カサビアン、凶暴のみならず、知性と品格、威厳を備えた『ヴェロキラプトル!』

ポスト

間もなく、4枚目のスタジオ・アルバム『Velociraptor!』をリリースするカサビアンが7月29日、ロンドンで開催されていた<iTunes Festival 2011>に出演。「ID」「Empire」「Fire」などのヒットに交えニュー・トラック2曲を披露した。

◆カサビアン画像

これまで見たカサビアンのライヴに“ハズレ”はなく、今回も例にもれず素晴らしいパフォーマンスだったが、そこにはさらなる自信、貫禄、そして成熟さが増したように思う。

大合唱となったオープニングの「Clubfoot」でオーディエンスの心をガッチリ掴み、「Underdog」や「Shoot The Runner」で疾走。ただ飛ばすだけでなく、独自のグルーヴで会場を束ねうねらせる。この感覚はそうあるものではない。サウンド、オーディエンスの反応両面から、あらためてカサビアンがUKのロック・シーンを代表するバンドであること、そして独自の地位を築き上げていることを実感した。また、こじつけに聞こえるかもしれないが、その姿は新作のタイトル『Velociraptor!』さながら猛り立つも威厳に満ちた恐竜のようでもあった。

この夜は「Velociraptor!」と「Switchblade Smiles」という2つの新曲を披露。サージ本人の解説によると「Velociraptor!は、アルバム前半をナチュラルに締めくくる曲。アドレナリンの奔流。圧倒的な恐怖を体現してる。何かに追われている感覚をね」「Switchblade Smilesはカサビアン全開の曲。タイトルは、モーガン・フリーマンが何かのインタビューで誰かを評して言った“飛び出しナイフみたいな笑顔”から。その意味はすぐにわかった。人当たりはいいけど腹の中は真っ黒な連中。この曲は、そんなささくれ立った感覚を捉えてる。“一寸先は闇”さ」とのこと。

ヴェロキラプトルは有史以来最も凶暴な恐竜だったとも言われるが、カサビアンの作り出した『Velociraptor!』は凶暴なだけではない。知性と品格、威厳を備えている。

この夜のセットリストは以下の通り。

「CLUBFOOT」
「WHERE DID ALL THE LOVE GO?」
「UNDERDOG」
「SHOOT THE RUNNER」
「VELOCIRAPTOR」(新曲)
「THICK AS THIEVES」
「TAKE AIM」
「ID」
「EMPIRE」
「FASTFUSE」
「VLAD THE IMPALER」
「LSF」
アンコール
「SWITCHBLADE SMILES」(新曲)
「FIRE」

そして、デビュー当時から日本のファンを大切にし続けてきたカサビアンは、今回も新作のリリースにあわせ日本でスペシャル・イベントを開催する。すでに告知されているが、トムとサージが来日し、8月8日に国立科学博物館で開催中の「恐竜展2011」の会場にて新作試聴会を開くという。UKのファンには羨ましい限りの特別企画。詳しくは、ソニー・ミュージックの洋楽オフィシャルTwitter(https://twitter.com/INTSonyMusicJP)や、Facebook(www.facebook.com/INTSonyMusicJP)まで。

『Velociraptor!』は9月21日にリリースされる。

Ako Suzuki, London

◆BARKS洋楽チャンネル
この記事をポスト

この記事の関連情報