ヤング@ハート in JAPAN、泣いて笑って感動しての120分間
9月7日(金)、ヤング@ハートのJAPANツアーが名古屋市公会堂からついにスタートとなった。メンバー総勢26人の合計年齢はなんと2098歳。のべ21世紀分に及ぶ歴史が凝縮したご長寿ロック合唱団のパフォーマンスの公開だ。
◆ヤング@ハート画像
1曲目は、彼らのお馴染みのレパートリーであるトーキング・ヘッズ「Heaven」で幕を明けた。ミディアム・テンポで楽しげなナンバーだが、歌詞は<天国(というBARは) みんなが行きたがる楽しい場所だけど 結局何も起こらない場所さ>と無常とも思えるシニカルな内容。ヤング@ハートのコンサートでは、舞台の左右に設置された字幕スーパーに、リアルタイムに歌詞の日本語訳が映し出されており、彼らが選曲した理由がよくわかる。
コンサートの第1部はスクリーミン・ジェイ・ホーキンス、ジョン・レノン、キンクス、ニック・ロウ、ニール・ヤングらの歌詞のメッセージに重きを置いた渋めのナンバーが中心。歌をじっくり聴かせ、歌詞の意味をしっかりと伝えたいという意図を感じさせる構成だ。
休憩を挟み第2部になると、マイケル・ジャクソン・メドレーにプリンスの「1999」、テイスト・オブ・ハニーの「今夜はブギ・ウギ・ウギ(Boogie Oogie Oogie)」と、立て続けにソウル&ディスコ・ナンバーを演奏。1部とはうって変わってアップ・テンポな楽曲の応酬で、攻めのステージを展開。絶妙にテンポが外れた独特のダンスは、若い人には決して真似の出来ない味わい深さだ。
世界各地をまわるヤング@ハートのコンサートの名物はご当地のロック・コーナーだ。前回の来日で披露した「雨あがりの夜空に」に加え、事前にオフィシャルサイトで受け付けた日本語ロック・リクエストの新曲を含めて5曲も披露するという大盤振る舞い。沢田研二の「TOKIO」では、2コーラス目でさびの部分を『NA・GO・YA!』と叫ぶ。このサプライズには集まった1500人の観客は大喜びで、日本のファンのハートをガッチリと掴む。
ヤング@ハートの真骨頂といえば、ロック&パンク・ナンバーだが、ボストン・レッド・ソックスのアンセムソングでもあるスタンデルスの「Dirty water」や、アーケイド・ファイアの「Modern man」といった、絶対にじいちゃんばあちゃんが知らなさそうな曲までもがセットリスト入り。そして圧巻はジェームス・ブラウンの「I Got You(I Feel Good)」からラモーンズの「I wanna be sedated」に続くメドレーだ。これぞロック!というスピリットまでもが伝わる迫力のパフォーマンスと押し寄せるパワーに、オーディエンスは総立ちとなり、本編が終了してもスタンディング・オベーションが鳴り止まず、そのままアンコールに突入するという事態に。ラストはボブ・ディランの「Forever Young」をしっとりと歌いあげると、会場内は号泣の嵐が吹き荒れた。
泣いて笑って感動して、ロックの持つ魂を堪能できる濃厚の120分のステージは終了。ヤング@ハートのジャパン・ツアーは9月17日の敬老の日まで全国をロック行脚する。
<ヤング@ハート Live in JAPAN 2012公演概要>
9月11日(火) 神奈川・よこすか芸術劇場/19:00開演
9月12日(水) 東京・町田市民ホール/18:30開演
9月14日(金) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館/18:30開演
9月16日(日) 東京・Bunkamura オーチャードホール/17:00開演
9月17日(祝・敬老の日) 東京・Bunkamura オーチャードホール/14:00開演
◆<ヤング@ハート JAPAN TOUR>オフィシャルサイト