったんです。

── アルバムの中で特に聴いてほしい曲はありますか? 1曲に絞るのは難しいと思うけど(笑)。

Staxx T:すぐ全部って言っちゃうからね(笑)。

Minami:訊かれた時のタイミングによっても違うんだよね(笑)。最近は改めて「KISSING (Flip Side)」がすごい好きで。デモの段階で、すでに曲の完成度が高かったんですよ。この曲は女の子にもすごく人気がありますね。

── Staxx さんはどうでしょう。

Staxx T:最後の「Wait Your Turn」は夢を追いかけることの真理が集約されているので、聴いている人に持って帰ってもらいたいメッセージが詰まってますね。アルバム一枚を聴いた流れで、CREAMがここまでたどり着いた軌跡みたいなものを最後にこの曲で感じてほしいです。
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