花少年バディーズ【インタビュー】日常の中にこそ幸せがあることを示してくれるシングル「Bicycle」
結成当初はビリーというバンド名で活動していた5人が、'09年より花少年バディーズとして新たに活動を開始。彼らは、“不良品種”“絶対的ハピネス”“リスナーとの日常の共有共感”をコンセプトに、日常の中にこそ幸せはある、自分の主観一つでハッピーになれるということを教えてくれるバンドだ。8月8日に、そんな彼らの信条を聴くだけで理解できるシングル「Bicycle」をリリースする。
◆花少年バディーズ「Bicycle」~拡大画像~
●目を逸らさないで恥ずかしがらずに
●ちゃんと“ハッピー”って言いたい
――前進はビリーというバンドだったんですよね。どうして花少年バディーズとして活動するようになったんですか?
ミネムラ(G/Key):バンドを続けるにうちに、楽曲とかステージングとか、カラーが変わってきたんですね。だったらいっそのこと仕切りなおそうかと。ビリーって暗い感じのバンドだったので、明るいバンドをちゃんと始めようとということで。伝えたいことは変わってないんです。音も歌詞もそうですが、本当に伝えたいことって、バンドを始めた最初の頃からそんなに形になっていかないんだなっていうのは、進んでみて思ったことです。自分たちで伝えたいことを明確にしていったら、自然とこういう明るいものになってったんです。
貘(Vo):カッコつけることも演じることも、ふんだんにビリーでやってきたので、次は日常で会話をしているようなことを出して行けたら面白いよねってことは言ってたので。花少年バディーズを始めて3年経ちますが、そこはブレずにやってます。
――コンセプトになっている“絶対的ハピネス”というのは、聴いた人がポジティヴになれるという意味?
ミネムラ:そうですね。自分で“ハッピー”って言える人たちって、意外と少ないじゃないですか。だから、ちゃんとハッピーって言って、みんなで探せば見つかるかもしれないから。そこからは目を逸らさないように、恥ずかしがらずに言いたいなと。
貘:“不良品種”っていうのは思春期の自分達に置き換えてます。その気持ちのまま、いくつになってもライヴができるし、俺はフロントで唄っているので、そこは全面に出していることです。それを各々メンバーがずっとブレずに続けているから、世界観も統一感が出て、表現できているのかなと思います。
――「リスナーとの日常の共有共感」も大切にしているんですね。
ミネムラ:そういうところから幸福感を見出せるかなって思って。ハッピーっていうのは逃げ場ではないので。自分で作り出したり、見つけ出さなければいけないものですからね。
――今言っていたようなことって、新曲「Bicycle」を聴けばすぐにわかりますね。よくある駅前の風景から広がるメッセージというか。
ミネムラ:この曲はライヴで一年以上やってる曲なんです。去年の単独ワンマンで、音源化もしていないこの曲をメインに組み立てたりして。今、ライヴに来てくれている人からすごい支持がある曲なんです。支持があるからこそ、この曲に対しての自信もついて、シングルにしようってことになって。曲自体は一年くらい前に録ってたんですけど、シングル化にあたって進化した部分もあります。当時は初期衝動でできた部分もあるので、それも残しつつ、良いバランスで、一年前の自分たちと、今の自分たちの良い着地点、形にできたと思います。
●自転車って誰かが力を加えなければ動き出せない
●僕たちも頑張って支え合うことで前進する
▲花少年バディーズ「Bicycle」Type-A:初回限定盤(CD+DVD 2枚組) ――それぞれこの曲に込めた一年前の自分と、今の自分の気持ちを聞かせてもらえます?
広志(Dr):ドラムテイクは以前録ったものをそのまま使ってるんですよ。ライヴで成長してきた曲だけど、今回のCDだと、割とそんなに人間味を出していないというか。機械的ではないですが、淡々としているフシがありますね。それはそれで、その時に考えたものがいっぱい詰まってるんですけど。
――淡々とっていうのは、日常感みたいなところですか?
