ソロ15周年のINORAN、ステージ上から6月、ニュー・アルバム発表を報告
3月14日と15日の両日、<-TOKYO 2nite->と銘打たれたINORANの二夜公演が東京・渋谷O-EASTにて行なわれた。これは彼にとって今年最初のライヴであると同時に、ソロ活動開始から数えて15周年にあたるアニヴァーサリー・イヤーの幕開けを飾るもの。“-Just a day-”というサブタイトルが伴った14日の公演は彼自身のオフィシャルFCであるNO NAMEの会員限定という形式で開催され、それを経たうえでの15日の公演タイトルには“-The Beginning-”という言葉が添えられていた。まさにここから、新しい流れが始まるというわけである。
◆INORAN<-TOKYO 2nite->~拡大画像~
ここではその、第二夜の模様についてお伝えしておきたい。暗転した場内、プライヴェートなジャムを始めるかのようにさりげなく「No Name」で幕を開けたステージは、曲の進行と比例しながら次第に熱を帯び、続く「SuperTramp」で一気に加速。どちらも、ちょうど1年前にリリースされた『Teardrop』からの楽曲である。結果から言えば、90分弱に及んだこの夜のライヴの核となっていたのは、その『Teardrop』と、同作から派生するように生まれたもうひとつの昨年度作品『Hide and Seek』からの楽曲群だった。その事実自体が、INORAN自身が2011年の収穫の大きさを実感しているはずであることを裏付けていたし、彼が次に踏み出そうとしている新たなステップが、こうした流れの先にあるものだということを示唆していたように思う。
ステージ中央でギターをかき鳴らしながら芯のある歌声を聴かせるINORANの周囲を固めているのは、Murata Yukio(G)、u:zo(B)、Ryo Yamagata(Ds)、そしてマニピュレーターのd-kikuという、すでにファンには馴染み深い存在になりつつあるはずのミュージシャンたち。改めて文字にするまでもなくお察しいただけるはずだが、あくまで名目上はソロ活動ではあるものの、そこで繰り広げられているのは完全に“バンド”のライヴ・パフォーマンス。全身に伝わってくるグルーヴもまさにバンド然としたものであり、いずれのメンバーもボトムを支えながらINORANの存在を際立たせるばかりではなく、その場で起こり得るさまざまな化学反応を誘発していく。そこで改めて感じさせられたのは、人選の絶妙さだ。ラウドでヘヴィなだけでもなく、いわゆる音響系のデリカシーばかりが求められるわけでもないこの場において、彼らが作り出す音の渦には、永続的ではないはずのこの“バンド”の未来に触れてみたいと思わせるものがある。
そしてライヴが中盤に差し掛かった頃、INORANの口から歓迎すべきニュースが届けられた。かねてからレコーディングが進められていたニュー・アルバムが仕上がりつつあるのだという。さらに彼が、このライヴの熱気をもアルバムに封じ込めたいと扇動すると、人でぎっしりと埋まったフロアの熱がさらに上昇する。「この曲を作って歌えることに感謝したい」と述べながら披露された「千年花」も、“バンド”の状態の良さがダイレクトに感じられるインストゥルメンタル・チューンの新曲「Leslie(仮題)」や、序盤のみPAを通さずに演奏された「Joshua」も、むせかえるような熱気を伴いながらの演奏となった。
さらにドラムとベースの掛け合いによるセッション・パートを挟むと、今度はニュー・アルバムに関するより正確な情報が。INORANの言葉を借りれば「現段階でもはやすごくいいアルバムになっているけど、今日のライヴ次第でもっといいものになる」はずだというこの作品は、6月27日にリリースされることになっており、それに合わせて6月30日からは全国ライヴハウス・ツアーが行なわれることも決まっているのだという。そうした報告のなかで彼が「このメンバーでまわります」と告げると、ステージ上でもフロアでも、さらに温度が上昇したように僕には感じられた。そうした流れのなかで、おそらくその新作にも収録されることになるはずの新曲「Ivan(仮題)」が炸裂。ライヴはそのまま加速度をつけながら転がり、激しさに拍車を掛けながらクライマックスを迎え、畳み掛けるような「Hide and Seek」と「One Big Blue」の連射をもって幕を閉じた。
