摩天楼オペラ【インタビュー】疾走するメタル・サウンドに眩いばかりのクワイアが降り注ぐ「GLORIA」
1stアルバム『Justice』のリリースと、それに伴うツアーを終えて5ヶ月。地下活動に専念していた摩天楼オペラが、壮大なプロジェクトを携えて帰ってきた。人間の剥き出しなパワーを表現すべく“合唱”をコンセプトに、1年を通して綴られる物語のタイトルは“喝采と激情のグロリア”。その幕開けを飾る10月3日(水)発売のシングル「GLORIA」は、疾走するメタル・サウンドに眩いばかりのクワイアが降り注ぐ、まさしくシンフォニック・メタルの極みとも言える作品である。そこに到る道のりを苑(vo)、Anzi(g)、悠(ds)が告白。前作インタビュー時の“シーンには昔からあるけど今、やるの?って感じ”という次回予告を有言実行した今作には、摩天楼オペラの光り輝く未来が繋がっている。
◆摩天楼オペラ「GLORIA」~拡大画像~
■「GLORIA」の合唱という表現が生まれた
■“喝采と激情のグロリア”というキーワード
――ロックバンドのCDとしては、なかなか意外な雰囲気のジャケットですね。
Anzi:ちょっとイージーリスニングのCDみたいですよね。ヴァイオリンが聴こえてきそうで、実際の音とのギャップがすごい(笑)。
苑:デザイナーさんにキーワードを伝えて、作っていただいたんですよ。今回は栄光、光、壮大とか、解き放つような感じでお願いしますと。
――GLORIA=栄光ですものね。そこにテーマが行き着いた経緯から聞きたいのですが、2012年3月にアルバム『Justice』をリリースし、それに伴う全国ツアーを5月4日の赤坂BLITZで終えてから今まで、ライヴ活動を休んでいたとか。
悠:はい。原因は僕の腕のせいだったので、その間とにかく治療に専念して。「GLORIA」の制作でも最初は打ち込みで進めていたから、実際に僕がドラムを叩き始めたのって、レコーディングのほんの数日前だったんですよ。
Anzi:でも、今となっては一定の期間ライヴを休んだのが、逆に良かったと思うんです。ちょうど『Justice』のツアーが終わったとき、苑が“グロリア”というワードを持ってきて。“喝采と激情のグロリア”をテーマに年間通してプロジェクト的にやっていきたい……という提案から、じゃあ、それを一つのショービジネスとして、どう展開できるだろう?っていう話し合いを、ライヴが無かったぶん、すごく濃密にできたんです。もちろん曲作りの時間も通常以上に取れたし、ただ、1年後のヴィジョンを見据えて準備するとなると、作らなければならない曲があふれ返ってきて! 作ったら次、作ったら次、みたいな毎日だったんですが、それも1年後に凄い花火が打ち上がることを想像したら楽しくて、とても充実した数ヶ月でした。
――そもそも“グロリア”というワードが生まれ、それを長いスパンをかけてやってきたいというアイディアは、どこから生まれてきたんでしょう?
苑:“グロリア”というキーワード自体は、曲のサビを作ったときに、メロディの印象から光り輝く映像が見えたからなんです。『Justice』のツアー中、メンバー、オーディエンスともども丸裸なロック感を生み出し始めているのを感じて、すごく良いなぁと思ったんですね。どんどん人間味あるものになってきていたので、それをさらにパワーのあふれる歌に変えたい。そう考えたとき“合唱”という表現に行き着いたんです。ただ、そうなるとテーマがあまりに壮大なので、1曲のシングルだけじゃなく、長いスパンをかけて多彩な形で表現していくべきだろうと。実際、この「GLORIA」、12月に発売されるシングル、来年リリースされる作品と歌詞を書いていくうち、物語がどんどん繋がって、“喝采と激情のグロリア”という全体を通してのキーワードも生まれてきたんです。なので僕の頭の中では、実はすごくドラマティックなストーリーが出来上がっているんですよ。
Anzi:その一幕目が「GLORIA」といった感じですね。
――なるほど。ちなみに“合唱”と聞いて、みなさん最初に何を思い浮かべます?
