【インタビュー】ZIGZO、「“さぁ次はどんな新しいヤツらが来てくれるんだ!?”というところで『TRUE IMPULSE』を作ってた」
奇跡の復活から早1年4ヶ月。フルアルバム『THE BATTLE OF LOVE』とそのツアーで空白の10年にケリをつけたZIGZOが、新たな夢へと走り出した。果たして、彼らを突き動かす“衝動”とは? 7月17日にリリースされるミニアルバム『TRUE IMPULSE』をもとにその正体を探りながら、9月8日の赤坂BLITZワンマン“ZIGZO TRUE IMPULSE”、さらに7月20日にタワーレコード渋谷店で行われる謎のインストアイベント“『TRUE IMPULSE』完全再現ライブ+なんと握手会(笑)”について、高野哲と岡本竜治に訊く。
◆俺も『THE BATTLE OF LOVE』を書いてた頃の哲とはまた違うものになってるなっていう感覚ではいたかな。(岡本)
──あちこちのインタビューで“俺達も年取って丸くなりましたよ”と散々おっしゃっていたZIGZOさんですが。
高野哲(以下、高野/Vo&G):おっしゃってましたっけ?
──おっしゃってました(笑)。でも、僕はそんなことこれっぽっちも思ってなくて。ジグソーパズルにたとえると、10年前はひとつひとつのピースを無理矢理はめてたような気がするんですね。
高野:ああ、そうかも!!
岡本竜治(以下、岡本/G):“重なってても無視!!”みたいな。
高野:うんうん。確かにそうだったと思う。
──でも今は、ひとつひとつのピースは10年前より尖ってるんだけど……
岡本:そのピースがメンバーってことね。
──そう。そのはめ方がものすごくうまくなったんじゃないかと。
岡本:うんうんうんうん。たぶん今は“俺(がはめるところ)ここだからここに立ちます!!”みたいな。
高野:でも、それぞれはややこしいヤツになってるっていう(笑)。
──でも、完成した絵はすごく綺麗っていう。
岡本:そこがアートなんですよ。
──ひと言でまとめるな!!(笑)
高野:さっきまでコメント30本ぐらい撮ってたからね、すぐまとめようとするんだよ(笑)。
──1枚の絵としてちゃんと仕上げられる自信を持てたから再結成したんですか?
高野:あ、それはない。“10年だからやってもいいんじゃない?”ぐらいの軽い感じ。
岡本:そもそもはライブ1本やるっていうだけでしたからね。
高野:そう。それで終わりぐらいの。それが“俺もやる!!”“俺もやる!!”って周りが賛同してくれたから、調子に乗って今に至るっていう。
岡本:調子に乗りくさってます(笑)。
──ただ調子に乗ってるだけだったらフルアルバムの後にミニアルバムなんて作らないと思うんです。『THE BATTLE OF LOVE』とそのツアーで空白の10年に確実にケリがついたから、また新しいところに行けたのではないかと。
高野:あ、それはある。復活に至るまでミーティングする期間が1年あって、ライブして、『THE BATTLE OF LOVE』を作ったときに、ミーティングからのことが全部帰結してるような感じがしたんですよね。だからあそこで終わってる感が1回あって。
岡本:それぐらいの情熱を注いだもんね。
高野:熱量すごいと思うし。で、じゃあこのバンドが次何するのかなっていうのを探さなきゃいけないよねっていう、それをどっかで意識しながらツアーをやっていたんだけど、その断片は入ってるんじゃないかって気はする、このミニアルバムに。
──僕はそれ、“新しい叫び方”だと思っていて。曲で言うと「Dancing in the Chains」とか「To Get Her」とか。
岡本:今回1曲目の「衝動」と2曲目の「BPM365」以外はなんとなく作ってあったレパートリーなんですよ。
高野:いや、「残響」も前からあった。それ以外は全部一緒に書いたから。
岡本:そうかそうか。
──つまり「衝動」と「BPM365」、「残響」以外は何も意識しない、フラットな状態で書いた曲っていうことになると思うんですけど、例えば「Dancing in the Chains」は物語で叫んでる気がするし、「To Get Her」はまさに叫んでないのに叫んでて、さっきの絵の話じゃないですけど、10年前は“俺は今これを叫べば満足!!”ていう意識だったのが、今は曲という絵が10年後も遺っていてほしいって思ってる気がするんです。
高野:あ、でもずっとあってほしいなっていうのはあるかも。極端に言えばキーだったりするんだけど、“これ10年後に歌えるのかな?”とか、“こんなテンポ10年後叩けるわけ? 弾けるわけ?”ていう判断はここんとこあるかもしれない。
岡本:「衝動」の8ビートはキツいぞ? 特にあのギターのミュートの8ビートはZIGZOの財産ですよ。
高野:この前、PVの当て振りすら出来てなかったけどね、“あれ? こんな速いんだ!?”って(笑)。
──あはははは(笑)。でも、その“遺す”という意味では今、明らかに10年前とは違う、1年前とも違う表現方法を使ってますよね。
岡本:そこは俺も『THE BATTLE OF LOVE』を書いてた頃の哲とはまた違うものになってるなっていう感覚ではいたかな。
高野:そこは曲が先っていうのがあるから何とも言えないんだけど、もっと自然なトーンで歌っていたいなっていうのはある。叫ぶのヤだ。疲れる。
岡本:“もう俺は叫ばねぇ!!”