広志:そうですね。最初にこの曲を聴いた時は、ドラムは抑える役目かなと思ってたので。でも、ライヴではその抑えは効かなくなるので、その辺の違いも楽しんでいただけたらと思います。
ツブク(B):リズム隊は以前レコーディングしたのを使ってるんですよ。ライヴってやっぱり毎回違うものだと思うので、その時の感情も入るじゃないですか。日常的に聴いてもらいたいから、落ち着いて聴けるサウンドに仕上げたいっていうのがあった。淡々と進むなかで、ちゃんと体が動き出したくなるようなグルーヴというか、そういうのを割と意識して。でもウワモノやヴォーカルが出て欲しかったので、リズム隊は足取りのように進んで行く感じが出ればいいかなっていう意識で。それはそのまま使ってもらったほうがいいのかなって思いました。きっと、いま録ったら別の感情が入ったりすると思うんですけど、この曲に関しては、その当時に考えたものが入ったほうが、たぶんベストだなって気持ちがあるので、それはそのまま使いました。
琢磨(G):ギターも、ずっと鳴ってるうちの一本は以前録ったものなんですね。メロディがいいので、ホンワカした雰囲気でサラッと聴いてもらいたいという気持ちがあった。一年前に弾いたやつは、アッサリとした感じですね。この曲はライヴでたくさんやってるぶん、思い入れも深くなってきちゃって、録り直したら暑苦しくなる可能性もあるなぁと思ったので、そのままにしたんです。でも、アコギの方は録り直したんですよ。
ミネムラ:はい。アコギとピアノは録り直しました。単純に機材が新しくなったので、どうせなら良い音で録りたいなって気持ちもあったし。ミックスとマスタリングも一年前に一回やってみたんですが、それはそれで、その時にやりたかった音の形にはなったんですよ。でも、一年経ってるし、しっかりシングルとして出すんであれば、今やりたいサウンドが明確だったので、生の楽器をメインにしたんです。一年前は、そういう感じではなく、平べったく作ってたんですよ。だけど、一年間経って、音楽性が生演奏、生サウンドというのに向いてったので、そういうミックスの方向性になりましたね。
貘:歌自体も以前のものなんですけど、今回は歌を録り直そうとすれば録り直せる状況もあったんですね。でも、曲ってライヴで唄うにつれてどんどん膨れ上がっちゃうんですよ。だから、録り直すとしたら、あれもしたい、これもしたいってなっちゃう。だったら、一番最初に生まれた気持ちが音源としては大事なんだなってところに行き着きました。
――この曲の世界観はどうやって作り上げていったんですか?
ミネムラ:ちょうど一年前、この曲が生まれる前に震災があったんですよ。震災の次の日に、僕らも赤坂BLITZという大きな舞台が待ってたんですけど中止になって。スケジュールもパタッと止まって、いま僕たちはどういう曲を作ったらいいのか、どういうことを思ったらいいのか考えて。僕らって無力だから、元気を与えるにも、大きなことが言えるわけもないし、約束もできないけど、何を伝えたらいいんだろうって。震災の時って、わずかな支え合いが、大きなことだったと思うんです。一人ひとり、小さなことから頑張って、支え合うことで、自ずと前進するんだっていうのをツラツラと書きたいなって思ったんです。そのなかでモチーフとして浮かび上がったのが自転車だったんですよ。
――自転車を見て思い浮かんだんじゃなく、いろいろ考えている中から自転車が浮かび上がったんですね。
ミネムラ:何か頭の中にはあったのかもしれませんね。道を歩きながら曲のことを考えたりしているときに、自転車が前を通ったのかもしれないし、自転車置き場の横を歩いてたのかもしれないし。一番日常的なものだけど、それ単体では動き出さない。誰かが力を加えなければ動き出せない進まないというものとして、すごく分かりやすいのかなって。
●「モトカレ(アパレル編)」はフォークを作りたかった
●この時代に僕らが描く社会風刺ってなんだろう?と考えて
▲花少年バディーズ「Bicycle」Type-B:通常盤 ――歌詞の世界観は、この曲に限らず面白みを感じますね。カップリングの「モトカレ(アパレル編)」とか。暗喩を感じるし、深いですよね(笑)。
ミネムラ:これは、フォークソングを作りたいと思ったことがはじまりで、特に思想はなかったんですけど。「美容師編」(11/7に発売するアルバム『Bible』に収録)っていうのもあるので、じゃあ、「アパレル編」も作っちゃおうかっていう感じで。
――フォークを作りたかったというのは何故ですか?
