「城南海」のよみかたVol.12「城南海ワンマンライヴ<ウタアシビ2012春>、自らの原点を見つめ直して」


◆城南海 画像



「ここでメンバー紹介をしましょう。ピアノを弾いてくださっているTKさんこと、小林哲也さん! パーカッション、まっすんこと舛岡圭司さん!」。シマ唄の2曲目は、バンドメンバーとともに仕事唄である「イトゥ」を唄います。この曲は奄美大島が薩摩藩の圧政下で、サトウキビの収穫作業のときに唄ったのだそう。そして「“ウタアシビ”なので、皆さんも一緒に唄ってください」と城南海はオーディエンスに呼びかけます。定期ライヴのタイトルでもあるウタアシビ=唄遊びとは、皆で集まり唄ったり踊ったりする、参加型の音楽遊び。ただじっと、静かに聴いているだけではつまらない。「皆さんに唄ってもらいたいのは、“ハーラーヘンヨーホー”です」。初めての人でもすぐに加わることができるように、節回しを実演。会場も一緒に<ハーラーヘンヨーホー>と合唱。その流れのまま曲へ入ると自然と手拍子が起き、オーディエンスが一斉に<ハーラーヘンヨーホー>と声を上げれば、城南海も笑顔でうなずくように応えていました。「今日は(ステージの構造によって)180度皆さんの声が包んでくれて、お酒を飲んでないのに、酔ってしまいそうな雰囲気です」と語り、客席からの歌声に圧倒されたようです。


城南海は「ウタアシビを1年ぶりにできて、すごくうれしいです。私は14歳で奄美大島を出たのですが、島を出てから海の美しさ、人の温かさといったことに改めて気づきました。シマ唄は鹿児島に行ってから始めて、大学の卒論ではシマ唄のことを書きました。なぜなら、もっと島の心を伝えたいと思ったんです。今回のライヴでは(「ヨイスラ節」を)アカペラで唄い始めたり、デビュー前の課題曲(「もう一度おしえてほしい」)を歌ったりしたのは、自分のルーツを大切にしたい、という思いからなんです」と自らの思いを語ります。

「最後になってきたんですけれど、最後も盛り上がっていきましょう!」。ラストスパートはライヴで初披露となる、BS朝日『市長はムコ殿』の主題歌「幸せの種」。軽快なメロディにのって、ステージをアクティブに動き回ります。そして本編最後の曲はライブでは定番の「虹色輪舞曲」(リリース未定)。明るい曲調に合せて、会場からは手拍子が起こります。ピアノとパーカッションとの掛け合いもどんどんヒートアップしていき、盛り上がりは最高潮に。


「皆さん、今日は本当にありがっさまりょーた!」と、オーディエンスからの歓声に元気に応える城南海。今回のライヴは新曲の披露、通常の「ウタアシビ」ライヴで行われるシマ唄・カヴァー曲コーナーに加え、デビュー前に歌っていた楽曲を歌ったり、当時の弾き語りを再現したりするなど、彼女のシンガーとしての「原点」を見つめ直すステージだったと感じました。その出発点をしっかりと確認し、さらに新たな一歩を踏み出している城南海。その向かう先に見えるものはなにか。次の展開に、また期待が高まります。
ライヴ終了後、城南海さんに今回のライヴに対する思い、手ごたえ等についてお伺いしました。

――今回、「原点に返るライヴにしたい」と思ったのはどんな理由からなのでしょうか?

――「紅」は城さんの弾き語りでしたね。
城南海:デビュー前に1年くらいライヴ修行をしていたのですが、さきほどのライヴのように自分でピアノを弾きながら歌っていたんです。1stアルバム「加那-イトシキヒトヨ-」を作るときには武部聡志さんがアレンジを加えて、すてきに仕上げてくださいました。私が弾いていたヴァージョンでは、コードは3つくらいしか使っていないんです。
――今日はピアノとパーカッションというシンプルな編成でしたが、いかがでしたか?
城南海:今までピアノとパーカッションのみ、という試みをしたことがなかったんです。編成が違うからアレンジし直す必要があって、今回はリハーサルを3日取りました。「太陽とかくれんぼ」などは、ピアノだけだと明るい感じになるので、私が「マイナーにしましょう」と言ってコードを変えたりして。みんなで1曲1曲「ここはこうしよう」と話し合い、新しいアレンジを作るような気持ちでやりましたね。あと、パーカッションはいつもカホンだったんですけれど、今回はジャンベにしていただいて。カホンはポップス寄りの音なんですけれど、ジャンベは民族色が出る楽器なんです。今回は私がMCでお話したように、「島の感じをもっと出したい」というのがありまして。だからいつも聴いている曲も、今回は民族色が強く、新鮮に聴いていただけたのではないか、と思います。ジャンベは倍音を出しますし、ピアノもグランドピアノだったので、全体的に波がある音が出たのではないでしょうか。
――今回のライヴを見ていて、自然の息吹を強く感じたのですが、それは楽器の選択によるところも大きいのですね。
城南海:楽器によって全然音も違うし、曲の感じもガラッと変わるし、今回特にアレンジも編成も変えているから、いろいろチャレンジしたライヴだったと思います。皆さんに楽しんでいただくことができていれば、うれしいですね。
――城さんのチャレンジがとても伝わるライヴでした! ライヴ終了直後のお疲れの所、ありがとうございました。
城南海ニューシングル「アイツムギ/幸せの種」
2012年6月20日発売
PCCA.70338 \1,000(税込)
1.アイツムギ 作詞/作曲:川村結花/編曲:上杉洋史
2.幸せの種 作詞:Mari-Joe/作曲/編曲:安岡洋一郎
3.アイツムギ (カラオケ) 作詞/作曲:川村結花/編曲:上杉洋史
4.幸せの種 (カラオケ) 作詞:Mari-Joe/作曲/編曲:安岡洋一郎
※<ウタアシビ2012春>でも最後を飾ったデビュー曲でもある「アイツムギ」の、再リリースが決定。両A面のカップリング曲は、BS朝日のドラマ『市長はムコ殿』の主題歌「幸せの種」。心弾むメロディでこちらもライブを盛り上げた1曲です。
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