T.M.Revolution、15周年アニバーサリー・ファイナル。「俺にはこれしかない」という生き様を見せつけた圧倒的な3時間

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2011年5月13日のデビュー丸15年を軸に、前後1年ずつ、計2年間にわたって繰り広げられてきたT.M.Revolutionの15周年アニバーサリーも、ここ東京・国立代々木競技場第一体育館でのライヴで一区切りとなる。

◆<T.M.R. LIVE REVOLUTION'12 -15th Anniversary FINAL->画像

<T.M.R. LIVE REVOLUTION'12 -15th Anniversary FINAL->と題された2days。その2日目の5月13日(日)。1万5千人でギッシリ埋め尽くされた会場は、客電が落ちる前から開演を待ちきれないオーディエンスの手拍子がわき起こり、やがてそれはどんどん大きくなっていった。

会場が暗転すると、まず目に飛び込んできたのは、T.M.R.のロゴや数字を映し出す、巨大な楕円形立体スクリーン。それが徐々に上に移動し、左右に開くと、その奥から全身真っ白な衣装をまとった西川貴教が登場。彼は大歓声の中、初期の頃のナンバー「BRACK OR WHITE」を豪快に放ち、勢いよくライヴをスタートさせた。

ステージセットに設置された無数の電飾がまたたき、西川自身の体につけられた電飾も一緒に光る。その派手さ華やかさもすごいが、何より、バンドと同期が融合した爆音に負けない西川の歌声がすごい。素晴らしく力強い。

序盤はそのまま「蒼い霹靂」「Burnin’ X’mas」「Save The One,Save The All」と、アッパー・チューンを連発。1万5千人のオーディエンスは1曲1曲に歓喜しながら跳び両手を振り上げ、会場は早くも熱帯雨林のような、じっとしていても汗が噴き出すとんでもない熱さ(&暑さ)となった。

中盤では、床から天井まで12分割されたスペースにバイオリンやチェロを手にしたストリングス隊が出現。その生のストリングスをフィーチャーした贅沢なアレンジで、西川は「夢の雫」「O.L.」「last resort」といったミディアム・ナンバーをじっくり届けていく。かと思えば、「IMITATION CRIME」や「PIN UP LADY」では8人の女性ダンサーが登場し、西川も花道の先で歌いながら彼女たちとともにキレのいいダンスを見せる。みんなを楽しませるために計り知れない労力と努力が注ぎ込まれた、見所聴き所ハイライトのオンパレードだ。

後半。いったんステージ下に消え、全身黒の衣装に着替えて再び現れた西川は、まさに15周年イヤーの中で生まれた「Naked arms」「SWORD SUMMIT」「FLAGS」といったキラー・チューンを放ち、ますます会場を燃え上がらせる。昔からの定番曲やヒット曲で盛り上がるのはもちろん、それ以上に最近の曲で盛り上がる、というライヴはとても健全で、それ自体、T.M.Revolutionの無尽蔵な底力と無限の可能性を証明しているように思えた。

火柱の上がった「魔弾~Der Freischutz~」では、「俺にはこれしかねぇんだ! だから、行くしかねぇんだよ!」と叫び、「LOVE SAVER」では花道にガクッと膝をつき、這いつくばって激唱する西川。「俺にはこれしかない」と言った“歌”。「これならできる」と言った“歌”。そのたった一つに命を懸けて、最高のものを届けようとする彼の必死の姿は鬼気迫るものがあり、美しく、激しく胸を打たれた。

本編ラストは「CHASE / THE THRILL」。西川がタオルをぐるぐる回し、1万5千人もぐるぐる回す。会場中に広がる笑顔。そこに強力な一体感が渦巻いた。

アンコールでは「HIGH PRESSURE」「HOT LIMIT」「WHITE BREATH」と大ヒット・ナンバーの3連打。ダンサブルにアレンジされた「HOT LIMIT」では再びダンサーを交え、西川もダンス。「WHITE BREATH」では大シンガロングが起こり、西川のうれしそうな笑顔が印象的だった。