ミネムラ:僕ら独自の音楽ジャンルを作りたいというのもありますが、過去、世界中、日本中の歴史にある音楽ジャンルというものをいっぱい取り入れたいし、自分たちでそれをやってみたいし、挑戦してみたいという気持ちが多いバンドなんで。今までもR&R、ジャズっぽいの、サンバっていうのもやってきたし……今度はフォークっていうのも楽しいなぁって。今回は日本のフォークを研究しまくって。元々のフォークは社会風刺とか貧困とか、そういうメッセージ性が強かったので、この時代に僕らが描く社会風刺ってなんだろう?って考えたら、こういうことになったんです。それがある意味、時代を映し出しているのかもしれないなって。
貘:フォークソングって一言で言っても、だいたいではできないんですよ。唄い方とかもつぶやきのような唄い方があったりするんですよ。そこまでやったらダメだろうな……とか、そのさじ加減のバランスが難しかったですね。ネタになってはいけないから。
琢磨:フォークソング難しいですね。音数が少ないぶん、ニュアンス一つがすべてを握っているというようなことがあるので、すごくシビアでした。
ミネムラ:フォークソングなんですけど、なぜか上で鳴ってるギターはエリック・クラプトンにしようって頑張ったんですけど、クラプトンにはなれませんでしたね(笑)。
――3曲目の「[bit;]雨に接続された世界」は“不良品種Edit”になってますけど。
ミネムラ:これはビリー時代の曲を花少年バディーズ風にセルフカバーしたものなんです。それをシリーズとしてカップリングに入れてるんですよ。以前は打ち込みサウンドだったんですが、エイトビートのギターロックにリアレンジして。
――11月7日にはフルアルバム『Bible』がリリースされますが、最後にこの作品の予告を。
ミネムラ:二年前にアルバム出しますと言って、見切り発車したんですが、なかなか作れず(笑)。活動休止して作ろうって決めて、やっと作ったアルバムですね。世界中のロックを集めて作り上げた作品なんです。バンドマンにとってもバイブルになるだろうし、日常的なことが描かれているから、少年少女にとってもバイブルになるような。あとは僕らが歩んで来た白書でもある。このアルバムってバイブルだよねって言ってもらえるような作品になったら最高ですね。
取材・文●大橋美貴子
「Bicycle」
8月8日(水)発売
Type-A:初回限定盤(CD+DVD 2枚組)
BDBX-0009A \1,890(tax in)
[CD]
1.Bicycle
2.モトカレ(アパレル編)
[DVD]
PV 「Bicycle」、2012/5/1ライブ映像、他
Type-B:通常盤
BDBX-0009B \1,500(tax in)
[CD]
1.Bicycle
2.モトカレ(アパレル編)
3.[Bit;]雨に接続された世界(不良品種Edit)
単独公演ワーツー2012秋
<Boys write Bible -Wow バイブル×彼女の履歴!->
11月7日(水) 浦和Narciss
11月17日(土) 宇都宮KENT
11月18日(日) 宇都宮KENT
12月1日(土) 名古屋HOLIDAY
12月2日(日) 大阪RUIDO
12月9(日) SHIBUYA BOXX
12月10日(月) SHIBUYA BOXX
9月9日チケット先行発売開始
<CRUSH OF MODE-HYPER HOT SUMMER'12->
8月5日(日) 水戸ライトハウス
出演:花少年バディーズ/NoGoD/DEATHGAZE/宇宙戦隊NOIZ/SEX-ANDROID/犬神サーカス団/
8月7日(火) 札幌KRAPS HALL
出演:花少年バディーズ/NoGoD/DEATHGAZE/SEX-ANDROID/犬神サーカス団/Dacco
8月8日(水)札幌KRAPS HALL
出演:花少年バディーズ/NoGoD/DEATHGAZE/SEX-ANDROID/犬神サーカス団/Dacco
8月10日(金)仙台HOOK
出演:花少年バディーズ/NoGoD/DEATHGAZE/SEX-ANDROID/犬神サーカス団/Dacco
