GAGLE×Ovall【インタビュー】、「本当に情熱がないとやっていけない時代」
2012年8月12日(日)、代官山LOOPにて<GAGLE × Ovall Release Party>が開催された。多くの人達が待ちわびていたであろうこの日、リハーサルからGAGLE × Ovallの気合いはヒシヒシと感じられ、只ならぬ緊張感が漂っていた。そんなリハ後にインタビューを敢行、GAGLEとOvallというグループとバンドの垣根を越えた新ユニット結成秘話から、アルバムのリリース、現在の音楽シーンに対して、この先の展望まで、メンバー6人全員揃っての独占インタビューが行なわれた。
全員:よろしくお願いします。
──GAGLE×Ovallが一緒にやろうとなった最初のきっかけは?
HUNGER: いや~それは代官山LOOPさんのおかげですよ(笑)
──いやいやいや(笑)、Hennessyでしょ(笑)
HUNGER:そう、Hennessy artistry THE ART OF BLENDINGという企画で、一緒にやってみてはどうか?という話が来まして。
──最初からコラボでやるっているオファーだったんですか?
HUNGER:そう、最初から2組で面白い事をやって下さいみたいな。2曲ぐらいやって下さいっていう感じで。
──GAGLE×Ovallそれぞれが互いの事を知ったのは結構昔だと思いますが、第一印象はどうでした?
HUNGER:俺は確か、Ovallの音源を聴いたんですよね。その時は日本人のアーティストだとは思っていなかったんですよ。
──MITSU君は?
DJ MITSU THE BEATS:Ovallの名前も知っていたし、曲も聴いていたから知ってたけど、ハッキリ印象付いたのは、初めてライブを観たAPPI JAZZY SPORTかな。
──APPI JAZZY SPORTがお互い初めましてだったんですか?
DJ MITSU THE BEATS:はい。そこでは、確か話はしてなかったと思います。
DJ Mu-R:いや、その前に、仙台で会ってるんですよ。
HUNGER:ああ、そっかそっか。そうだね。GAGLEのアルバムとかで、たまに一緒にやっているSkidaroundっていう人達が、仙台のイベントにOvallを呼んだんですよね。そのイベントに行かない?って誘われて、おお!Ovallが出るだったら行くってなって。ライブ終わってその後、話し掛けて、そのまま飲みにいっちゃうみたいな。
DJ Mu-R:その時、俺、ヤマちゃん(mabanua)の事知ってたよね? 何で会ってたんだっけ?
mabanua:Mu-Rさんに初めて会ったのは、マドラウンジでやったCOMA-CHIのライブかな。
DJ Mu-R:俺は、ヤマちゃんのどんどんビート作って重ねていくあの映像をYouTubeで見てたから、前から一方的に知ってた。その後に、Ovallってバンドをやっているんだって知ったんだよね。
──なるほど。じゃあ逆にOvallのみんながGAGLEを知った時の印象は?
Shingo Suzuki:いつが初めかは思い出せない位、結構前から作品を聴いてて。自分でトラックを作る時もこういうの作れたらいいなとか、どうやって作ってるのかな?みたいなものもあって。実際に話が出来たのは、仙台のライブの時で、すごいMu-Rがフレンドリーに話し掛けて来てくれたんだよね。その後にHUNGERも話し掛けに来てくれて。みんなシャイで、その時はそこまで話が出来なかったけど、ちょっとお知り合いになれて嬉しいなみたいな。そんな感じでしたね。
──シンゴ君は?
──GAGLE×Ovallがコラボをする事自体がビックリなことですが、互いのプロダクションであるJAZZY SPORTとorigami PRODUCTIONSがコラボする事も、業界としては大きな反響があると思います。いかがですか?
HUNGER:多分、origami PRODUCTIONSとJAZZY SPORTで話していたらなかなか進まなかったと思うんですよね。一緒にやろうって言って、もう既にアーティストが進み始めている状態。そういう意味ですごい良かったのかなと。
──なるほど。
HUNGER:僕らのJAZZY SPORTもたくさんアーティストいるし、origami PRODUCTIONSもたくさんいるじゃないですか。結構それぞれのプロダクションの代表同士とか書かれると、大変恐縮だなと思うんですよ。もちろん2大レーベルがぶつかっているというのはありますけど、僕の中ではアーティスト同士がやりたいって純粋に感じて一緒にやっているっていうのが強いですね。
──Ovallからしたらいかがですか?
