『アフロ田中』映画化記念イベントでアフロヘアーバンド・鶴が猛烈アピール

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週刊ビッグコミックスピリッツ連載中の人気漫画『アフロ田中』、祝映画化! 松田翔太&佐々木希を始めとする豪華キャストがスクリーンを飾り、コミカルにしてほんのりと感動も呼ぶストーリーを後押しする劇中音楽をあのアフロヘアーバンド・鶴が手がけたことも大注目な今作。しかも、鶴にとってはこの『アフロ田中』とのコラボレーションがアフロヘアーでの活動の集大成となり、結成以来のトレードマークだったアフロヘアーをこれを期に卒業するという驚きの宣言が飛び出したことでも話題沸騰中だ。

そんな話題作の公開を記念して、『アフロ田中』の作者・のりつげ雅春氏の手による直筆の原画を生で見ることができるという、ファンにとってはたまらないイベントがビッグエコー下北沢駅前店にて3月11日まで開催されている。映画の予告編映像&鶴が歌う主題歌「夜を越えて」が流れる中で、主人公・田中広の良い感じなヘタレぶり(笑)や誌面を彩った様々なシーンがズラリと並び、さらにその「夜を越えて」のCDか映画『アフロ田中』のチケットの半券を持っていけば3月31日までカラオケの室料が90分無料になるという、まさに“アフロ田中”づくしな企画が展開中なのである。

そして、その“アフロ田中”づくしな空間に鶴のリズム隊コンビ・神田雄一朗&笠井快樹が降臨。ボーカル・秋野温はスケジュールの都合で残念ながら駆けつけられなかったが、主題歌となった渾身の1曲「夜を越えて」はもちろん、未発表曲「どこまでも青空(インストゥルメンタル)」を始めとする鶴の代表曲がサウンドトラックとして盛り上げる映画版『アフロ田中』の魅力を、今作の宣伝担当・奥村裕則氏とともに大いにアピールしてもらった。ちなみに、当日は奥村氏も鶴のメンバーにならい、アフロヘアー姿で熱弁をふるってくれた(笑)。さらに鶴の二人には、4月にリリースが決定した待望のニューアルバム『我がまま』への熱い意気込みもいち早くいただいたので、完成間近の入魂作もぜひ楽しみにしてもらいたい。

奥村氏「私は、特に観ていただきたいシーンがありまして……。松田翔太さんが演じるのは24才の田中広という役なんですが、彼が童貞で、女性と触れ合う機会もなかなか無く。で、隣の家に引っ越してきた佐々木希さん演じる加藤亜矢という女性に恋心を抱くんですけれども、加藤さんはすごく綺麗なので自分がそんな人をどうこうできるわけはないという思考が働いてしまうんですね。加藤さん的にもちょっと恋心があるんだけれども、田中広の頭の中では最初からダメだとシャットアウトしてしまう思考回路が出来上がってしまって。そういう中で、二人の距離がちょっと近づいていくにつれ、田中広は自分の恋心が抑えられなくなってしまい……。商店街で、『煩悩を捨てろ!』と言いながらも好きという気持ちが爆発したときに、松田さんがすごい神がかった角度でゴミ箱に『ちくしょーっ! 好きだ!』と突っ込むシーン!」

──ライブハウスでダイブするかのように、ゴミ捨て場に突っ込むシーンですね。

奥村裕則(以下、奥村):そうです! あれは、『飛び込んだほうが面白いじゃん!』ということで松田さんご本人が現場でご提案されたシーンなんで、ぜひ注目して観ていただきたいですね。

神田雄一朗(以下、神田)・笠井快樹(以下、笠井):名シーンですね!

笠井:で、鶴サイドから言わせてもらえれば、劇中のいたるところに鶴の楽曲が散りばめられてるんですよ。それがですね、やっぱり鶴ってすごいなと、天才的に映画を後押ししているなと……。誰も突っ込んでくれないと、かなり気まずいんですが(笑)。

神田:(笑)いやいや、良いと思うよ!