8月11日(土) 高崎CLUB FLEEZ
出演:花少年バディーズ/NoGoD/DEATHGAZE/SEX-ANDROID/犬神サーカス団/[MU:]
<花少年バディーズ ヤギ貘ユウキ生誕祭『ジャンジョン2012』>
8月15日(水)宇都宮HEAVEN'S ROCKVJ-2
出演:花少年バディーズ / Moran /AUBE
<CROW MUSIC 15th ANNIVERSARY Special live KYOTO ROCK SUMMIT 2012>
8月20(月) KYOTO MUSE
出演:花少年バディーズ /BORN / Black Gene For the Next Scene / OZ / Crazy★shampoo / Fang
<CRUSH OF MODE-HYPER HOT SUMMER'12->
8月24日(金) 名古屋E.L.L
出演:花少年バディーズ/NoGoD/宇宙戦隊NOIZ/SEX-ANDROID/犬神サーカス団/[MU:]/Dacco/ADAPTER。
8月25日(土) 心斎橋BIGCAT
出演:花少年バディーズ/NoGoD/宇宙戦隊NOIZ/SEX-ANDROID/DEATHGAZE/犬神サーカス団/[MU:]/ADAPTER。
8月26日(日) 岡山IMAGE
出演:NoGoD/DEATHGAZE/宇宙戦隊NOIZ/SEX-ANDROID/花少年バディーズ
8月29日(水) 広島CLUB QUATTRO
出演:花少年バディーズ/NoGoD/宇宙戦隊NOIZ/SEX-ANDROID/DEATHGAZE/えんそく/...etc
8月30日(木)福岡DRUM Be-1
出演:NoGoD/宇宙戦隊NOIZ/SEX-ANDROID/DEATHGAZE/花少年バディーズ/えんそく/Dacco
9月1日(土) 高松DIME
出演:NoGoD/DEATHGAZE/宇宙戦隊NOIZ/SEX-ANDROID/花少年バディーズ
9月2日(日) 姫路BETA
出演:NoGoD/DEATHGAZE/花少年バディーズ/Dacco
<CRUSH OF MODE-2012-EXTRA EDITION>
9月8日(土) Shibuya O-WEST
出演:NoGoD/DEATHGAZE/花少年バディーズ/[MU:]/赤飯
<花少年バディーズ ツブクマサトシ生誕祭 『ハモリ倶楽部-誰が言ったか知らないが、言われてみれば確かに聞こえる左大臣アワー-』>
9月10(月) 池袋EDGE
出演:花少年バディーズ / サウイフモノ /ムシケラトプス / O.A. the Sherry
<Absolute Domain -絶対領域->
9月17日(月)名古屋ell.FITSALL
出演:花少年バディーズ / Sel'm / A / 404NOTFOUND / GALEYD / the LEM
◆花少年バディーズ オフィシャルサイト
◆花少年バディーズ「Bicycle」~拡大画像~
●目を逸らさないで恥ずかしがらずに
●ちゃんと“ハッピー”って言いたい
――前進はビリーというバンドだったんですよね。どうして花少年バディーズとして活動するようになったんですか?
ミネムラ(G/Key):バンドを続けるにうちに、楽曲とかステージングとか、カラーが変わってきたんですね。だったらいっそのこと仕切りなおそうかと。ビリーって暗い感じのバンドだったので、明るいバンドをちゃんと始めようとということで。伝えたいことは変わってないんです。音も歌詞もそうですが、本当に伝えたいことって、バンドを始めた最初の頃からそんなに形になっていかないんだなっていうのは、進んでみて思ったことです。自分たちで伝えたいことを明確にしていったら、自然とこういう明るいものになってったんです。
貘(Vo):カッコつけることも演じることも、ふんだんにビリーでやってきたので、次は日常で会話をしているようなことを出して行けたら面白いよねってことは言ってたので。花少年バディーズを始めて3年経ちますが、そこはブレずにやってます。
――コンセプトになっている“絶対的ハピネス”というのは、聴いた人がポジティヴになれるという意味?