Shingo Suzuki:僕は、そもそもJAZZY SPORTをリスペクトしていて、敵対するっていうのは全く無かったです。フェスで一緒にやるキッカケがあって、一緒にやりたいなと思ったし。あまりこのレーベルとレーベルがどうという気持ちでは作っていなかったかな。
HUNGER:そうっすよね。APPI JAZZY SPORT 2012にOvallが参加したりとか、細かい所での動きがあるんで。そういう意味では、交流はしていたけど、作品を作るのは初めてみたいな。
──アルバムについて。『GAGLE×Ovall』のレコーディングはどのように行いましたか??
Shingo Suzuki:曲によってですが、基本的にmabanuaとMITSU君と俺でデモを制作しましたね。こういう風にしようとかは無くて、まずはその時出来た音をまとめて、徐々にエディットしていく感じです。ライヴをイメージしながら作っていったのはありますね。あと、インストの曲を入れたりとか、アルバム全体の流れの所でコンセプト的なものはあったかな。
HUNGER:ラップだけじゃなくて、Ovall、MU-R、MITSU THE BEATSが作るインストをアルバムに入れたかったんですよ。ただ、普通に俺が聴いてみたいってのもあるんですけどね(笑)
──ラップのリリックを作るにあたってどうでしたか?
HUNGER:Ovallとの呼吸や、グルーヴを大事にしようと考えながら作っていきました。その中でも「Heaven feat.SHEA SOUL」や「Deeds」という曲は、今の自分たちの背景や思いが入ってますね。
──なるほど。東京と仙台と距離があって、いろいろと大変だったと思いますが。
DJ MITSU THE BEATS:実は、全員が集まる事は一度も無かったんですよ。主にデータのやりとりが多かったかな。住んでいる所が、皆バラバラなんで。8割揃う事はあったけど、誰かしら居なかったりとか。
──GAGLE×Ovallからみた、現在の日本の音楽シーンについて
HUNGER:いつの時代もチャンスってのはあると思うんですけど、そのチャンスの掴み方は変わっているなと。良いのか悪いのか、突き抜けたもん勝ちっていうか。そういう印象がありますね。
──そうですね。今はFACEBOOKとかYou Tubeに誰でも自分の作品をアップロードして活動できる時代ですもんね。やったもん勝ちというか。
HUNGER:そうですね。マイペースでやってきて、なかなか頑固なグループもいて。自分たちもそうだと思うんですけど、そういう人達にもちゃんとチャンスはあるんだと。でも、ちゃんとどっかで先を見て動いていないとただ先細りするだけ。チャンスっていう話では、その二方向がある気がしますね。
──Ovallはいかがですか?
mabanua:昔に比べると間口が広がっている時代だと思うんですよね。昔だったらデビューして、業界の人と繋がっていってたけど、今は自分たちで色々発信出来るんだよね。でも逆に数が多くて乱立しやすい。だから、本当に情熱がないとやっていけない時代、甘い考えの人は、自然と淘汰されていく時代。情熱があって、謙虚で、誠実に音楽と向き合っている人だけが残っていける時代なのかなと。
──なるほど。
HUNGER:後は、地方がかなり疲弊していっているんですよ。その中でも、音楽と誠実に向き合って分け隔てなく、画を書いたり、バンド、DJ、ダンスを頑張っている人達みんなで何かしようぜ!という動きを作っている人が、上手に地方でもやっているんですよね。
──シンゴ君はどう思います?
関口シンゴ:自然な繋がりで繋がっている人が多い。わざとらしく、売れる為に繋がっているんじゃなくて、今回のGAGLE×Ovallみないな感じで、一緒にやりたいから繋がって、良ければ広がるし、悪ければ広がらないし。そういう意味でとても分かりやすい時代ではあるかな。
──GAGLE、Ovallそれぞれの今後の動きを教えて下さい。
HUNGER:仙台も決して、すごい良い状態ではないんですよ。光と陰があるので。だからこそ、目線は良い所に置いておきながら、ミュージシャンが出来る事として、ちゃんと次のステップを見せる事が出来たら良いなと思ってます。その為には、絶対作品というものが必要で、次のGAGLEの作品で答えが出せればと思います。
──Ovallは?
Shingo Suzuki:このGAGLE×Ovallでライブをしたり、リハをする度に新たな発見というか、曲が出来そうな予感がするんですけど、やっぱりそれって現場にいるからだなと思ってて。GAGLE×Ovallでは、毎月ライブを重ねていったら、もっと先が見えるんじゃないかなと思います。Ovallは、次のアルバムに向けての制作はやっているんですけど、良いものを作りたいからじっくり時間掛けてやってますね。あとは、メンバーの個々の活動ですね。mabanuaは、リリース日って決まったの?
mabanua:9月、10月位!
──おお、それは楽しみですね!みなさん、インタビューありがとうございました。これから本番ですが、よろしくお願い致します!
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