NERDHEAD×hiroko(mihimaru GT)対談。ジョルジョのプロデューサー業の根底にあった失恋

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── ジョルジョさんは女性目線の楽曲が多いですけど、どうしてそんなに女心がわかるのか、その秘密も知りたいですね。

hiroko:
私も知りたいです!

ジョルジョ:
実は男性のほうが女性よりもウブだったりしますよね。だから僕の中では男性として歌詞を書いてるだけで、人称を女性にして、視点を女性にしているだけなんですよ。

── 前の恋をひきずっているものが多いですよね。

ジョルジョ:
意外と僕はひきずるタイプみたいなんですよね(笑)。男ってすごく単純な生き物で、追われると逃げたくなるけど、逃げられると追いたくなる。女性がどうかわからないんですけど、そういう男のズルズル感を描く場合が多いですね。女性がそうやってズルズルしてドロッとすると男性よりもタチが悪いじゃないですか。それを出すとグロテスクになっちゃうので、男性くらいのドロッと感のほうが、人が聞いたときに共感出来る範囲なんじゃないかと思うんです。あとはストーリーを作るようにしています。聞いたときに背景とか情景、天気、時間とか、言わなくても聴き手がイメージ出来るようなものを作るというのは必要だなと思います。説教じみていたり、説明じみたりしないように、聴き手がイメージ出来るようにナビゲートするのも作詞家の仕事かなぁと思っています。

hiroko:
そのバランスって難しいですよね。さっき言っていた、女性のドロッとしたのはタチが悪いという話ですけど、私も思いが強すぎて入り込むと、すぐドロッとしちゃいます……(笑)。自分の気持ちを歌詞で吐き出すことと、伝えるところの間をいつも探しています。その作業が難しいですね。ジョルジョさんの歌詞は、繊細でも重くないんですよね。スッと受け止められるような爽やかさがあるというか。でも、軽いわけではなく。言葉の選び方が優しかったり、ドキッとします。恋愛経験の差なんですかね?

ジョルジョ:
いやいや……僕の恋愛武勇伝なんて、どうしようもない話しかないですよ(笑)。ただ、昔、すごく好きだった彼女に傷つけられた経験があるんだよね。その経験が切ないラブソングのベースになっているっていうのはあります。それまで見えていなかったことを感じたし、苦しみもわかるからこそ、幸せもわかるんだよね。僕はその失恋以後にプロデュース業をスタートさせたんだけど、たまたま女性シンガーの歌詞を書くことが多くて「すごいわかる!」って共感してもらえるようになって。ある意味、その人に感謝です。

hiroko:
わかります! 私は失恋すると何も食べられないくらい落ち込みますし、その人のことばかり歌詞にしちゃうんですよ。でも、あれだけ傷つかなかったらこれだけの言葉は出て来ないだろうっていうくらい言葉が出て来るんですよね。

ジョルジョ:
音楽をやる上で、自分の気持ちだけを送るんじゃなく、相手の気持ちをわかった上で書くものは違うなぁと思います。痛みを知らない人が痛みを語ってもわからないし、本当の幸せを知らない人が幸せを唄っても、たぶん伝わらないと思います。

hiroko:
今度、私の恋愛をジョルジョさんに話して、それをもとに曲を作っていただきたいですね。

ジョルジョ:
そういうの好きですよ。自分のものではなく、人の経験を聞いて、脚本家のように脚色して、自分の中でイメージして書くのってすごく楽しいんですよ。

hiroko:
ぜひ、またよろしくお願いします!

ジョルジョ:
そうですね。またコラボしましょう!

インタビュー&構成:大橋美貴子

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