苑:やっぱり「モルダウ」とかですかね。確か学生時代、合唱でやった気がする。
Anzi:中学の合唱コンクールでウチのクラス、「モルダウ」歌って優勝したよ(笑)。あとはベートーベンの「第九」とか。
悠:やっぱり小学校、中学校でやってた合唱曲はパッと頭に浮かぶよね。あと、海外のロックバンドの映像を観ると、オーディエンスが大声で歌ってるじゃないですか。僕はそういうライヴが好きだし、実際2008年に初めてヨーロッパ・ツアーに行ったときも、お客さんがバラードも含めて全曲歌ってくれていたので、“合唱”というテーマには大賛成だったんです。しかも『Justice』のツアー中、どこかのホテルで「GLORIA」のサビメロを苑が歌ってくれたときには、“ああ、このコード進行が遂に来た!”みたいな。
▲苑 ――コード進行?
苑:ウチらがすごく好きなコード進行なんですよ。いわゆる名曲のコード進行というか、それだけにいろんな人が使ってるんで、今まであえて避けてきたんです。
悠:そう。“ここぞ!”というときに使おうと。
Anzi:そのコード進行とメロディを聴いた瞬間、ギターの完成像もすぐに見えて。外に開けた壮大な曲なんで、できるだけ大きなサウンドに聴かせようと、サビもシンプルにパワーコードを一発鳴らすだけのプレイに徹しました。
悠:やっぱり合唱が入るのであれば、シンプルなメロディのほうが活きるしね。だからドラムも難しいことは一切やらず、今までで一番好き勝手に叩きました。あと「GLORIA」においては、メンバー全員の顔を出すアレンジにしたいと燿から提案があったので、間奏ではギターとキーボードだけじゃなく、ドラムとベースもソロ的なプレイを入れてます。おかげで良いアクセントになったと思いますし、合唱が入って普段以上に音数が多いにもかかわらず、どの音も潰れることなく綺麗に出ているのには、マスタリングが終わった時点ですごく感動しましたね。
Anzi:ヴォーカルをとっても、今までに無かったメロディ・ラインが新鮮でしたね。かつ、優しくもあり力強い。
苑:世界というか、今、目の前にある全てを包み込むような気持ちで歌ったんですよ。一つ上の視点から世界を見ているというか。
◆摩天楼オペラ~インタビュー その2へ
◆摩天楼オペラ「GLORIA」~拡大画像~
■「GLORIA」の合唱という表現が生まれた
■“喝采と激情のグロリア”というキーワード
――ロックバンドのCDとしては、なかなか意外な雰囲気のジャケットですね。
Anzi:ちょっとイージーリスニングのCDみたいですよね。ヴァイオリンが聴こえてきそうで、実際の音とのギャップがすごい(笑)。
苑:デザイナーさんにキーワードを伝えて、作っていただいたんですよ。今回は栄光、光、壮大とか、解き放つような感じでお願いしますと。
――GLORIA=栄光ですものね。そこにテーマが行き着いた経緯から聞きたいのですが、2012年3月にアルバム『Justice』をリリースし、それに伴う全国ツアーを5月4日の赤坂BLITZで終えてから今まで、ライヴ活動を休んでいたとか。
悠:はい。原因は僕の腕のせいだったので、その間とにかく治療に専念して。「GLORIA」の制作でも最初は打ち込みで進めていたから、実際に僕がドラムを叩き始めたのって、レコーディングのほんの数日前だったんですよ。
Anzi:でも、今となっては一定の期間ライヴを休んだのが、逆に良かったと思うんです。ちょうど『Justice』のツアーが終わったとき、苑が“グロリア”というワードを持ってきて。“喝采と激情のグロリア”をテーマに年間通してプロジェクト的にやっていきたい……という提案から、じゃあ、それを一つのショービジネスとして、どう展開できるだろう?っていう話し合いを、ライヴが無かったぶん、すごく濃密にできたんです。もちろん曲作りの時間も通常以上に取れたし、ただ、1年後のヴィジョンを見据えて準備するとなると、作らなければならない曲があふれ返ってきて! 作ったら次、作ったら次、みたいな毎日だったんですが、それも1年後に凄い花火が打ち上がることを想像したら楽しくて、とても充実した数ヶ月でした。
――そもそも“グロリア”というワードが生まれ、それを長いスパンをかけてやってきたいというアイディアは、どこから生まれてきたんでしょう?
