テイ・トウワが“ハレの日”にしか創らなかった初コンセプト盤『SUNNY』

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ところで、テイ自身、2010年の12月から電子セレクトショップ「MACH」(マッハ)を開設したが、音楽、映像、アートワーク、文章などのコンテンツなど価値観を共有するさまざまなアーティストによるクリエイションを随時リリースしていくという。こちらについても聞いてみよう。

「もともとは、“DIYスター”って、アーティスト自身が自分の楽曲を配信できるオリジナルのシステムを、たまたま譲り受けたんですよ。ツィッターとかマイスペースとかあるいまのご時世にも合うし、僕的にはもちろんパッケージでも売っていきたいんだけど、それでも今日作った曲をすぐ配信できるのはいいなって思って。でも、どうせだったら僕だけでやるのもつまらないんで、知り合いにも声をかけようかって始めたんですよ。ここでは楽曲だけじゃなくそれこそ写真だったり、デジタルで売れるコンテンツをいろいろと取り揃えようかなって。言ってみれば僕は、野菜直売所のリーダーみたいなものですよ(笑)」

今回のアルバムにも参加した女子ユニットのバクバクドキンはすでにこのMACHで3曲を配信。「BIG FUN」のリミックスや、INO hidefumiによる楽曲も配信がされている。「バクドキはDJ FUMIYAが連れてきたんです、エキセントリックで面白いからって。で、早速、彼のプロデュースで3曲つくって配信したんだけど、彼女たちみたく、なるべく間口を広くして、新しい人を出していければいいなと思ってますね。今回のアルバムから、『Upload』って曲を、バクドキの歌バージョンで出せればとは思ってますね。それ以外にも『MACH』としては、『SUNNY』のリミックスを出したいし、僕自身もここだけのエクスクルーシブトラックを作ろうかなとも思ってます。もしかしたら次のアルバムは「MACH」でたまった楽曲をまとめて出す事になるかもしれませんね」

早くも今後のリリースについても漠然とながらも触れるテイ。今回のアルバムのリリースに加え、ほかにレギュラーパーティでのDJプレイや、他アーティストのプロデュース、CMその他の楽曲制作と創作欲はとどまるところをいらない。早くも彼の次なる一手が待ち遠しい。

「いまは自分自身、DIYな感じが強まってきている感じがしますね。パッケージとは別に楽曲の配信を自分でやっていくのはもちろん、今回のアルバム用のブックレットでも写真は全部、僕が撮り、素材集めからデザインなどかなり手がけている。それ以外の分野においても自分の創作を生活の中心に持ってきて、動き出せている感じがしますね。『Sound Museum』(1999)から『FLASH』の間が6年。次の『BIG FUN』までが4年、そして今回2年という間隔でソロアルバムを作ってきたから、次は1年?そして半年? 次のアルバムもそんなに遠くはないかもしれませんね」

文:大野智己

(c)TAJIMA KAZUNALI for MILD inc.
◆テイ・トウワ オフィシャルサイト
◆『SUNNY』(Amazon)
◆電子セレクトショップ・MACH
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