「全力で支えてくれた先生方へ」津西高校卒業生の想いにファンモンが動いた。卒業式ライヴを実施

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FUNKY MONKEY BABYSが、デビュー2年目以降、毎年行なっている卒業生応援ライヴを行なった。

◆FUNKY MONKEY BABYS 画像@三重県立津西高等学校 卒業式ライヴ

2007年 香川県小豆島 池田中学校から始まり、2008年 静岡県 川根小学校、2009年 山梨県 甲府看護専門学校、2010年 徳島県 岩倉中学校、2011年 福島県柳津中学校と毎年欠かさずに実施されてきたこの企画。2012年、全国777校の中から選ばれたのが、三重県立津西高等学校だった。そう、津高等学校と双璧をなす県下有数の進学校にして、西団地方面、緑の街方面、そして津西ハイタウン方面、どこからアクセスしても坂の上に建っている高校、といえば、ピンとくる人もいるかもしれない。特に津駅にも通じている西団地方面からは、なだらかな坂道が長距離にわたって続くため(ちょうど水道局の配水施設のあたり)、自転車通学の生徒は朝から結構きつい。

過去5回の卒業式ライヴではファンモンと先生から生徒へのサプライズとして行なってきた卒業式ライヴだったが、今回は応募した生徒・今井瞳さんの想いに応える形で、ファンモンと今井さんから、同級生と先生へのサプライズライヴとなった。

在校生との卒業式を終えた卒業生は、学年集会のために体育館から武道場へ移動。先生たちからの卒業生へのビデオメッセージが終わり、学年主任 別所先生の「先生達からのプレゼントです!」との言葉をきっかけにファンモンメンバーがステージへ登場すると、卒業生は歓喜の声とともに、一斉にステージへ詰めより大興奮。「希望の歌」から始まったスペシャルライヴは、新曲「この世界に生まれたわけ」、「ちっぽけな勇気」へと進むが、ここでいよいよ先生への逆サプライズが始まる。ファンキー加藤が、津西高校を選んだ理由を話し始め、今回企画に応募した今井瞳さんをステージへ。

ここから先は、先生たちも知らないサプライズ。

津西高校に決定した決め手は、今年の卒業生である今井瞳さんからの2つのメッセージ。ファンキー加藤に促され、今井さんが逆サプライズのために用意した手紙を読み上げる。

「卒業生のみんな、びっくりさせてしまってごめんなさい。今から少しだけ、私の話を聞いてください。今回、FUNKY MONKEY BABYSの3人に卒業式ライヴをお願いした理由は、2つあります。1つ目は、大好きな西高生のみんなに、笑顔になってほしかったからです。当たり前かもしれやんけど、本格的に受験シーズンに入ってから、みんなと笑い合ったり、騒いだりする時間は減ってしまって、みんなの笑顔を見れる機会も減って、正直、めっちゃ寂しかった。このまま卒業してくんかなぁって考えたら怖かった。だから最後に、みんなに最高の笑顔で卒業してほしいっていうのと、これから別々の道を歩んでいくみんなを、FUNKY MONKEY BABYSの歌で励ましたいと思って、今日はFUNKY MONKEY BABYSの3人に来てもらいました。これからまだ後期試験を受ける人たちもおると思うけど、最後まで絶対にあきらめやんといてな。みんなの努力が報われるのを、心から祈ってます。」

ステージ上の今井さんの言葉を聴きながら涙を流す同級生たち。そしてさらに手紙は続く。

「そしてもうひとつの理由。これは先生にも話していなかったんですが、3年間お世話になった先生方に恩返しをしたかったからです。私の担任の貞巳先生は結婚して17年間ずっと子どもができず、そのことをとても気にしていました。そしてついに、去年、念願の子どもができました。でも、お医者さんに『奥さんか赤ちゃんが亡くなるかもしれない』と言われたそうです。お子さんは11月に産まれましたが、しばらく集中治療室に入っていたそうです。奥さんもお子さんも無事に退院する1か月前に、先生はこの話を泣きながらクラスのみんなに打ち明けてくれました。こんなにも大きなものをずっと胸にしまったまま、誰にも弱みを見せずに私たちと向き合ってくれていたのです。貞巳先生のそんな強さに背中を押されて、クラスのみんなも頑張ってこれたのかもしれません。貞巳先生に限らず、西高の先生方は皆、自分の生活を犠牲にしてまで、私たちを全力で支えてくださいました。だから、そんな先生方への感謝の気持ちを伝えたいと思って、このライヴに応募しました。」

「卒業生のみんな、そして先生方、私たちは今日でお別れですが、いつかまた、今日みたいな笑顔で会える日を楽しみにしてます。今まで本当にありがとう。みんなの笑顔が見れて、私は今めっちゃ幸せです。みんなの笑顔、ずっと忘れません。私は、みんなが思っとる以上に、みんなのことが大好きです。3年1組、今井瞳より。」

盛大な拍手の中、まさかの先生への逆サプライズに、今井さんのクラスを受け持った担任の中川貞巳先生もたまらず号泣。

今井さんから改めてバトンを受け取ったファンキー加藤は、「今井さんからのリクエストでお世話になって先生方に1曲歌わせてください。」と、お父さんの応援歌「ヒーロー」を熱唱。生徒の輪の中に呼び込まれて、中川先生も生徒と一緒に大熱唱。会場は笑顔に包まれた。

最後は、まだこれから受験を控えている卒業生や、新しい世界に旅立つ卒業生、総勢352人の津西高卒業生へ「壁を乗り越えた先に光がある。必ず朝日は射して来るから。生きる事を諦めないで。」と、「あとひとつ」を贈った。

「今井さんの応募してくれたメッセージがとても心がこもっていて、この学校にしようという事になったんですが、先生にもサプライズするという試みは初めてだったので新鮮でしたね。卒業式は嬉しいものというよりも、離ればなれになる事に対する不安だったり、なにかちょっと寂しかったりするイメージの方が強いので、そんな不安を抱えた背中を僕らの歌で押してあげられたらと毎年思っているんですが、みんな喜んでくれて良かったです。」── ファンキー加藤

涙と笑顔が入り混じった感動の中、2012年の卒業式応援サプライズライヴは幕を閉じた。裏門の外壁を泳ぐ“クジラ”も、卒業生たちの新たな門出を祝福していた。

◆FUNKY MONKEY BABYS オフィシャルサイト
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