ミネムラ:そうですね。自分で“ハッピー”って言える人たちって、意外と少ないじゃないですか。だから、ちゃんとハッピーって言って、みんなで探せば見つかるかもしれないから。そこからは目を逸らさないように、恥ずかしがらずに言いたいなと。
貘:“不良品種”っていうのは思春期の自分達に置き換えてます。その気持ちのまま、いくつになってもライヴができるし、俺はフロントで唄っているので、そこは全面に出していることです。それを各々メンバーがずっとブレずに続けているから、世界観も統一感が出て、表現できているのかなと思います。
――「リスナーとの日常の共有共感」も大切にしているんですね。
ミネムラ:そういうところから幸福感を見出せるかなって思って。ハッピーっていうのは逃げ場ではないので。自分で作り出したり、見つけ出さなければいけないものですからね。
――今言っていたようなことって、新曲「Bicycle」を聴けばすぐにわかりますね。よくある駅前の風景から広がるメッセージというか。
ミネムラ:この曲はライヴで一年以上やってる曲なんです。去年の単独ワンマンで、音源化もしていないこの曲をメインに組み立てたりして。今、ライヴに来てくれている人からすごい支持がある曲なんです。支持があるからこそ、この曲に対しての自信もついて、シングルにしようってことになって。曲自体は一年くらい前に録ってたんですけど、シングル化にあたって進化した部分もあります。当時は初期衝動でできた部分もあるので、それも残しつつ、良いバランスで、一年前の自分たちと、今の自分たちの良い着地点、形にできたと思います。
●自転車って誰かが力を加えなければ動き出せない
●僕たちも頑張って支え合うことで前進する
▲花少年バディーズ「Bicycle」Type-A:初回限定盤(CD+DVD 2枚組)
広志(Dr):ドラムテイクは以前録ったものをそのまま使ってるんですよ。ライヴで成長してきた曲だけど、今回のCDだと、割とそんなに人間味を出していないというか。機械的ではないですが、淡々としているフシがありますね。それはそれで、その時に考えたものがいっぱい詰まってるんですけど。
――淡々とっていうのは、日常感みたいなところですか?
広志:そうですね。最初にこの曲を聴いた時は、ドラムは抑える役目かなと思ってたので。でも、ライヴではその抑えは効かなくなるので、その辺の違いも楽しんでいただけたらと思います。
ツブク(B):リズム隊は以前レコーディングしたのを使ってるんですよ。ライヴってやっぱり毎回違うものだと思うので、その時の感情も入るじゃないですか。日常的に聴いてもらいたいから、落ち着いて聴けるサウンドに仕上げたいっていうのがあった。淡々と進むなかで、ちゃんと体が動き出したくなるようなグルーヴというか、そういうのを割と意識して。でもウワモノやヴォーカルが出て欲しかったので、リズム隊は足取りのように進んで行く感じが出ればいいかなっていう意識で。それはそのまま使ってもらったほうがいいのかなって思いました。きっと、いま録ったら別の感情が入ったりすると思うんですけど、この曲に関しては、その当時に考えたものが入ったほうが、たぶんベストだなって気持ちがあるので、それはそのまま使いました。
琢磨(G):ギターも、ずっと鳴ってるうちの一本は以前録ったものなんですね。メロディがいいので、ホンワカした雰囲気でサラッと聴いてもらいたいという気持ちがあった。一年前に弾いたやつは、アッサリとした感じですね。この曲はライヴでたくさんやってるぶん、思い入れも深くなってきちゃって、録り直したら暑苦しくなる可能性もあるなぁと思ったので、そのままにしたんです。でも、アコギの方は録り直したんですよ。
ミネムラ:はい。アコギとピアノは録り直しました。単純に機材が新しくなったので、どうせなら良い音で録りたいなって気持ちもあったし。ミックスとマスタリングも一年前に一回やってみたんですが、それはそれで、その時にやりたかった音の形にはなったんですよ。でも、一年経ってるし、しっかりシングルとして出すんであれば、今やりたいサウンドが明確だったので、生の楽器をメインにしたんです。一年前は、そういう感じではなく、平べったく作ってたんですよ。だけど、一年間経って、音楽性が生演奏、生サウンドというのに向いてったので、そういうミックスの方向性になりましたね。
貘:歌自体も以前のものなんですけど、今回は歌を録り直そうとすれば録り直せる状況もあったんですね。でも、曲ってライヴで唄うにつれてどんどん膨れ上がっちゃうんですよ。だから、録り直すとしたら、あれもしたい、これもしたいってなっちゃう。だったら、一番最初に生まれた気持ちが音源としては大事なんだなってところに行き着きました。
――この曲の世界観はどうやって作り上げていったんですか?
