ファイナルオーディオデザインから、ハイエンド・イヤホン新モデル発表
売価20万円を誇るハイエンド・ダイナミック型イヤホンFI-DC1601に続く、新製品「FI-DC1602 シリーズ」がファイナルオーディオデザインから発表された。クロム銅、ステンレス、真鍮という金属3種類で発売された究極のイヤホンの、第2世代モデルの登場である。
FI-DC1601に続きFI-DC1602と、末尾数字がひとつ上がった型番を持つが、今回からファイナルオーディオデザインのダイナミック型イヤホンのシリーズ名である「Piano Forte」の名が、このモデルにも継承された。モデル名にローマ数字が枝番としてつきラインナップが整理されている。
素材は前作と同様、クロム銅、ステンレス、真鍮の3種類が発表され、それぞれPiano Forte X-CC、Piano Forte IX、Piano Forte VIIIと名付けられた。もちろん3機種とも、剛性を高め筐体内の空気の流れを最適化するための金属削り出しを踏襲、Piano Forte IIにも起用されていたアポロ型三角錐の形状をもって、更なる音質向上が図られている。
前作との大きな変更ポイントは、この筺体デザインの変更とともに、ホーンスピーカーの理論を応用したところにある。ファイナルオーディオデザインの真骨頂であるホーン型スピーカーのノウハウを注入、これでしか得られない濃密でリアリティある音の追求により、まさに生々しくリアルな空気感が目の前に現れる。
また、FI-DC1601で用意されていたゴム製イヤーパッドの付属は見送られた。そのためイヤーパッドの取り外し機能もなくなり、当新製品は金属性イヤーパットと筐体が完全一体化されている。これは、様々なイヤーチップの装着により、本来メーカーの意図しない音に変異してしまうことを回避するためだ。ブランドが胸を張って市場に投入するフラッグシップモデルだけに、オーディエンスに正しい音を届けるために採った仕様変更である。
また、ケーブルの脱着に関しても採用は見送られている。他に例を見ないほどの高額モデルゆえ、ケーブル脱着のリクエストが高いのはファイナルオーディオデザインも承知しており、十分な理解を示しているものの、サウンドへの悪影響とともに、脱着を繰り返すことによるトラブル発生のリスクが見逃せないとのこと。精密な作りが揺るぐのはもちろん、ケーブルではなくユーザーが本体側を破損してしまう危険性があるという。ケーブルの音質はもちろん、あらゆる側面から完璧なバランスをもって設計・制作していることから、ケーブル交換の必要性はないと理解したい。いたずらなリケーブルも不要ということだ。なお、ケーブルの断線に関しては、メーカーは3年もの保証を発表している。自信の現れであると同時に、安心して欲しいというユーザーへのメッセージであろう。
現在、私の手元にはステンレスで出来たPiano Forte IXがある。この素晴らしきサウンドと例を見ない音世界を、追ってレポートしたいと思う。店頭に並ぶのは4月下旬と思われるが、音楽を音楽として耳に届けるファイナルオーディオデザインの誇り高き設計は、多くのオーディオ・ファンを感涙させるはずだ。
text by BARKS編集長 烏丸
Piano Forte X-CC(FI-DC1602SC-C):クロム銅(SC-C)市場想定売価 220,000円(税込)
Piano Forte IX(FI-DC1602SS):ステンレス(SS)市場想定売価 98,000円(税込)
Piano Forte VIII(FI-DC1602SB):真鍮(SB)市場想定売価 78,000円(税込)
感度 108dB(以下3 機種共通)
インピーダンス 16Ω
コード長 1.4m
重量 約38g
同梱品 キャリーケース、取扱説明書、保証書
1年間保証(断線に限り購入日より3年間保証)
2011年4月22日発売予定
◆Piano Forteオフィシャルサイト
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