【ライブレポート】吉川友の無人島愛犬話に、さわやか五郎「続きはWebで!」の好セーブ

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ラストのコーナーは「借りれる人予想競争」。きっかが、ボックスの中に用意されたお題が書かれている紙を引き、会場内にそのお題に当てはまる人がどのくらいいるかを当てる、という企画だ。全問正解したら、「スタッフは<きっかと行くバスツアー>実施についてちゃんと考える」ということで、会場のファンもテンションがグンと上がる。

最初のお題は「ピンクのきっかTシャツを着てきた人」というもの。これに「8人」と答えたきっか。ところが正解は15人。集まったファンのことを甘く見ていたきっかから、早くも全問正解の夢が遠ざかってしまう。2つ目のお題は「会場がO-WESTなので、名字が“西”の人」。これに「(西という名字の人を)見たことがない!」という彼女は、当然「0人」と回答。会場のファンの中にも“西さん”はいなくて、こちらは正解。するときっか、「やったー!全問正解まであと少しですよー!」と、ほんの数分前に起こった“都合の悪い事実”について、さも何もなかったかのような発言を繰り出す。あわてて「全問正解」を否定するさわやか五郎と、それを無視するきっかのやり取り(?)に笑いが止まらない。

続く「きっかTABを愛用している人」というお題でも、彼女はファンを甘く見た模様。ざっと20人以上が手を挙げる光景を前に、何も言わずにもう1問リクエスト。泣きのもう1問は「今日が誕生日の人」。きっかは大げさに画用紙に1本線を引く(つまり1人)。そして会場からの回答は、まさかの0人。見事に惨敗してしまったきっかは、「きっかがシュッて書いて“1”ってわかるんだから、そこ、ずるでもして……かんばりましょ、みなさん。」と、2公演目、3公演目に向けて、何やら会場に小声で“小悪魔の囁き”をするのであった。

「途中でランチパックが出てしまったらすみません!」と、宣言をしていよいよライブ後半戦へと突入……するところだが、フロアの観客がその発言に爆笑したため、きっかはいささか不可解に思っている様子。「なんですか。ジャスティン・ビーバーさんは、牛乳を飲んで……」と言ったところで、ステージ袖のマネージャーの顔色が伺い知れたのか、話を切り上げて次の曲へ。もっとも、その後、ライブで“そのようなトラブル”はなく、ジャスティン・ビーバー、レディー・ガガというラインに日本の吉川友が並ぶという事態は間一髪のところで(?)免れたことを一応報告しておく。

第1回目の<きっかフェス>以来となる「Knight Flight」をしっとりと歌い、「Twinkle Days」で再び会場の空気を高めていく。そして本編ラストは「ここから始まるんだ!」。連日のライブで彼女の喉が疲労していないわけではない(喉に負担がかかりやすい話し声では、疲れ具合がよくわかった)が、さほど影響を受けていない歌声。いや、むしろ終盤にかけて、僅かな声の出し方の変化を感じ取ったファンもいたかもしれない。きっと彼女は、指導を受けたか経験からか、歌声をコントロールする術を学んだであろう。次々に曲を歌いあげていくその姿には、1日歌ったら喉を潰していた1stライブの頃とは違う、もしくはジャンプしながら歌うということだけではない、吉川友がボーカリストとして日々進化しているという成長の一端を見ることができた。

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「みなさーん。ありがとうございまーす。いいですねー。なんかきっかのアンコール。きっかきっかきっかー……きーっかきっかーきっかはまだかなアンコール♪ どうよ?……またテキトーなこと言っちゃった(笑)」

アンコールに登場したきっかは、かっぱ寿司のCM曲のフレーズ(かーっぱかっぱかっぱのマークのかっぱ寿司♪)に合わせて歌い出す。なお、このアンコールでのテーマソング(?)は、2公演目でオーディエンスによって再現されるものの、3公演目には「きーっかきっかーきっかのマークのアンコール♪」と、正直、よくわからない形態へと変化していくことになる。まさに、「きっかもテキトーならファンもテキトー」。しかし、きっか本人もファンも楽しみ、喜んでいるのだから、きっとそれでいいのだ。

吉川友は11月7日にカバーアルバム『ボカリスト?』をリリースする。アンコールでは各回、このアルバムからの1曲が披露された。1公演目に披露されたのは「抱いてHOLD ON ME!」(オリジナルはモーニング娘。)。ハロプロエッグ時代から慣れ親しんだ曲ということもあるのかもしれない。本来グループで歌う曲であり、ブレスのタイミングなど難しい作品なのだが、それでもきっかは曲が持つ世界観も含めて、自分の持ち歌のように丁寧に歌いこなしていた。

「早いもので、次がホントのラストでーす。振りとか真似してくれないと今日帰らせないんで。それではラスト、聴いてください。『こんな私でよかったら』。」

「<きっかフェス>にハプニングはつきもの。」と、過去のインタビューで語っていた吉川友。マネージャー氏からは「ハプニングならいいけど、ミスだから。凡ミス。」と切り捨てられていた吉川友。そんな<きっかフェス>名物のハプニングを最後にきっちりと決めてくれることになろうとは、一体、誰が予想していただろうか。「ホントのラスト」と言ってきっかが披露した「こんな私でよかったら」の後に、“本来のホントのラスト”だった「CANDY POP」を披露して、最後まで大盛り上がりの中、<きっかフェス 4 YOU ~東京後夜祭~>1公演目は幕を下ろした。

最後に吉川友の今後の動きをまとめておこう。1980年代から2000年代のアイドル楽曲を人気ボカロPたちがサウンドプロデュースしたカバーアルバム『ボカリスト?』は11月7日リリース。これにともなう<きっかフェス>第5弾が、11月17日に新宿BLAZEで開催が決定している。また、2013年3月からは舞台『屋根の上のバイオリン弾き』への出演も決まっている。

text and photo by ytsuji a.k.a.編集部(つ)
◆吉川友 ユニバーサルミュージックオフィシャルサイト
◆BARKSかわいこちゃんねる
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