ミネムラ:ちょうど一年前、この曲が生まれる前に震災があったんですよ。震災の次の日に、僕らも赤坂BLITZという大きな舞台が待ってたんですけど中止になって。スケジュールもパタッと止まって、いま僕たちはどういう曲を作ったらいいのか、どういうことを思ったらいいのか考えて。僕らって無力だから、元気を与えるにも、大きなことが言えるわけもないし、約束もできないけど、何を伝えたらいいんだろうって。震災の時って、わずかな支え合いが、大きなことだったと思うんです。一人ひとり、小さなことから頑張って、支え合うことで、自ずと前進するんだっていうのをツラツラと書きたいなって思ったんです。そのなかでモチーフとして浮かび上がったのが自転車だったんですよ。
――自転車を見て思い浮かんだんじゃなく、いろいろ考えている中から自転車が浮かび上がったんですね。
ミネムラ:何か頭の中にはあったのかもしれませんね。道を歩きながら曲のことを考えたりしているときに、自転車が前を通ったのかもしれないし、自転車置き場の横を歩いてたのかもしれないし。一番日常的なものだけど、それ単体では動き出さない。誰かが力を加えなければ動き出せない進まないというものとして、すごく分かりやすいのかなって。
●「モトカレ(アパレル編)」はフォークを作りたかった
●この時代に僕らが描く社会風刺ってなんだろう?と考えて
▲花少年バディーズ「Bicycle」Type-B:通常盤
ミネムラ:これは、フォークソングを作りたいと思ったことがはじまりで、特に思想はなかったんですけど。「美容師編」(11/7に発売するアルバム『Bible』に収録)っていうのもあるので、じゃあ、「アパレル編」も作っちゃおうかっていう感じで。
――フォークを作りたかったというのは何故ですか?
ミネムラ:僕ら独自の音楽ジャンルを作りたいというのもありますが、過去、世界中、日本中の歴史にある音楽ジャンルというものをいっぱい取り入れたいし、自分たちでそれをやってみたいし、挑戦してみたいという気持ちが多いバンドなんで。今までもR&R、ジャズっぽいの、サンバっていうのもやってきたし……今度はフォークっていうのも楽しいなぁって。今回は日本のフォークを研究しまくって。元々のフォークは社会風刺とか貧困とか、そういうメッセージ性が強かったので、この時代に僕らが描く社会風刺ってなんだろう?って考えたら、こういうことになったんです。それがある意味、時代を映し出しているのかもしれないなって。
貘:フォークソングって一言で言っても、だいたいではできないんですよ。唄い方とかもつぶやきのような唄い方があったりするんですよ。そこまでやったらダメだろうな……とか、そのさじ加減のバランスが難しかったですね。ネタになってはいけないから。
琢磨:フォークソング難しいですね。音数が少ないぶん、ニュアンス一つがすべてを握っているというようなことがあるので、すごくシビアでした。
ミネムラ:フォークソングなんですけど、なぜか上で鳴ってるギターはエリック・クラプトンにしようって頑張ったんですけど、クラプトンにはなれませんでしたね(笑)。
――3曲目の「[bit;]雨に接続された世界」は“不良品種Edit”になってますけど。
ミネムラ:これはビリー時代の曲を花少年バディーズ風にセルフカバーしたものなんです。それをシリーズとしてカップリングに入れてるんですよ。以前は打ち込みサウンドだったんですが、エイトビートのギターロックにリアレンジして。
――11月7日にはフルアルバム『Bible』がリリースされますが、最後にこの作品の予告を。
ミネムラ:二年前にアルバム出しますと言って、見切り発車したんですが、なかなか作れず(笑)。活動休止して作ろうって決めて、やっと作ったアルバムですね。世界中のロックを集めて作り上げた作品なんです。バンドマンにとってもバイブルになるだろうし、日常的なことが描かれているから、少年少女にとってもバイブルになるような。あとは僕らが歩んで来た白書でもある。このアルバムってバイブルだよねって言ってもらえるような作品になったら最高ですね。
取材・文●大橋美貴子
「Bicycle」
8月8日(水)発売
Type-A:初回限定盤(CD+DVD 2枚組)
BDBX-0009A \1,890(tax in)
[CD]
1.Bicycle
2.モトカレ(アパレル編)
[DVD]
PV 「Bicycle」、2012/5/1ライブ映像、他
Type-B:通常盤