──見出しいただきました!!
高野:でも、10年後もギャーギャー言ってたくないですよね。
──とはいえ、ギャーギャー言ってこそロックだという意見もあるわけで。
岡本:そこじゃなくてもその気持ちは伝わるんだぜ。
──また見出し狙おうと思って(笑)。
高野:ゆとりとかあった方がいいですよ。余白というか。聴いてる人にもね。みっちりして、もう空気の入る隙間すらない音楽は十分やって来たから。
◆今はお客さんの顔がはっきり見えるんですよ。それを見ながら思ったのは、こいつらは今の俺達のことを絶対に好きなヤツらだって。(高野)
──今にも破裂しそうなぐらいパンパンに膨らんだ風船みたいな音楽?
高野:そう。それは疲れますよ。だから今はこういう方向でいいんじゃないかな? 40歳まで音楽やって来れたし、この先もやってるんだろうなって思うと、違う意味かもしれないけど余裕にもなるし。今はこうだなって感じ。
岡本:それ大事だよね。
高野:うん。“そのとき感じたことをそのまま出さずして何がロックだ!!”ていう感じもあるし。そこは身勝手でいいかなって。こんな身勝手でも支持してもらえるなんていい商売ですよね、ロックバンドって。もちろんニーズに応えるところもあるんだけど。今はお客さんの顔がはっきり見えるんですよ。それを見ながら思ったのは、こいつらは今の俺達のことを絶対に好きなヤツらだって、本当のコアなファンだって。それはすごく誇りに思えたし、愛おしい気持ちもあって。そういう意味でお客さんの顔が見えるって言ったんだけど、そこから“さぁ次はどんな新しいヤツらが来てくれるんだ!?”ていうところで『TRUE IMPULSE』を作ってた感じはある。
──7月20日にタワーレコード渋谷店B1「CUTUP STUDIO」で行われる“『TRUE IMPULSE』完全再現ライブ+なんと握手会(笑)”もニーズの応えてのものなんですか?
岡本:いや、それはそのタイトルを見てニヤニヤしてタワレコに集まってくれるお客さんが楽しんでもらえればいいかなぐらいの。
高野:で、手には竜治がマヨネーズで俺がタルタルソースでDEN(大西)がポン酢で……
岡本:櫻は大根おろしって言ってたよ(笑)。
──愛おしいファンにそんないたずらするんだったら俺は手に画鋲を仕込んで行く!!(笑)
岡本:いいね、その感じ(笑)。
──だから、あくまでも握手会は洒落で、メインはミニアルバム完全再現なんですよね!!
高野:でもね、その後他の曲が入って来て初めて解るわけだから、この『TRUE IMPULSE』っていうミニアルバムがどういうアルバムかっていうのは。
岡本:公開リハーサルすよ。
──そこまで言う!?
岡本:俺、自分が好きなアーティストの公開リハーサル見たいです。そう思って目撃しに来てくれればより楽しんでいただけるんじゃないかな? そのぐらいの肩の力抜いたところで見に来てほしいなっていうのはある。で、本番は……
──9月8日の赤坂BLITZ!!
岡本:いや、握手会ですよ(笑)。
高野:そっちなんだ(笑)。
インタビュー&文◎加藤祐介
mini album 『TRUE IMPULSE』
2013年7月17日発売
CRCP-40347 ¥1,800(税込)
1.衝動
2.BPM365
3.STOP!