笠井:とにかく、各シーンで、音楽の力で作品を後押しできてたら嬉しいなと思っていますので、音楽面でもぜひ楽しんでいただきたいですね。

神田:もちろんその音楽面もおすすめなんですけど、僕が観た映画自体のおすすめポイントでいうとですね……。ああいうコメディ系の映画なので1時間半ぐらいで終わるのかなと思ってたんですけど時間が2時間近くあって何だろうと思ったら、結構色んなところに間(ま)があるんですね(笑)。間が多いんです、何とも言えない間が。でも、全部観終ってみるとあれが重要なポイントになってるんですよね。監督ご本人も言ってたんですけど、あんまりテンポが良過ぎるのは違うっていうことで作品全体に隙間がいっぱいあって。で、シュールさと、面白さと、でもあるシーンでは感動するっていう、色々なポイントがうまいこと融合しているからこそ成り立ってる映画だと思うんです。

奥村:そうなんです。漫画でも、同じコマが、同じ絵が続いているっていう無言の間がああって、それを映画でも表現できてるんですよね。

神田:そうそう。原作を読んでいる人にもそういうところは違和感がないんじゃないかなって。

──原作の空気感もリアルに再現しているというわけですね。その映画のストーリーを後押しするのが鶴の楽曲なわけですが、「夜を越えて」も『アフロ田中』の世界観をまさにイメージして作った作品なんですか?

神田:そうですね。曲を書いたのはウチのボーカルなんですけど、彼が言うには、もうね、共通する部分しかないんですよ(笑)。彼は原作を全部読んでいるので、ストーリーとかキャラ設定は全部自分の中に入っている状態で書き始めたらしいんですけど……。書いてる最中に段々、『アフロ田中』に書いてる曲なのに素直に自分の思いを書いてるみたいな錯覚を感じたらしくて。だから、結局あの歌は『アフロ田中』の歌でもあり、ウチの秋野温という人間の素でもあって。その素が自然に出てあの曲ができて、映画に使われて、びっくりするぐらいに融合して馴染んでっていうことなので、映画とリンクしてる部分しかないんですよね。モヤモヤを抱えたまま突っ走って、でも結果、答えは出ない(笑)。けどそれでいいっていう。そういうモヤモヤ感と爆走感が出てる曲だと思いますね、僕は。

笠井:爆走感、疾走感のみと言ったら、過言かな(笑)? でも、それぐらい駆け抜けて、後半に向かってどれだけ熱くなれるかっていう曲だと思うんですよ。だから、ライブでやっててもお客さんも一緒に熱くなれるような感じがあって。もう本当に、小難しいことではなくて、ストレートに突っ走って熱くなろうぜっていう感じの曲ですね。

──その「夜を越えて」の爆走感、疾走感は、もしかしてニューアルバム『我がまま』の仕上がりを占うようなものになっていたりっていう?

神田:あっ、そうですね! ああいう疾走感とは違うテイストの曲もあるんですけど、気持ちの部分というか芯の部分には共通してるものがありますね。

笠井:今までのアルバムと違うのは……。今までって、結構色んなジャンルとか、やりたいことを色々手広く詰め込んできたんですよ。でも今回はそうじゃなくて、今の自分達の中に本当にあるものを中心に組み立てていこうっていうことから始まっているので、今までのアルバムとはバランスが少し違うかもしれないですね。で、この『アフロ田中』という作品に関する活動で、僕ら、アフロを卒業しようと思ってるんです。そこには、自分達の信じる音楽をやっていきたいっていう思いと、素の自分達で勝負したいっていう思いがあって。そういう意味も込めて、『我がまま』というタイトルになったんですよ。

神田:そう。今本当にやりたいもの、ずっとやりたいと思って目指してきたもの、それに対する自分達の中でのひとつの答えにもなる自信作ですね!

取材・文●道明利友

◆BARKS カラオケチャンネル
◆鶴 オフィシャルサイト
◆映画『アフロ田中』オフィシャルサイト
◆ビッグエコー オフィシャルサイト
ビッグエコー下北沢駅前店
住所:東京都世田谷区北沢2丁目20-17Recipe
電話:03-5779-7900
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