「また会おうぜ!」
自身がステージ上に寝かせたギターの残響を伴いながらINORANはそう告げ、満足げな表情を浮かべてオーディエンスの前から去っていった。終演後に改めて事実関係を確認したところ、実際、ニュー・アルバムのレコーディングは佳境に入っており、まさにこの二夜公演でINORAN自身が味わった刺激を最後のスパイスとしながら完成に至らしめられることになるのだという。作品そのものに関する詳細も、そう遠くないうちにお知らせできるに違いない。ついに3月21日にリリースを迎えた、実に約12年ぶりとなるLUNA SEAのニュー・シングル「THE ONE - crash to create -」が世の注目を集め、大きな反響を得ているなか、やはり当然ながら個々のメンバーたちの動きからも目を離すことはできない。なにしろこの夜に筆者が味わった熱狂は“-The Beginning-”、すなわちINORANが踏み出した新しい歴史の序章にしか過ぎない。これから先にまだまだ、さらなる刺激と興奮が待ち受けているはずなのである。
増田勇一
[6/27新譜&TOUR情報]
Teardrop”以来、1年2ヶ月ぶりとなる新作は、記念すべき10作目、15周年Anniversary Yearを飾る待望のFull Album。TOKYO 2niteで披露された新曲、オリコンウィークリーチャート初登場第10位を記録したシングル「Hide and Seek」を含むLive感溢れるRock'n Roll Album
現在、絶賛Recording中
INORAN 15th Anniversary Year
- 2nd Stage -
<Live Tour 2012 “Dive youth, Sonik dive”>
6/30(土)金沢AZ
7/3(火)渋谷CLUB QUATTRO
7/7(土)仙台darwin
7/12(火)LIQUIDROOM
7/14(土)岡山CRAZYMAMA KINGDOM
7/16(月・祝)福岡DRUM Be-1
7/21(土)名古屋ボトムライン
7/22(日)大阪BIGCAT
[一般発売日]4/28(土)
[問]BACKSTAGE PROJECT 03-5786-2400
◆INORAN オフィシャルサイト
◆INORAN キングレコード レーベルサイ
◆BARKS ヴィジュアル系&V-ROCKチャンネル
◆INORAN<-TOKYO 2nite->~拡大画像~
ここではその、第二夜の模様についてお伝えしておきたい。暗転した場内、プライヴェートなジャムを始めるかのようにさりげなく「No Name」で幕を開けたステージは、曲の進行と比例しながら次第に熱を帯び、続く「SuperTramp」で一気に加速。どちらも、ちょうど1年前にリリースされた『Teardrop』からの楽曲である。結果から言えば、90分弱に及んだこの夜のライヴの核となっていたのは、その『Teardrop』と、同作から派生するように生まれたもうひとつの昨年度作品『Hide and Seek』からの楽曲群だった。その事実自体が、INORAN自身が2011年の収穫の大きさを実感しているはずであることを裏付けていたし、彼が次に踏み出そうとしている新たなステップが、こうした流れの先にあるものだということを示唆していたように思う。
ステージ中央でギターをかき鳴らしながら芯のある歌声を聴かせるINORANの周囲を固めているのは、Murata Yukio(G)、u:zo(B)、Ryo Yamagata(Ds)、そしてマニピュレーターのd-kikuという、すでにファンには馴染み深い存在になりつつあるはずのミュージシャンたち。改めて文字にするまでもなくお察しいただけるはずだが、あくまで名目上はソロ活動ではあるものの、そこで繰り広げられているのは完全に“バンド”のライヴ・パフォーマンス。全身に伝わってくるグルーヴもまさにバンド然としたものであり、いずれのメンバーもボトムを支えながらINORANの存在を際立たせるばかりではなく、その場で起こり得るさまざまな化学反応を誘発していく。そこで改めて感じさせられたのは、人選の絶妙さだ。ラウドでヘヴィなだけでもなく、いわゆる音響系のデリカシーばかりが求められるわけでもないこの場において、彼らが作り出す音の渦には、永続的ではないはずのこの“バンド”の未来に触れてみたいと思わせるものがある。
