絢香、完全復活を果たした絢香の魅力を再確認
絢香 Special Issue 完全復活を果たした絢香の魅力を再確認
絢香 この類い稀な“歌”と“人間”の魅力
「ただいまー!」
4月27日、日本武道館のステージに絢香の元気な声が響いた。活動休止を経て4年振りの全国ツアー。2月にリリースした『The beginning』を携えて、絢香が再びステージに戻って来たのだ。
絢香の歌声と出会ったのは6年前。「I believe」でデビューを果たし、以来、リリースするシングルが立て続けにスマッシュヒット。4枚目のシングル「三日月」がau「LISMO」のCMソングとしてオンエアされるやいなや、彼女の人気はさらに急上昇し、瞬く間に次世代を担う歌姫として注目を浴びるようになった。
彼女の歌の魅力は、日記のように自らの気持ちを正直に言葉に込めた歌詞。加えて、歌と共に歩むことを決意し、真剣に音楽と向き合ってきた彼女ならではの、まっすぐにぶつかってくる魂のこもった歌声。楽譜通りの技巧的にうまい歌ではなく、心に響くソウルフルな歌が彼女の魅力だ。それは、以前、彼女にインタビューしたときのこの言葉が物語っている。
「唄うときは、うまく唄おうってことよりも、どれだけ感情が込められるかってことをまず考えるんですよ。声がかすれちゃったり、うなるようにキツく唄っても、それが逆に伝わったりすることもあるので、そのまま生かしたりもします。うまく唄うことよりも、感情を込めて、どれだけ歌に入り込んで唄えるかっていうことが重要だと思うんです」
一曲一曲、真摯にその曲と向き合って生み出した音楽は、隅々に至るまで妥協がない。「伝える」ということに貪欲で、「音楽を通して、いろんなことをメッセージしていきたい」という信条にブレることがないからこそ、彼女はまだ新人のうちから、レコーディングでもライヴのリハーサルでも、自分が嫌な音や好きではない音に対しては意見を言い、納得のいく音作りをしてきた。たとえ目上のミュージシャンでも関係なく、自分の意見をぶつける真剣さは、同じく音楽を愛するミュージシャンの心を動かし、それが音になっていたからこそ、彼女の作品はより素晴らしいものになっていった。
そういう姿勢は復活第一弾となったアルバム『The beginning』からも変わらず伝わって来る。それどころか、音楽で伝えたいという気持ちは、より一層強くなっていることを感じる。持病の治療に専念するためとはいえ、歌と共に歩むことを決意しプロの世界に入ってきた彼女にとって、表舞台から遠のいていたこの2年は、辛いこともたくさんあったに違いない。しかし、『The beginning』に収録された彼女の歌声を聴いていると、この2年が彼女にとって、どんなに意味深い時間だったかが伺える。
「悲しみが優しさに変わって/別れが出会いを呼び寄せる」と、アルバムのオープニングを飾る「はじまりのとき」の冒頭の歌詞にも描かれているように、困難を乗り越えたからこそ生まれた力強さや優しさが、彼女の歌をより大きく成長させた。きっと、4月27日からスタートしている今回のツアーで、全国の会場で、4年振りに彼女の歌声を聴いた人は皆、それを感じただろう。
ライヴでは、過去にとらわれることなく、これからの自分の音楽像を模索して行こうとしていることが一目りょう然だった。そして、今、ステージに立てていることが、ファンを前に新しい曲たちを披露出来ていることが、「嬉しくて幸せでたまらない!」と、目を輝かせながら唄う絢香に胸が熱くなるだろう。
そういえば、彼女は昔から、
「これからどんどん出して行く予定の曲は、まずライヴでやりたいんですよ。私の中ではライヴは中心です。曲を作るのもライヴのため! やっぱりそこは音楽の原点ですから。音楽って、まずはステージで唄って、伝えてというところからですから」
と、ライヴでも躊躇することなく、新曲を披露していた。今回のツアーでは、セットリストからも、彼女が改めてスタートラインに立ち、一から自分の居場所を作ろうとしている強い意志が感じられる。始まったばかりの絢香の第二章。進化はしているが、ブレない芯はそのままに、絢香がこれから音楽で伝えて行こうとしていることを知ることが出来る今回のツアー。ツアー本編を見逃した人にも、追加公演でぜひ見てほしい。