ここまでで約2時間半。短い煽りはあったもののMCは一切なし。この日最初のMCがあったのは、Wアンコールの時だった。

「ご挨拶もないままに、2時間以上も来てしまいました(笑)。何より、ご挨拶もないまま“オメーら!”とか“かかってこい!”とか、横暴なことを言って申し訳ございませんでした(笑)」。そんな西川一流のユーモアあふれる言葉から始まったMCでは、彼の素直な想いとみんなへの感謝がまっすぐ伝えられた。

「16年の間には時に迷うこともあった。でももしその時投げ出していたら、この景色は見れなかった。そう思うと、続けてきて本当に良かったと思うし、みんなとここまで来れて本当に良かったと思っています。改めて、ありがとうございます」と。また、昨年の東日本大震災を経た心境に触れ、こうも言った。「悩んだけど、俺が差し出せるものは、命の他にはもう歌うことしかなかった。最初はそれがすごく悔しかったけど、俺には歌があるし、それが誰かのためになるなら、どこだって行く、どこででも歌う。その覚悟で今、俺はここに立っています」と。

そして「HEART OF SWORD~夜明け前」と「LIGHT MY FIRE」を熱く放ち、最後は西川とバンド・メンバーとオーディエンス全員で大ジャンプ! 最高にハッピーな15周年の締めくくりとなった。

「20周年のライヴは一回りも二回りもデカイところでやります」と宣言した西川は、もう一度、生声で感謝を伝えた。

「これまで本当にありがとう! これからもよろしくな!」

T.M.Revolutionというエキサイティングで希有な音楽と、T.M.Revolution西川貴教の生き様がまんま伝わってきた圧倒的な3時間。ステージに誰もいなくなった後、スクリーンには“怒濤の3週連続リリース大決定!”の文字が映し出された。

第1週の2012年9月12日にはT.M.Revolution初となるLIVE CD『T.M.R.LIVE REVOLUTION 11-12-CLOUD NINE-』、第2週の西川の誕生日でもある2012年9月19日にはDVD&Blu-ray『T.M.R. LIVE REVOLUTION 12-15th Anniversary FINAL-』、第3週の2012年9月26日には豪華ゲスト・ミュージシャンを迎えたセルフカバー・ベストアルバム第2弾『UNDER:COVER2』がそれぞれリリースされる。

この日デビュー丸16年を迎え、翌日から17年目に突入するT.M.Revolutionは、15周年ファイナルを終え、一段落するどころか、ますます加速――。と同時にこの日から、20周年へと向けたカウントダウンも始まった。

取材・文●赤木まみ

<イナズマロック フェス 2012>
日程:2012年9月15日(土)・16日(日)
会場:滋賀県草津市 烏丸半島芝生広場(滋賀県立琵琶湖博物館西隣 多目的広場)
開場・開演: 開場 12:00 開演 14:00 終演 20:00予定 ※雨天決行(荒天の場合は中止)
チケット代:15日券、16日券 各7,800円(税込) ブロック指定・オールスタンディング・整理番号付 ※3歳以上有料
問い合わせ:キョードーインフォメーション 06-7732-8888(10:00-19:00)
オフィシャルHP: http://inazumarock.com/
※T.M.Revolutionの出演が決定しています。

怒濤の3週連続リリース決定!
【1st week】
2012/9/12(水) T.M.Revolution 初となる、LIVE CD『T.M.R. LIVE REVOLUTION 11-12 -CLOUD NINE-』リリース
【2nd week】
2012/9/19(水) DVD&Blu-ray『T.M.R. LIVE REVOLUTION '12 -15th Anniversary FINAL-』リリース
【3rd week】
2012/9/26(水) セルフカバーベストアルバム第2弾『UNDER:COVER 2』リリース

◆T.M.Revolutionオフィシャル・サイト
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