BDBX-0009B \1,500(tax in)
[CD]
1.Bicycle
2.モトカレ(アパレル編)
3.[Bit;]雨に接続された世界(不良品種Edit)
単独公演ワーツー2012秋
<Boys write Bible -Wow バイブル×彼女の履歴!->
11月7日(水) 浦和Narciss
11月17日(土) 宇都宮KENT
11月18日(日) 宇都宮KENT
12月1日(土) 名古屋HOLIDAY
12月2日(日) 大阪RUIDO
12月9(日) SHIBUYA BOXX
12月10日(月) SHIBUYA BOXX
9月9日チケット先行発売開始
<CRUSH OF MODE-HYPER HOT SUMMER'12->
8月5日(日) 水戸ライトハウス
出演:花少年バディーズ/NoGoD/DEATHGAZE/宇宙戦隊NOIZ/SEX-ANDROID/犬神サーカス団/
8月7日(火) 札幌KRAPS HALL
出演:花少年バディーズ/NoGoD/DEATHGAZE/SEX-ANDROID/犬神サーカス団/Dacco
8月8日(水)札幌KRAPS HALL
出演:花少年バディーズ/NoGoD/DEATHGAZE/SEX-ANDROID/犬神サーカス団/Dacco
8月10日(金)仙台HOOK
出演:花少年バディーズ/NoGoD/DEATHGAZE/SEX-ANDROID/犬神サーカス団/Dacco
8月11日(土) 高崎CLUB FLEEZ
出演:花少年バディーズ/NoGoD/DEATHGAZE/SEX-ANDROID/犬神サーカス団/[MU:]
<花少年バディーズ ヤギ貘ユウキ生誕祭『ジャンジョン2012』>
8月15日(水)宇都宮HEAVEN'S ROCKVJ-2
出演:花少年バディーズ / Moran /AUBE
<CROW MUSIC 15th ANNIVERSARY Special live KYOTO ROCK SUMMIT 2012>
8月20(月) KYOTO MUSE
出演:花少年バディーズ /BORN / Black Gene For the Next Scene / OZ / Crazy★shampoo / Fang
<CRUSH OF MODE-HYPER HOT SUMMER'12->
8月24日(金) 名古屋E.L.L
出演:花少年バディーズ/NoGoD/宇宙戦隊NOIZ/SEX-ANDROID/犬神サーカス団/[MU:]/Dacco/ADAPTER。
8月25日(土) 心斎橋BIGCAT
出演:花少年バディーズ/NoGoD/宇宙戦隊NOIZ/SEX-ANDROID/DEATHGAZE/犬神サーカス団/[MU:]/ADAPTER。
8月26日(日) 岡山IMAGE
出演:NoGoD/DEATHGAZE/宇宙戦隊NOIZ/SEX-ANDROID/花少年バディーズ
8月29日(水) 広島CLUB QUATTRO
出演:花少年バディーズ/NoGoD/宇宙戦隊NOIZ/SEX-ANDROID/DEATHGAZE/えんそく/...etc
8月30日(木)福岡DRUM Be-1
出演:NoGoD/宇宙戦隊NOIZ/SEX-ANDROID/DEATHGAZE/花少年バディーズ/えんそく/Dacco
9月1日(土) 高松DIME
出演:NoGoD/DEATHGAZE/宇宙戦隊NOIZ/SEX-ANDROID/花少年バディーズ
9月2日(日) 姫路BETA
出演:NoGoD/DEATHGAZE/花少年バディーズ/Dacco
<CRUSH OF MODE-2012-EXTRA EDITION>
9月8日(土) Shibuya O-WEST
出演:NoGoD/DEATHGAZE/花少年バディーズ/[MU:]/赤飯
<花少年バディーズ ツブクマサトシ生誕祭 『ハモリ倶楽部-誰が言ったか知らないが、言われてみれば確かに聞こえる左大臣アワー-』>
9月10(月) 池袋EDGE
出演:花少年バディーズ / サウイフモノ /ムシケラトプス / O.A. the Sherry
<Absolute Domain -絶対領域->
9月17日(月)名古屋ell.FITSALL
出演:花少年バディーズ / Sel'm / A / 404NOTFOUND / GALEYD / the LEM
◆花少年バディーズ オフィシャルサイト
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