苑:“グロリア”というキーワード自体は、曲のサビを作ったときに、メロディの印象から光り輝く映像が見えたからなんです。『Justice』のツアー中、メンバー、オーディエンスともども丸裸なロック感を生み出し始めているのを感じて、すごく良いなぁと思ったんですね。どんどん人間味あるものになってきていたので、それをさらにパワーのあふれる歌に変えたい。そう考えたとき“合唱”という表現に行き着いたんです。ただ、そうなるとテーマがあまりに壮大なので、1曲のシングルだけじゃなく、長いスパンをかけて多彩な形で表現していくべきだろうと。実際、この「GLORIA」、12月に発売されるシングル、来年リリースされる作品と歌詞を書いていくうち、物語がどんどん繋がって、“喝采と激情のグロリア”という全体を通してのキーワードも生まれてきたんです。なので僕の頭の中では、実はすごくドラマティックなストーリーが出来上がっているんですよ。
Anzi:その一幕目が「GLORIA」といった感じですね。
――なるほど。ちなみに“合唱”と聞いて、みなさん最初に何を思い浮かべます?
苑:やっぱり「モルダウ」とかですかね。確か学生時代、合唱でやった気がする。
Anzi:中学の合唱コンクールでウチのクラス、「モルダウ」歌って優勝したよ(笑)。あとはベートーベンの「第九」とか。
悠:やっぱり小学校、中学校でやってた合唱曲はパッと頭に浮かぶよね。あと、海外のロックバンドの映像を観ると、オーディエンスが大声で歌ってるじゃないですか。僕はそういうライヴが好きだし、実際2008年に初めてヨーロッパ・ツアーに行ったときも、お客さんがバラードも含めて全曲歌ってくれていたので、“合唱”というテーマには大賛成だったんです。しかも『Justice』のツアー中、どこかのホテルで「GLORIA」のサビメロを苑が歌ってくれたときには、“ああ、このコード進行が遂に来た!”みたいな。
▲苑
苑:ウチらがすごく好きなコード進行なんですよ。いわゆる名曲のコード進行というか、それだけにいろんな人が使ってるんで、今まであえて避けてきたんです。
悠:そう。“ここぞ!”というときに使おうと。
Anzi:そのコード進行とメロディを聴いた瞬間、ギターの完成像もすぐに見えて。外に開けた壮大な曲なんで、できるだけ大きなサウンドに聴かせようと、サビもシンプルにパワーコードを一発鳴らすだけのプレイに徹しました。
悠:やっぱり合唱が入るのであれば、シンプルなメロディのほうが活きるしね。だからドラムも難しいことは一切やらず、今までで一番好き勝手に叩きました。あと「GLORIA」においては、メンバー全員の顔を出すアレンジにしたいと燿から提案があったので、間奏ではギターとキーボードだけじゃなく、ドラムとベースもソロ的なプレイを入れてます。おかげで良いアクセントになったと思いますし、合唱が入って普段以上に音数が多いにもかかわらず、どの音も潰れることなく綺麗に出ているのには、マスタリングが終わった時点ですごく感動しましたね。
Anzi:ヴォーカルをとっても、今までに無かったメロディ・ラインが新鮮でしたね。かつ、優しくもあり力強い。
苑:世界というか、今、目の前にある全てを包み込むような気持ちで歌ったんですよ。一つ上の視点から世界を見ているというか。
◆摩天楼オペラ~インタビュー その2へ
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