【インタビュー】三浦大知と雑談をしよう。後編 「みんなの“気づき”になりたいですね」
■ 大切なこと
── しっかし、歌詞書いて、曲作って、歌って、ダンスして、ピアノとかも弾けて。ほんとすごいですよね。才能がハンパない。
大知:いやいやいや、全然すごくないですよ! 音楽しかできないんで。
── たとえば、楽曲を創ることと、それを歌うこと、そしてダンスパフォーマンス、それぞれに「自分が大切にしたいこと」ってなんですかね。
大知:そうですね……(しばし沈黙)。自分の……こう、わがままなところでもあると思うんですけど、とにかく「楽しみたい」ってのがすごくあるので、なんかその気持ちだけは絶対忘れない、忘れたくないなってのはありますかね。歌ったり物を創ったりしてると、なんかこう、どっか、こう、壁とかもあったりするし、なんかもっとこういうふうにしたいんだけどな、とか、なかなかうまく行かない時とかあったりするんですけど。そうなった時に救ってくれるのもまた音楽だったりして。そういうことを考えると、とにかく楽しむってことを……「楽しむし、楽しませる」。ものすごくプラスなものでちゃんと常に音楽がいる、ってこと。自分の人生において、創ることもそうだし、たとえば、プライベートで友だちと遊ぶこともそうですけど、そういうもの全部、音楽でつながっている感じがするので、とにかく音はしっかり楽しんでいきたいなっていう気持ちはブレちゃいけないのかなって思いますね。
── 三浦大知の音楽はプラスのオーラ、気持ちで。
大知:音もそうですし、エンターテインメントっていうものは、そうありたいなって気持ちがすごくあって。たとえば何か曲を聴いて切なくなったとしても、何かそこに気づきだったりとか、「私はこう思っていたんだな」みたいなのって、人生にとってみるとすごいプラスじゃないですか。だからなんかそういうものでありたいなって思いますね。
── なるほど。まぁ、我々もそうですが、そもそもエンターテインメントって、まず自分が楽しくないとお客さんも楽しんでくれないですしね。
大知:だから自分も楽しむし、その気持ちをちゃんと伝える。そして、みなさんがより楽しくなれるものでありたい。そう思いますね。
■ 三浦大知のライブで、圧倒され感動する秘密
大知:あとダンスに関しては、とにかく「なんでダンスがないとダメか」を常に考えています。
── というと?
大知:自分で振り付けしてる時とかに、その、ただただ踊るんじゃなくて、じゃあなんでここにダンスが必要なのかというか、メロディーや歌詞と一緒で、やっぱり意味合いがないとダメだと思うんで。「このダンスがあるからこの言葉が入ってくる」とか「このダンスがあるから風景が見えて、よりこの歌の真意が伝わってくる」とか。聴こえなかった、音だけで聴いていたらわかんなかった音が、ダンスと一緒に見てたら「あ、こんな音が入っていたんだ」って気づくとか。ちゃんとそこがリンクしているようにダンスが存在していないとダメだな、っていうのは思いながらいつも創るようにはしてますね。
── あっ。だから三浦大知のライブを観てると、こう、より歌われている情景や想いがダイレクトに伝わってきて、観ていて心震わされたり圧倒されるんだ。秘密はそこにあったのか。
大知:そうなんですかねぇ。でもそういうことは常に考えてます。ただ、ダンスって立ち位置がすごく難しいなって思う時もあるんですよ。エンターテインメントとして日本で考えた時に、もっともっと面白いものだっていうのをみんなに知ってほしいなって思うし。そういうのをすごく考えるので、ダンスのそういう可能性というか、そういうものは、これからもっと提示していけたらいいなって思います。
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