4.Dancing in the Chains
5.To Get Her
6.残響
【イベント情報】
ZIGZO「TRUE IMPLUSE」発売記念スペシャルイベント第二弾
<メンバー全員参加サイン会(1部/2部)+スペシャル・アコーステックLIVE>
■日程:2013年8月30日(金)
◆サイン会1部 ※対象:サイン会第1部参加用ステッカーを持参の方
17:00~18:30(受付終了時間 18:00)
◆スペシャル・アコーステックLIVE ※対象:抽選当選者
開場/開演/終了:18:30/19:00/19:30
◆サイン会2部 ※対象:サイン会第2部参加用ステッカーを持参の方
20:00~21:00(受付終了時間 20:30)
■ 会場:東京ダンス&アクターズ専門学校
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-24-6
http://www.da-tokyo.ac.jp/school/info/access.html
※会場へのイベントに関するお問い合わせはご遠慮ください。
■ お問い合わせ
本件に関する全てのお問い合わせは、下記までお願い致します。
ZIGZO事務局
zigzo-info@crownrecord.co.jp
※基本的に24時間以内(土日祝日前後のお問い合わせは除く)に返信をさせて頂きますが、事情により遅れる事もございますのでご了承下さい。
7.20 ZIGZO ミニアルバム「TRUE IMPULSE」発売記念 購入者スペシャルイベント
<”TRUE IMPULSE”完全再現ライヴ+なんと握手会(笑)>
日時:2013年7月20日(土) 18:30~
会場:タワーレコード渋谷店B1F「CUTUP STUDIO」
対象店舗:タワーレコード渋谷店・新宿店
<赤坂BLITZ公演決定>
2013年9月8日(日) 赤坂BLITZ
OPEN / START:16:30 / 17:30
■チケット
1Fスタンディング¥5,000 / 2F指定席 ¥6,000(ドリンク代別)
※U-20チケット有り
一般発売日:8月4日(日)
[問]:DISK GARAGE 050-5533-0888(WEEK DAY 12:00~19:00)
先行予約:5月3日22:00より受付開始
PC、携帯、スマートフォン共通 http://www.getticket.jp/g?t=x6kh4nu
[配信情報]
7月17日(水)0時より
ZIGZO Official Facebookページにて先行配信(PCのみ)
7月31日(水)0時より
iTunes、レコチョク 他で配信開始
[配信作品]
■Single
1st Single「血と汗と涙の裏側のハッピー
2nd Single「ひまわり」
3rd Single「splash!」
4th Single「tonight,I,will fall」
5th Single「WALK」
6th Single「THE WORLD INTRODUCTION」
7th Single「Flow」
8th Single「チェルシー」
■Album
1st Album『MONSTER MUSIC』
2nd Album『Add9 Suicide』
Best Album『Got”S”and dis-Star -Best of ZIGZO-』
[再発ベストアルバム詳細]
『Got”S”and dis-Star -Best of ZIGZO-』
2013年9月18日発売
COZP-804~5 ¥3,675(税込)
収録曲
CD
全13曲収録 『Blu-spec CD2』仕様
1.裸ピストル
2.splash!
3.ひまわり
4.WALK
5.sleep
6.血と汗と涙の裏側のハッピー
7.tonight,I will fall
8.Wonderful Day
9.3days in a well
10.笑う月
11.flow (no fade)
12.何から何まで
13.THE WORLD INTRODUCTION
DVD
1.血と汗と涙の裏側のハッピー
2.ひまわり
3.splash!
4.tonight,I will fall
5.WALK
6.THE WORLD INTRODUCTION ※初収録
7.flow ※初収録
8.チェルシー ※初収録
◆ZIGZO オフィシャル・サイト
◆ZIGZOオフィシャルFacebook
◆ZIGZOオフィシャルTwitter
◆ZIGZO 日本クラウンサイト
この記事の関連情報
全員ボーカリスト!? Chirolyn × 木村世治 × 高野哲によるスリーピースバンドSillys始動
ZIGZOやnilの高野哲、3rdソロアルバムを10月リリース+50本ツアー後半戦の詳細発表
【インタビュー】高野哲、50歳50公演のソロツアー中に語る「自分が書くものは、いつもラヴソングであって欲しい」
ZIGZOやnilの高野哲、17年ぶりソロアルバムリリース+50本の全国ツアー開催決定
MUCC、『新世界 別巻』全曲試聴トレーラー公開+発売記念ライヴにSakuraが参加
【レポート】ZIGZO、全国ツアー<across the horizon>東京公演で「しぶとくライブをやり続けてます」
ZIGZO、今井俊彦監督によるミュージックビデオ集はアルバムと対を成す青盤
【連載 番外編対談】櫻澤の本気 II、MUCCミヤと語る「ミュージシャン目線と制作現場目線」
ZIGZO、メンバーの別プロジェクト集結イベント<CHAIN THE Z>を8月に東名阪開催