そしてライヴが中盤に差し掛かった頃、INORANの口から歓迎すべきニュースが届けられた。かねてからレコーディングが進められていたニュー・アルバムが仕上がりつつあるのだという。さらに彼が、このライヴの熱気をもアルバムに封じ込めたいと扇動すると、人でぎっしりと埋まったフロアの熱がさらに上昇する。「この曲を作って歌えることに感謝したい」と述べながら披露された「千年花」も、“バンド”の状態の良さがダイレクトに感じられるインストゥルメンタル・チューンの新曲「Leslie(仮題)」や、序盤のみPAを通さずに演奏された「Joshua」も、むせかえるような熱気を伴いながらの演奏となった。
さらにドラムとベースの掛け合いによるセッション・パートを挟むと、今度はニュー・アルバムに関するより正確な情報が。INORANの言葉を借りれば「現段階でもはやすごくいいアルバムになっているけど、今日のライヴ次第でもっといいものになる」はずだというこの作品は、6月27日にリリースされることになっており、それに合わせて6月30日からは全国ライヴハウス・ツアーが行なわれることも決まっているのだという。そうした報告のなかで彼が「このメンバーでまわります」と告げると、ステージ上でもフロアでも、さらに温度が上昇したように僕には感じられた。そうした流れのなかで、おそらくその新作にも収録されることになるはずの新曲「Ivan(仮題)」が炸裂。ライヴはそのまま加速度をつけながら転がり、激しさに拍車を掛けながらクライマックスを迎え、畳み掛けるような「Hide and Seek」と「One Big Blue」の連射をもって幕を閉じた。
「また会おうぜ!」
自身がステージ上に寝かせたギターの残響を伴いながらINORANはそう告げ、満足げな表情を浮かべてオーディエンスの前から去っていった。終演後に改めて事実関係を確認したところ、実際、ニュー・アルバムのレコーディングは佳境に入っており、まさにこの二夜公演でINORAN自身が味わった刺激を最後のスパイスとしながら完成に至らしめられることになるのだという。作品そのものに関する詳細も、そう遠くないうちにお知らせできるに違いない。ついに3月21日にリリースを迎えた、実に約12年ぶりとなるLUNA SEAのニュー・シングル「THE ONE - crash to create -」が世の注目を集め、大きな反響を得ているなか、やはり当然ながら個々のメンバーたちの動きからも目を離すことはできない。なにしろこの夜に筆者が味わった熱狂は“-The Beginning-”、すなわちINORANが踏み出した新しい歴史の序章にしか過ぎない。これから先にまだまだ、さらなる刺激と興奮が待ち受けているはずなのである。
増田勇一
[6/27新譜&TOUR情報]
Teardrop”以来、1年2ヶ月ぶりとなる新作は、記念すべき10作目、15周年Anniversary Yearを飾る待望のFull Album。TOKYO 2niteで披露された新曲、オリコンウィークリーチャート初登場第10位を記録したシングル「Hide and Seek」を含むLive感溢れるRock'n Roll Album
現在、絶賛Recording中
INORAN 15th Anniversary Year
- 2nd Stage -
<Live Tour 2012 “Dive youth, Sonik dive”>
6/30(土)金沢AZ
7/3(火)渋谷CLUB QUATTRO
7/7(土)仙台darwin
7/12(火)LIQUIDROOM
7/14(土)岡山CRAZYMAMA KINGDOM
7/16(月・祝)福岡DRUM Be-1
7/21(土)名古屋ボトムライン
7/22(日)大阪BIGCAT
[一般発売日]4/28(土)
[問]BACKSTAGE PROJECT 03-5786-2400
◆INORAN オフィシャルサイト
◆INORAN キングレコード レーベルサイ
◆BARKS ヴィジュアル系&V-ROCKチャンネル
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