エリカ・バドゥ、ボディ・アートのせいでマレーシアのコンサートが中止に
イスラム教徒が大半を占めるマレーシアで、2/28(火)に行われる予定だったグラミー賞に輝くR&Bシンガー、エリカ・バドゥ(41)のコンサートに開演禁止の措置が取られた。
これはアラビア語で書かれたアラーの神へ捧げる言葉が彼女の身体にペイントされている写真が公表されたのを受けての措置で、翌2/29(水)に首都クアラルンプールで3,000人の観客の前で予定されていたコンサートは中止するべきとの意見が出たためだ。
イスラム教グループの中には、マレーシア人の若者たちがバドゥのむき出しにされた肩にアラーの言葉がタトゥー・ペイントされている写真を見た今、もはや彼女をロール・モデルとしてとらえることはできないと反発の声を上げた。
これを受けて警察やイスラム系組織から成る政府委員会は、ボディ・アートは“イスラムを侮辱するものであり、非常に深刻な攻撃と見なす。彼女(バドゥ)の写真は一般大衆の批判を集め、国家を危機に陥れる重大性も秘めており、我が国の政府にもネガティヴなインパクトを与えかねない”という情報担当大臣の声明を掲げると共にバドゥのコンサートを禁止した。
バドゥはすでにマレーシアへ入国していたが、情報省の役人の1人が匿名の立場で語ったところによると(公式の声明を出すことは認められていないためだが)、バドゥは観光客としてそのまま滞在することはできるものの、パフォーマンスすることは一切禁止されるという。
マレーシアでのコンサートを組織していたPINEAPPLE CONCERTSのラズマン・ラザリ氏は禁止が覆されることに期待を寄せ、「エリカは心配し、動揺している」とAP通信にコメントした。
マレーシアでは、過去にもグウェン・ステファニーやアヴリル・ラヴィーンといった西欧のアーティストが“パフォーマンス中は、節度をわきまえた服装でいること”という事前警告を受けた例がある。しかし今回のように中止に追い込まれたのは、まったく初めてのケースだ。
バドゥの問題の写真は彼女の公式ウェブサイトにも掲載されていたため、2/27(月)にマレーシアで最も多くの人々に読まれている英字新聞『THE STAR』に事件が掲載されたのち、多くの人々がアクセスしている。
『THE STAR』紙は、写真を掲載した翌日の2/28(火)に騒ぎを扇動する結果を招いたとして謝罪文を掲載し、政府も同紙の編集者たちを招集して説明を求めた。イスラム教徒の活動家たちの中には、『THE STAR』紙の業務停止を求める者もいる。"
◆ニュース提供:ビルボード
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