4月27日、日本武道館のステージに絢香の元気な声が響いた。活動休止を経て4年振りの全国ツアー。2月にリリースした『The beginning』を携えて、絢香が再びステージに戻って来たのだ。
絢香の歌声と出会ったのは6年前。「I believe」でデビューを果たし、以来、リリースするシングルが立て続けにスマッシュヒット。4枚目のシングル「三日月」がau「LISMO」のCMソングとしてオンエアされるやいなや、彼女の人気はさらに急上昇し、瞬く間に次世代を担う歌姫として注目を浴びるようになった。
彼女の歌の魅力は、日記のように自らの気持ちを正直に言葉に込めた歌詞。加えて、歌と共に歩むことを決意し、真剣に音楽と向き合ってきた彼女ならではの、まっすぐにぶつかってくる魂のこもった歌声。楽譜通りの技巧的にうまい歌ではなく、心に響くソウルフルな歌が彼女の魅力だ。それは、以前、彼女にインタビューしたときのこの言葉が物語っている。
「唄うときは、うまく唄おうってことよりも、どれだけ感情が込められるかってことをまず考えるんですよ。声がかすれちゃったり、うなるようにキツく唄っても、それが逆に伝わったりすることもあるので、そのまま生かしたりもします。うまく唄うことよりも、感情を込めて、どれだけ歌に入り込んで唄えるかっていうことが重要だと思うんです」
一曲一曲、真摯にその曲と向き合って生み出した音楽は、隅々に至るまで妥協がない。「伝える」ということに貪欲で、「音楽を通して、いろんなことをメッセージしていきたい」という信条にブレることがないからこそ、彼女はまだ新人のうちから、レコーディングでもライヴのリハーサルでも、自分が嫌な音や好きではない音に対しては意見を言い、納得のいく音作りをしてきた。たとえ目上のミュージシャンでも関係なく、自分の意見をぶつける真剣さは、同じく音楽を愛するミュージシャンの心を動かし、それが音になっていたからこそ、彼女の作品はより素晴らしいものになっていった。
そういう姿勢は復活第一弾となったアルバム『The beginning』からも変わらず伝わって来る。それどころか、音楽で伝えたいという気持ちは、より一層強くなっていることを感じる。持病の治療に専念するためとはいえ、歌と共に歩むことを決意しプロの世界に入ってきた彼女にとって、表舞台から遠のいていたこの2年は、辛いこともたくさんあったに違いない。しかし、『The beginning』に収録された彼女の歌声を聴いていると、この2年が彼女にとって、どんなに意味深い時間だったかが伺える。
「悲しみが優しさに変わって/別れが出会いを呼び寄せる」と、アルバムのオープニングを飾る「はじまりのとき」の冒頭の歌詞にも描かれているように、困難を乗り越えたからこそ生まれた力強さや優しさが、彼女の歌をより大きく成長させた。きっと、4月27日からスタートしている今回のツアーで、全国の会場で、4年振りに彼女の歌声を聴いた人は皆、それを感じただろう。
ライヴでは、過去にとらわれることなく、これからの自分の音楽像を模索して行こうとしていることが一目りょう然だった。そして、今、ステージに立てていることが、ファンを前に新しい曲たちを披露出来ていることが、「嬉しくて幸せでたまらない!」と、目を輝かせながら唄う絢香に胸が熱くなるだろう。
そういえば、彼女は昔から、
「これからどんどん出して行く予定の曲は、まずライヴでやりたいんですよ。私の中ではライヴは中心です。曲を作るのもライヴのため! やっぱりそこは音楽の原点ですから。音楽って、まずはステージで唄って、伝えてというところからですから」
と、ライヴでも躊躇することなく、新曲を披露していた。今回のツアーでは、セットリストからも、彼女が改めてスタートラインに立ち、一から自分の居場所を作ろうとしている強い意志が感じられる。始まったばかりの絢香の第二章。進化はしているが、ブレない芯はそのままに、絢香がこれから音楽で伝えて行こうとしていることを知ることが出来る今回のツアー。ツアー本編を見逃した人にも、追加公演でぜひ見てほしい。
文●大橋美貴子