【ライブレポート】KNOCK OUT MONKEY、幕張メッセという大会場もライブハウスと同じノリにしてしまった<PUNKSPRING 2013>

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3月31日、KNOK OUT MONKEYが<PUNKSPRING 2013>のステージに登場した。幕張メッセという大舞台を激しく揺らしたステージの詳細に迫ってみたい。

◆KNOCK OUT MONKEY画像

「幕張! 踊れ!」。2012年の大阪会場に続き、2013年は東京会場で<PUNKSPRING 2013>の口火を切る雄叫びを上げたのはこのバンド、2年連続出演で<PUNKSPRING>のオープニングステージに立ったKNOCK OUT MONKEYだ。ライブが幕を開けると同時に強烈な勢いで放たれる、幕張メッセ9・10・11ホールの広大なスペースを貫く爆音。“Everybody, scream & shout Emotion さらけ出して──”。この日のオープニング・ナンバーとなった「Scream & Shout」のリリックのごとく、自らの内側で昂ぶるエモーションをさらけ出して叫ぶ4人のサウンドへ吸い込まれるかのように、開場間もない幕張メッセへ続々と詰めかけてくるオーディエンスが<BLUE STAGE>を埋めてゆく。

2012年はこの<PUNKSPRING>や<SUMMER SONIC>など数々のフェスへ登場し、2013年に入ってからも、難波章浩-AKIHIRO NAMBA-の全国ツアーで自身の地元・神戸のKINGS CROSS公演に出演。活動のフィールドを広げていく中で完成させたニューミニアルバム『reality & liberty』のリリースツアーは、地元凱旋公演となる神戸・太陽と虎公演が早々にソールドアウトと、勢いを増していく活動ぶりが最近は特に印象的なKNOCK OUT MONKEY。冒頭の「Scream & Shout」の残響音がエコーし、それを歓声が包むBLUE STAGEに堂々と立つ姿からも、今の彼らの自信がうかがえるようだ。

「春なんで、桜とか、春一番とか色々、日本にいれば感じられると思うんですけれども。こうやってガチャガチャした、ワイワイするのが好きな我々は、今日みたいな一日、このイベントで春を感じられるんじゃないかと。たぶんみんなもそうやと思うからさ、ちょっと暖かくなったり、“そろそろこの季節、ロックの季節が来たか!”と、そうい人がいっぱいいると思うんで。準備運動させるつもりはございません。明日筋肉痛になってもいいやん。それだけ今日楽しんだってことやと思うから、全力で、好き勝手……。(自分達のことを)知ってても知らんでもいいです。前で暴れるでも後ろで踊るでもいいです。好き勝手遊んで下さい! よろしくお願いします!」――w-shun

ここから数々のバンドが一日かけてステージを彩っていく<PUNKSPRING>だが、初っ端からエンジンは全開だ。「幕張のパンク好き、そんなもんちゃうでしょ!」と、まだまだ好き勝手遊べるだろ!と挑発するようなボーカルw-shunの叫びから、「JET」の開放的な空気感に満ちあふれた爆音が走り出す。そして、フロアの人波の上を、オーディエンスが前方へ向かって勢いよく転がっていく。幕張メッセという大会場も、ライブハウスと全く同じノリにしてしまうスピード感は彼らの真骨頂だ。

と同時に、そのスピード感とともに、あの手この手のフック的要素を仕掛けてくることも彼らの真骨頂。「JET」でdEnkAがたっぷり披露したギターソロは、ハードロックやヘヴィメタルがそのルーツにあるのかもしれないと想像させたり。そんなギターヒーロー的シーンもあれば、「HOPE」は亜太のベースはスラップが炸裂。バシバシとインパクト強烈に、かつグルーヴィーに弦を打ち付ける右手からの振動に、ナオミチのドラムがシンクロして生まれるリズムはファンキーなことこの上ない。<PUNKSPRING>のパンク好きオーディエンスをエキサイトさせる疾走感、昂揚感。その中に、ある意味ジャンルレスなサウンド・エッセンスを巧みに組み込んでいく彼らの個性は、この日のライブから確かに見えた。

そして、ラストナンバーとなった「Climber」は、豪快なギターリフ、ダンスホール・レゲエをどことなくイメージさせるトライバルなリズムがフロアを激しく揺らす。「後ろ見えてんで、 全員の顔!」(w-shun)。彼らのことを知らないオーディンエンスはきっと多かったはずだが、KNOCK OUT MONKEYの音楽は、初めて会った人をも巻き込んでひとつにさせる力があった。

「綺麗事じゃなく、僕らは会場にピースな空間を作っていきたいし、居心地のいい場所に感じてもらいたい。ステージとフロアっていう差はありますけど、どちらにいても共通してそういう場所を作っていきたいですね」(w-shun)

“もし自分がKNOCK OUT MONKEYのリスナーだとしたら、ライブハウスでどんな楽しみ方をしますか?”。BARKSでの『reality & liberty』インタビューで、そう尋ねられた際の彼らの答えは、この日のライブで言葉通りに再現された。<PUNKSPRING>のオープニングを、激しくもピースな空間に染めたKNOCK OUT MONKEY。ファイナルの5月23日、渋谷O-WESTまで続く<『reality & liberty』Tour>でも、他の対バンでもイベントでも、“liberty(自由さ)”に満ちあふれた彼らの音楽がオーディエンスの心を撃ち抜くに違いない。

取材・文◎道明利友

New Mini Album『reality & liberty』
2013年3月6日発売
QCL-014 ¥1,500(tax in)
1.Beginning(skit)
2.Scream & Shout
3.Primal
4.Blazin'
5.Neverland
6.ピエロの仮面
7.TODAY
8.Climber

<reality & liberty Tour>
2013年3月21日(木)広島・広島CLUB QUATTRO
2013年3月22日(金)京都・京都MUSE
2013年4月04日(木)兵庫・神戸 太陽と虎
2013年4月06日(土)長崎・長崎Studio DO!
2013年4月07日(日)福岡・福岡Queblick
2013年4月12日(金)愛知・名古屋Electric Lady Land
2013年4月20日(土)北海道・旭川CASINO DRIVE
2013年4月21日(日)北海道・苫小牧ELLCUBE
2013年4月22日(月)北海道・札幌Bessie Hall
2013年4月24日(水)北海道・帯広Studio Rest
2013年5月17日(金)宮城・仙台MACANA
2013年5月19日(日)大阪・心斎橋CLUB DROP
2013年5月23日(木)東京・渋谷O-WEST -Final

<ライブイベント出演>
■COMIN’KOBE13
2013年4月29日(月・祝)神戸ワールド記念ホール、神戸夙川学院大学
■TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2013
2013年5月25日(土)東京・新木場 若洲公園

◆KNOCK OUT MONKEY オフィシャルサイト
◆KNOCK OUT MONKEY レーベルサイト
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